新田恵利、91歳の母親介護継続中で考える介護経験のあり方 [社会]
元おニャン子クラブの新田恵利さんが、91歳の母親の介護が継続中であることを打ち明けて話題です。新田恵利さんはすでに2年前、母親の介護を行っていることをNHKの番組がとりあげています。昔は、芸能人は夢を売る存在なので、「貧病争」は喧伝しないとされていたのですが、最近ではむしろ積極的に伝えられるようになりました。
以下のツイートには「驚愕」と表現されていますが、すでに彼女の介護の話は公然としているので、その投稿もシェアします。
1985年に誕生し、一世を風靡(ふうび)した女性アイドルグループ「おニャン子クラブ」の中心メンバーだった新田恵利は、現在91歳の母・ひで子さんの在宅介護に取り組み、その経験を元に企業や官庁などで講演活動を続けている。 # 新田恵利 # いま : 【※驚愕※】「おニャン子」https://t.co/daylB3YMiB
— エンタメニュースフラッシュ (@entamenewsflash) February 29, 2020
新田恵利さんは、介護のため事務所をやめ、ストレスで、脳動脈瘤を患ったということですから、苦労されたのだと思います。
それにしても、(義)親などの介護によって「介護離職」(事務所をやめたり休業したり)する芸能人という話は、もう何人聞いたでしょうか。
すどうかづみ、秋川リサ、市毛良枝、荒木由美子、安藤和津、大竹しのぶ、清水由貴子、杉田かおる、戸田恵子、名取裕子……
私が知らないか、ド忘れているだけで、まだまだ枚挙できますよね。
中には、それによる時間の経過で、歌手や俳優など本職の商品価値をうしなったと思われる方もおられます。
そういう方々が、一方でその介護経験が注目され、講演活動などもされている理由を考えてみました。
ひとつは、高齢化社会で、介護経験が、芸能人として売れるひとつのセールスポイントになっていることはあると思います。
もちろんこれは、上記の芸能人のみなさんが、自分の経験を積極的に売りたいと思っているかどうかは関係ありません。
親介護を美化しすぎる弊害
一方、気になることもあります。
介護経験芸能人を積極的に露出させることで、「子は自分の人生を犠牲にして親の介護に捧げるものなのだ」という、道徳観念の刷り込みが意図されているのではないか、という疑いです。
以前、このブログで、杉田かおるが自分ひとりで母親の介護をすることに限界を感じ、最後の10日間を施設にお願いしたことをご紹介したところ、杉田かおるに批判的な意見がありました。
彼女は結婚生活を犠牲にして、子どもを産む最後の機会を棒に振って介護した末のギリギリの選択だったのです。
それを、冷たい人のようにみなし、まだなにかさせる気なのかと、私は「親孝行イデオロギー」に空疎さを感じました。
もちろん、子が親の介護をすることに、積極的な評価を与えることは悪いことではないと思います。
私は、親の介護をした苦労人には、それだけでその人の人間性評価に高い「基礎得点」を与えるでしょう。
しかし、だからといって、親孝行という言葉で子の人生を縛ることが「良い事」とは全く思いません。
人生は1度しかない、その人のものですから、自由に判断すべきだと思います。
納得いく選択をするための参考にすればよい
極端な例ですが、こういう場合はどうでしょう。
はじめから定職につかず家庭も持たず、「親孝行」を生き甲斐として病院に終日付き添える人が、自己実現や家族のために働き、子供との時間を大切にして病院に来れず面会の機会が少ない人を、「親不孝だ」と非難できるでしょうか。
その人は「親孝行」ではあるのかもしれませんが、自分の人生をどう考えているの? という疑問があります。
一方、「親不孝」な人は、社会人としても家庭人としても結果を出すことを大切にしたのです。
どちらの生き方の肩を持つかはそれぞれお考えがあるでしょうが、私が言いたいのは、人生の評価なんて、見る角度によって違うということです。
「親孝行」だの「親不孝」だのというのは、そうした主観に存在する「現象」ですから、いずれに見えてもあまり気にすることはないだろうというのが私の意見です。
新田恵利さんだって、脳動脈瘤でもしものことがあったら、配偶者がどれだけ悲しむか。
もし私が夫の立場だったら、そこまでして「親孝行」な介護をすべきなのかと言い争ってしまうかもしれません。
健康な妻と添い遂げたいと、普通夫なら誰でも思うじゃないですか。
芸能人の介護体験談。介護しているからといって一方的に美化せずに、同じ目線で是是非非で、その方々の経験を参考にすればよいのではないでしょうか。
いずれにしても、介護する人が実際におられる方は、事情が許される限り無理はせずご自身で納得いく選択をされるとよいとおもいます。
E-AREA + シングルコレクション - 新田恵利
親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版
- 作者: 太田 差惠子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/11/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
