今日は夏木陽介さん(1936年2月27日~2018年1月14日)の3回忌です。東宝ニューフェイスで俳優生活をスタートさせ、いったんテレビ映画の『青春とはなんだ』に出演後映画に戻り、70年代以後はまたテレビドラマで活躍。ドライバーとしてダカール・ラリーにも出場しました。
夏木陽介さんを語るには、同社制作のテレビ映画『青春とはなんだ』(1965年10月24日~1966年11月13日、全41回、東宝・テアトル・プロ/日本テレビ)をはずすことは出来ないでしょう。
青春とはなんだ
『青春とはなんだ』とは、日本テレビが長くNHKの大河ドラマと競いあった、日曜20時に確立した青春学園ドラマシリーズ枠の第一弾です。
夏木陽介に始まり、竜雷太、浜畑賢吉、村野武範、中村雅俊らが、いわゆる熱血教師を演じました。
『懐かしの青春ドラマ大図鑑』という当時のドラマを解説する本には、かつて「青春ドラマ」は、若者の視聴者にとって「道徳の教科書だった」と書かれています。
懐かしの青春ドラマ大図鑑―よみがえる青春グラフィティ
というと、「戦前の復古」とか偏見を持たれそうですが、そんな思想的なものではなく、「正義とはなにか」とか、「友情とはなにか」といった問いを、ストーリーに乗せて視聴者に問いかけていたのです。
たとえば、本作『青春とはなんだ』では、町の実力者の息子(阿知波信介)が、悪ふざけで時計を盗んでしまいますが、別の不良(寺田農)が濡れ衣で高校を退学させられます。
野々村健介先生(夏木陽介)は、おおごとになって言うに言えなくなった阿知波信介の心情を汲みながらも、寺田農の名誉回復のために説得し、阿知波信介は結局、正直に打ち明けます。
また、野々村健介先生は、町の利権と政治家や暴力団のつながりなどにも、首を突っ込んで解決します。
一介の高校の先生なのに、古い慣習や悪事に立ち向かうヒーローとしてのキャラクターもお約束でした。
さらに、野々村先生に限らず、歴代青春ドラマの先生は、浜畑賢吉以外は英語の先生でした。
そして、たいていは外国を放浪してきた帰りなのです。
渡航が珍しく「アメリカ」がまだ遠い時代に、普通の先生との違いとして、そのような設定にしたのだと思います。
野々村健介先生(夏木陽介)は、ナめられないようにと、英語で就任の挨拶をして、生徒たちの度肝を抜いています。
Gメン'75
『Gメン'75』は、警視庁庁舎から独立した特別潜入捜査班が様々な事件を解決していく、ハードボイルドドラマです。
メンバーが、滑走路を横一列に歩く構図と各人のアップを映したタイトルバックは、今も昭和ドラマ懐古のワンシーンとして語りぐさになっています。
夏木陽介は小田切警視役でした。
それが、突然降板します。
当時は、夏木陽介のギャラが高いから、今で言うリストラをされたと書かれていましたが、それにしても突然消えたので、びっくりしました。
Wikiには、その真相としてこう書かれています。
『Gメン'75』のニューカレドニアでのロケの際、プロデューサーの近藤と中華を食べに行き、夏木が先に支払いを済ませた。しかしプロデューサーの近藤はプロデューサーという立場の自分が支払いを、と考えていたため口論となり、夏木が「気に入らないなら降板する。」と言い降板となった。近藤からは降板のエピソードを作らせて欲しいと打診されたが、夏木がこれを固辞したため、突如番組から姿を消すこととなった。
勘定をどちらがもつかで、「ここは私が……」「いや、私が」と主張し合うことはよくありますが、度が過ぎてドラマ降板とは……。
こういう一本気なところは、まさに野々村健介先生のキャラクターそのままです。
プロダクション社長としても活躍
Facebookをのぞいたら、まだ夏木陽介さんのアカウントが残っていて、当時生徒役だった水沢有美さんと、いまだにドラマ当時のようなやりとりをしているので思わず笑ってしまいました。
ほかには、ほぼデビュー作といってもいい、『美女と液体人間』(1958年、東宝)で、液体人間が車にハネられるシーンを目撃するカップルを演じています。
『美女と液体人間』より
プロダクション社長としては、賀来千香子・西村和彦・志村東吾・小沢仁志・小沢和義らを送り出しています。
夏木陽介さん、覚えていらっしゃいますか。
G MEN’75 DVD-COLLECTION I
やっぱり青春!TVヒッツ・コレクション - オムニバス
大好きな人でした。
前記事のプロレスの黄金時代とともに本当に懐かしい!
