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藤村有弘、ドンガバチョはガンバス大王だった [懐かし映画・ドラマ]

藤村有弘、ドンガバチョはガンバス大王だった

藤村有弘さん(1934年3月6日~1982年3月16日)の祥月命日です。それらしく聞こえるインチキ外国語で一世を風靡しました。喜劇役者としてドラマや映画に、また声優としても活躍。子ども向け番組の出演実績も多いので、私も子供の頃から馴染みのあるタレントでした。



藤村有弘とは誰だ


インチキ外国語の芸というと、タモリが売り出した頃『四カ国語麻雀』というネタが有りましたが、元祖は藤村有弘です。

得意は中国語とイタリア語で、たとえば、「ドルチャメンテコチャメンテ、スパゲッティナポリターナ、ゴンドラスーイスーイ、トラバトーレ、トルナラ・トッテミーロ」と、ひとつひとつは全くイタリア語になっていないのですが、リズム感と間の取り方と勢いで、それらしく聞かせてしまうのです。

まさに「芸」なんですね。

一方、タモリはどちらかというと、真面目に本物により近い外国語を目指しました。

現在放送中の『ブラタモリ』は、恐らくかなりその土地についての予習をしていることが伺えますが、「努力するのが嫌い」といっているタモリは、実はかなり真面目な人、努力家だと私は思いますね。

それはともかくとして、藤村有弘の出演作品は、このブログでもたくさんご紹介しているのです。

今回は、そこから抜粋します。

子供番組中心になってしまいましたが、以下の作品以外にも、映画時代は悪役としてもずいぶん出演されていることを付記しておきます。

ひょっこりひょうたん島



私が藤村有弘を初めて知ったのは、人形劇の『ひょっこりひょうたん島』(1964年4月6日~1969年4月4日、NHK)のドンガバチョでした。

蝶ネクタイをしているのがドンガバチョ、海賊がその宿敵のトラヒゲです。

圧巻は、ドンガバチョ(藤村有弘)が「トラどん」と呼び、トラヒゲ(熊倉一雄)が「なんでぃ」と返事をすると、藤村有弘が「ハタハッハ」と奇妙な笑い方をして、熊倉一雄が「何がおかしいンでぃ」とムキになる一連のやり取り。

「トラどん」というトボけた呼び方と、「ハタハッハ」と奇妙な笑い方を、海賊の親分である大悪党のトラヒゲがまともに相手にしているところが、子供心におかしくて仕方なかったですね。

「トラどん」という呼び方や、「ハタハッハ」という意味不明の笑い方などは、後に藤村有弘のアドリブであることを知りました。

リズム感と勢いのアドリブ芸は、藤村有弘の真骨頂です。

なんたって18歳!



なんたって18歳!』(1971年、大映・大映テレビ、TBS)は、昭和の古き良き時代と、大映ドラマイズムを随所に感じる、いま見ても楽しめるライトコメディだと思います。

ストーリーは、大財閥の一人娘である青木まどか(岡崎友紀)が、18歳になったら母(加藤治子)と祖母(山田佳子)が決めた婚約者(浜田光夫)と結婚するというお仕着せの生活に嫌気がさして家出。

婿養子で、唯一まどかの味方だった父親(田崎潤)の経営するバス会社に、青山はるかと名乗って社長令嬢であることを隠して就職します。

失敗を繰り返して、最低最悪のバスガイドと上司(藤村有弘、春川ますみ)や先輩(十勝花子)に言われたり、同僚(松坂慶子ら)や母や祖母らに自分のことがバレそうになったりしながらも、1年間(つまりドラマは52話)勤め上げます。

ドラマの中で、藤村有弘は、外国人のお客対応の訓練として、お得意の「デタラメ外国語」を披露。

それに対して、岡崎友紀も一歩も引かずに「デタラメ外国語」で応えるシーンがあります。

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『なんたって18歳!』第42話「あこがれのサロンバス」(1972,7/18放送)より

岡崎友紀主演のライトコメディは、昭和のドラマ史に残るものだと思いますが、岡崎友紀のセンスの良さがひかります。

透明ドリちゃん



透明ドリちゃん』(1978年1月7日~7月1日、東映/テレビ朝日)は、今もカルト的な人気のあるファンタスティックコメディです。

獣医夫妻(佐藤充、吉野佳子)の娘である青山ミドリ(柿崎澄子)は、弟の虎男(安藤一人)とともに妖精の国、フェアリー王国に連れて行かれます。

ミドリは、ガンバス大王(藤村有弘)から、長い間行方不明になっているフェアリー国の王女ゼリアンであるといわれますが、ミドリはそれを受け入れず、妖精界に留まることを拒否します。

ガンバス大王(藤村有弘)は仕方なく、透明になれるドリームボールと、妖精を呼び出せるフェアリーベルをミドリに授け、「周囲の者に夢と勇気と希望を与え続けること」「妖精界の秘密を他人に知られたらカエルになること」を条件として、姉弟を人間界へ帰します。

まあ、ネタバレですが実は人違いで、ミドリは王女ではなかったんですけどね。

毎回、一話完結で「周囲の者に夢と勇気と希望を与え続ける」話が続き、ガンバス大王(藤村有弘)は、最後にそれをモニタリングしていて、「よくやった、それでこそ王女」と喜ぶシーンだけ登場しますが、青山一家のシーンがホームドラマのノリなので、ガンバス大王(藤村有弘)の登場によって、ファンタスティックコメディであることを思い出させてくれます。