一番の親孝行って親よか長く生きる事だと思ってるのでやれる事はするけど無理する気は無いな俺は。ましてやあんな親の為に時間費やすのは勘弁して欲しい。
by pn (2020-03-01 10:16)
日本には姥捨て山伝説などが存在するので、例えば施設に入居させるとか、ショートステイを利用する等にしても、
”姥捨て山感覚”にさいなまれてしまうのかなぁと思いました。認知症で徘徊が酷くなってくると生命の危機ですから
そんなくだらない虚栄心は捨てて施設の手を借りることはだ大切だと思います。
by marimo (2020-03-01 12:03)
親孝行が美しい、という日本人的な文化はありますね。
でも、それが「自己実現」としてではなく、
「社会的にあるべき姿」のように描かれてしまうのは「?」です。
人は事情も考え方も様々なのに、追い詰められてしまうし、
自助努力が強調されて、福祉の後退にもつながるかもしれないので、
注意が必要だと思います。
by 犬眉母 (2020-03-01 13:56)
現在義父の介護を経験していますが、週に1度ヘルパーさんを頼んでいます。義父が受け入れてくれたので本当に助かっています。やはり息抜きしないと優しくなれないと思うので・・・
by エンジェル (2020-03-01 15:14)
こんにちは。
介護、現実に直視すると難しい問題です。美化し過ぎる事の弊害があります。例えば「介護で共倒れ」会社を辞めて介護、その後再就職出来ないで生活困窮等。出来れは、介護を社会全体で支える仕組みがあると安心です。小生は家族等に迷惑かけないで「ポックリ旅立ちたい」と感じます!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2020-03-01 18:34)
おニャン子クラブでは、彼女が一番のお気に入りでした。
青春真っ盛りの頃です。^_^
by ヨッシーパパ (2020-03-01 18:38)
他人の事をどうこう言えるほど偉くは無いですが、介護を体験されている方の苦労は当人でないと語れるものでは無いとおもいます。いっぷくさんも息子さんの面倒をみられていてさぞかし大変な日々を送られていると思います。
野鳥を見ていると、毎年毎年子育てをして成長して世に送り出しています。そして植物もしかりだと。この世に生きるものの原則は、命を次の世代に繋ぐことだと思います。多分それが出来て先代からの恩をかえせるのだと思います。親の面倒を見ているせいで次の世代に命を繋げないのは帰って不幸だと思います。
by ヤマカゼ (2020-03-01 20:30)
してもしなくても批判されるので…自分で納得のいく方を選びたい
by mau (2020-03-01 22:21)
田舎では家で介護をして当たり前みたいな空気を感じましたが、(何年かかるかわからない)介護で子供の人生を棒に振るなんて親は絶対に望んでいないと思います。
できる部分は自分でお世話をして、プロにお任せするのがいいのではないかと思います。
批判をする人は介護経験があるのか疑問に思います。本当に経験していたらしんどさをわかっていますから、そんな冷たい言葉は言えないのではないでしょうか。
by ようこくん (2020-03-01 22:42)
我が母は一昨年12月から全介護となり、週3のデーサービスで救われ、時には4日5日のショートステイでリフレッシュしてきたものの、排泄がコントロールできず、また私が介護で腰や股関節等を痛めたりしたので長期入所を申込み、昨年9月から入所しています。ほんと、大変でした。
by yokomi (2020-03-01 22:45)
子供に対して「貴重な時間を使ってまで自分の介護をしても欲しくない」と考える人は少なくなさそうですが、反対に子供からしたら「親の面倒は(人の手も借りるけれど)、メインは自分が看ないと」と考えていると思います。
by ナベちはる (2020-03-02 01:01)
親の介護は他人がどうこう言える問題ではないですよね。
親子の数だけ介護への考え・形があると思っています。私ならどうするか・・・もうそう遠くない将来、確実に向き合って行かなくてはいけない事です。
by Rinko (2020-03-02 08:33)
私も亡母の看病で会社を辞めざるを得なくなって・・・
それでも1か月未満だったけど最後の時間を一緒に過ごせたのは良かったなって!!
それってやっぱり言われるように要は『自分と奥さんが納得するか否か』が問題で・・・
例えそれで不幸になったとしても北斗の拳のラオウなみに・・・
『我が人生、一片の悔いなし』て叫べたらイーよね・・・
って言いながらも・・・彼女に苦労を掛けてる現状は非常にツライ(泣)
あっ・・・でもね・・・今、私ってちょうど暇でしょ??
なので以前から彼女と子供が欲しいねって話し合ってて・・・
これから特別養子縁組に向けて私たちが法律に合致できるか、それを真剣に調査していくつもり!!
あはは・・・不幸中の幸いってやつで、これも亡母のお陰なのかな??
そんな特別養子縁組ってかなり敷居が高いらしいけど・・・
がんばってみるぞっ!!
by むうぴょんこ (2020-03-03 11:04)