私の若き情熱の時代が思い出されます。
by HOLDON (2020-01-14 09:19)
レイアウトを変更されたんですね ^^
夏木陽介さんは青春ドラマでも有名でしたが、ボクは東宝のゴジラのシリーズを憶えています。
何にしても好きな役者さんでした(^^)
by なかちゃん (2020-01-14 12:50)
あっ、ブログデザインが変わりましたね。
夏木陽介さん…もう三回忌ですか。月日が過ぎるのは早いですね。
by ピストン (2020-01-14 14:29)
Gメン75のOPで、ズラリ横並びで歩く姿は、
ドラマの内容を忘れても、このシーンを
連想する人が多いのではないでしょうか。
by とし@黒猫 (2020-01-14 16:38)
パリダカの映像は見たことあります。
話は別になりますが、2020年になってから、夕方にいっぷくさんのブログを開くと
「現在のwin10のシステムが古くなっていますのでボタンを押してください」のメッセージが頻繁にでます。そしてついにとうとう今度はマルウェア3個に感染していますのメッセージと共にあやしいボタンが。ヤマカゼだけなのでしょうか?くれぐれも書きますが、いっぷくさんには恨みありません。また悪意もありません。
辛い長時間通勤に平和島にいくという苦行に、いっぷくさんの大田区のラーメン、その他もろもろの情報を紹介していただき大田区に行くのも苦しいだけじゃないと思えるようになり感謝しています。このコメントが変に改ざんされないことを祈ります。
by ヤマカゼ (2020-01-14 18:54)
>by ヤマカゼ
全く身に覚えもありませんが、ひとつだけ申し上げておくと、ひとさまのコメントを改ざんすることは絶対にありえません。反論はしますが。
実際にマルウエアは出てくるのですか。
ご覧の通り、テンプレートもCSSも既製品に替えましたから、私の側に客観的な原因はありません。
そもそもそれは、以前も実害はないと書きましたが、信用できないのなら、2度とアクセスされないことが一番だと思います。
by いっぷく (2020-01-14 19:41)
夏木さん、亡くなっていたんですね。心に残っている男優さんです。
ブログのテンプレート変更、素敵になりましたね。自分のブログは何年も同じデザインです・・・(^_^;)
by kou (2020-01-14 19:44)
「勘定を払わせないのなら辞めてやる」って辞めちゃったと。
もちろん慰留はあったでしょうが、いったん言ったことは守ったんでしょうね。
自分の吐き出した言葉を裏切らない潔さを感じるので、
私はプラスイメージのエピソードだと思っています。
by 犬眉母 (2020-01-14 19:52)
コメントありがとうございます。
子供の頃再放送で観た覚えがあります。
かっこいい先生役とGメン75でも男らしいと思っていました(^o^)
by KINYAN (2020-01-14 20:38)
夏木陽介さんのパリダカ参戦は印象に残っています。
自分もパジェロに乗っていたので、応援していました。
懐かしいです。
by starwars2015 (2020-01-14 21:29)
凄い降板理由だなー!
プロデューサーも性格分かってるだろうになしてつまらん意地を張るんだよ、次は出しますねで終わる話だろうに(^_^;)
by pn (2020-01-14 21:32)
Gメン'75、そんな事があったとは!
by mau (2020-01-14 22:57)
夏木陽介さん、ダンディーなイメージで覚えています。Gメン’75はかなりよく見ていたドラマですが、出演されていたのは全く記憶にありません(^^;
それにしても降板の理由がちょっと驚きです。
by エンジェル (2020-01-14 23:21)
↑
恐らく、この事ではないかと思います。
http://tanweb.net/2017/12/22/17417/
詐欺警告は以前からネットで問題になっており、ブログ側の責任ではありません。
>この警告は、別に怪しいウェブサイトを閲覧しているわけでもなく、普通のブログなどを閲覧しているときに突然ページが切り替わり表示されます。
>あなたのパソコンがウイルスにやられたわけでもプログラム破損したわけでもありません! そこは安心してください!!
ここ連日、コメント欄に同じ苦情が続く様こそ、ブログ主が常日頃書いている、SSブログ内のアンチの現実とお見受けしました。考えさせられます。
by skeptics (2020-01-14 23:28)
「正義や友情とはなにか」という問題、難しいですね。
当時でも難しい問題であったことは間違いなさそうですが、いろいろと考えが多様化している現代では、さらに答えが出づらくなっているようにも思います。
by ナベちはる (2020-01-15 00:36)
>by skeptics
改めて記事として私の見解を述べます
by いっぷく (2020-01-15 02:46)
ダンディなイメージのある夏木陽介さんです。
Gメン75の降板の裏にそんなストーリーがあったんですね。
by Rinko (2020-01-15 08:08)
Gメン75のテーマ音楽と滑走路を一列になって歩いてくる画は今でも強烈に覚えています。
by 我流麺童 (2020-01-15 15:06)