喜劇駅前火山



これまでは、子供番組が続きましたが、もちろん大人の作品にも出ています。

喜劇駅前火山』(1968年、東京映画/東宝)では、三木のり平の弟分として詐欺師の役を演じています。

本作は、以前このブログでご紹介しましたが、ジュディ・オングと前田美波里が大真面目に喜劇にチャレンジしています。

ジュディ・オング
自称石油鑑定人
『喜劇 駅前火山』より

現在も高値がついている、砂浜に寝そべっている資生堂のポスターでスターになった前田美波里が

前田美波里(資生堂)

森繁久彌が仕込んだ自称石油鑑定人を演じました。

昨日も書きましたが、この当時の旬の人を起用する喜劇駅前シリーズのキャスティングはすごいですね。

というわけで、藤村有弘さんが亡くなって、もう38年になるのです。

覚えていらっしゃいますか、というより、ご存じですか、藤村有弘さん。

透明ドリちゃん DVD-BOX HDリマスター版 - 柿崎澄子, 安藤聖一, 佐藤允, 藤村有弘, 吉野佳子, 曽我町子, 安藤一人
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ひょっこりひょうたん島 ヒット・ソング・コレクション(オリジナル版) - TVサントラ, トラヒゲ(熊倉一雄), 魔女ルナ(久里千春), ダンディ(小林恭治), テケ(増山江威子), しゅうちょう(玉川良一), トウヘンボク(柳澤眞一), ボーカルショップ, 魔女リカ(松岡計井子), 前川陽子, ガバチョ(藤村有弘)
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風太郎

日本人の俳優だと知ったのは後のことで
アチラの言葉が上手だったです。
by 風太郎 (2020-03-16 09:53) 

kinkin

藤村有弘さんと言ったら、自分の場合はアマチュア無線家でJH1BAN局が自分の記憶です。
もうこのコールサインは他の方が使っていますが。
by kinkin (2020-03-16 13:31) 

pn

ドリちゃん観てなかったんだよなぁ。
ドンガバチョは知ってるだけだし(^^ゞ
by pn (2020-03-16 15:05) 

Boss365

こんにちは。
藤村有弘さん、微かに憶えています。役者のイメージより、
「ひょっこりひょうたん島」での声優のイメージが強いですね。
放送の時期を見るとかなり後期です。
ドラマ・なんたって18歳の藤村有弘さんのビジュアル微か記憶あり。
蝶ネクタイでお洒落なビジュアルですね。
役柄もあると思いますが、三木のり平さんも蝶ネクタイ?
何か共通点がありそうな喜劇のスタイルと推測です!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2020-03-16 16:34) 

KINYAN

よく見てはいなかったですが、ひょっこりひょうたん島はNHKで放送していましたね
by KINYAN (2020-03-16 19:02) 

そらへい

私は「チロリン村とクルミの木」世代で
「ひょっこりひょうたん島」が放送された頃は
もう中学生から高校生でしたが
9歳下の弟が見ていたので
私もよく一緒に見ていました。

by そらへい (2020-03-16 20:13) 

50oyaji

ひょっこりひょうたん島子供と一緒に見てました!!
プリンプリン物語も(^^)
by 50oyaji (2020-03-16 20:22) 

エンジェル

藤村有弘と言えばやっぱり「ひょっこりひょうたん島」ですね。「なんたって18歳」も見てましたが、詳細を思い出せません。岡崎友紀のドラマは結構見てたのですが・・・記憶力悪すぎですね(>_<)
by エンジェル (2020-03-16 23:02) 

mau

ひょっこりひょうたん島、なんとなく怖かったイメージしかないです。
by mau (2020-03-17 00:15) 

ナベちはる

「ひょっこりひょうたん島」は、NHKの教育テレビでやっていたリメイク版を少しだけ憶えています。
by ナベちはる (2020-03-17 01:36) 

ヤマカゼ

ひょっこりひょうたん島になんたって18歳、ずいぶん懐かしいのが出てきましたね。もう内容は覚えてないのですが、久しぶりに画像を拝見しました。
by ヤマカゼ (2020-03-17 05:39) 

なかちゃん

ひょっこりひょうたん島は、よく観ていたはずなのにストーリー的なことはほとんど憶えていません。
きっと今観ても面白い番組なのでは?と思いますが、憶えていないのでいい加減なことも言えません(^^;

by なかちゃん (2020-03-17 06:41) 

こんちゃん

渋いところを持ってきたなぁと思いました。
藤村有弘=ドンガバチョは記憶にありますが、他はほとんど記憶の彼方です。
透明ドリちゃんもタイトルに覚えはないのですが、ストーリーは何となく覚えています。
by こんちゃん (2020-03-17 06:53) 

kou

「ひょっこりひょうたん島」の歌はたまに頭に浮かんできます。昔、このシリーズのプラモデルに夢中になってました。腕に紐が通っていて動くタイプでした。
by kou (2020-03-17 08:46) 

skeptics

蝶ネクタイのイメージです。
by skeptics (2020-03-19 04:27) 

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