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横山裕が「ほしのもと」をカミングアウトした『令和家族』 [トレンド]

横山裕が「ほしのもと」をカミングアウトした『令和家族』

昨日の『令和家族』(NHK)ご覧になりましたか。ハッシュタグで検索すると、横山裕についてのツイートがたくさん出てきます。再婚家庭とその子弟の複雑な心中が伺えて、意義深い番組だと思いました。ご覧になりましたか。令和家族。



番組の柱は2つありました。

ひとつは、横山裕(関ジャニ∞)が、それぞれ別の両親のもとに生まれた3人の子どもを里親として預かっている家庭を訪れる話。

もうひとつは、野村沙知代さんの3回忌を迎えた野村克也さんが、夫を30年前に亡くした橋田壽賀子さんと対談して慰められる話。

どちらも見応えはありました。

なぜ、横山裕かといえば、彼自身が複雑な家庭の「ほしのもと」だから。


幼いときに両親が離婚。

母親の再婚相手である「横山のおっさん」とは、わかり合えないまま別れてしまったという境遇から、里子たちは実の親と養親の間で、どんな思いでいるのかを探るという、横山裕にとっては、カミングアウトも含めて「ガチ」の仕事でした。


その中で、横山裕が関心を持ったのは2番目の「子」である高校生男子。

70歳過ぎて働く実の父親とは、週に1度食事をする仲ですが、男子と実父を捨てていった実母とは会っていない。

でも会って、実父や自分に謝ってもらいたい。

謝る機会をもつことで、実母を楽にしてやりたい、というのです。

それを聞いた横山裕も、「横山のおっさん」とはわだかまりもあり、許せていない面もあるからもう何年もあっていないが、謝ってもらう機会をもつ気持ちを抱きつつある、という展開でした。

憎しみは当然なのに、なぜか「横山のおっさん」とまた会いたいという相反する気持ちもある、複雑な揺れ動く気持ちが感じられて、人間の感情というのはかくも深いものなんだなと胸に迫るものがありました。


村上信五とラジオ番組に出始めた頃から、ちょっと影のある青年だなあと思っていましたが、ああ、そういうことだったのかと合点がいきました。

このブログでも何度か書いてきましたが、当事者でなければわからない事情や心境というのがあるんですね。

浅はかな「善意」で、「なんだかんだいっても実の親子なんだから会うべきだ」とか、無責任にわかったようなことを言う人っているじゃないですか。

そこに踏み込むのは違うだろって思いますよね。

不幸の光を放つこともスターの条件か



改めて思ったのは、故ジャニー喜多川翁の着眼点です。

かつて放送作家の鎌田敏夫氏は、大原麗子を例にあげ、「夜空に輝く星は、不幸の光を放つことで人を魅了する」(『来て!見て!感じて!』海竜社)と、どこか寂しさを感じさせる薄幸さも、スター女優の条件であるとして、いつも悲しげな眼差しの女優、金沢碧をドラマ『俺たちの旅』に抜擢しました。



萩本欽一は、同じような理由から、『スター誕生!』で、母子家庭の山口百恵や清水由貴子がデビューすることになった時は、「この子が有名になることで幸せになるなら後押ししたいと思った」と告白しています。

山口百恵と桜田淳子、萩本欽一が40年ぶりに激白

ジャニー喜多川もまた、北公次や豊川誕などに代表されるように、家庭的に不遇であることをスカウティングの考慮に入れていました。

私も片親の時期があったことによる直感に過ぎませんが、生い立ちが不遇だった人特有の陰翳ってありますね。

平成になって時代も変わって、櫻井翔のような正反対の境遇の子弟も事務所入りするようになり、「恵まれないほしのもと」はむしろマイナス要素になってきたのかなと思いましたが、まだそのチャンネルはいきていたんですねえ。

※ちなみに、2011年以降にデビューしたジャニーズタレントについては私は全くわかりません。



橋田壽賀子さんも決して悪い人ではないと思いますよ


もうひとつは、野村克也さんと橋田壽賀子さんの話。

野村克也さんが、自力歩行が危ぶまれるほどの衰えはちょっとびっくり。

一方、橋田壽賀子さんは90代半ばでスタスタ歩いていて、こちらもまた驚きました。

たぶん、ディレクターには、励ませといわれたのでしょう。

橋田壽賀子さんが、「私は夫をなくして30年、寂しくなかった。愚痴ではなく人生楽しみましょう」と“直球”を投げましたが、野村克也さんは捕る気は全くなし。

「何も心に響かなかった」

そこで作戦をかえて、今度は熱海の橋田壽賀子宅に野村克也さんが訪ね、橋田壽賀子さんが、野村克也さんの寂しさに寄り添うように話をすると、野村克也さんはだんだん元気が出てきたという展開でした。

でもたぶん、野村克也さんも、橋田壽賀子さんの気持ちがわかっていたからこそ、もう1度会ったのだろうと思います。

相変わらず、ボヤキとツンデレは健在でした(笑)

最近地上波番組は見ないのですが、見てよかったと思えた番組です。

再放送は1月11日だそうです。

破門 ふたりのヤクビョーガミ
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なにもできない夫が、妻を亡くしたら (PHP新書)
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女房はドーベルマン

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  • 作者: 野村 克也
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本



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なかちゃん

昨夜と一昨日の夜は町内会の夜警があり、テレビは観ていません。
いまこちらで内容を読んだので『機会があれば観てもいいかな?』と思いましたが、これを読んでいなければきっと観るつもりにもならなかったと思います。
関ジャニも野村克也にも食指は動かないんです(^^;

by なかちゃん (2019-12-29 11:07) 

starwars2015

ジャニーズにもそういう人が居るんですね。
刑事ドラマの影のある役柄に、はまっていたのは、内側からも出てきているってことでしょうか。
by starwars2015 (2019-12-29 13:43) 

ようこくん

最近パソコンからいっぷくさんのブログを開けると詐欺サイトの画面が出てたどりつけません~
by ようこくん (2019-12-29 16:10) 

犬眉母

>>人間の感情はかくも深い

それはたぶん、たとえ継父でも、ともに過ごした時間の重さでしょうね。
あとは、自分が継父になつかなかったことに対する、
申し訳無さもあるのかもしれません。
by 犬眉母 (2019-12-29 16:14) 

Boss365

こんにちは。
「不幸の光」や「影がある」に魅力を感じることがあります。
日本人の美意識の中にある「陰翳礼讃」的な事象が好きかも?と感じます。
「故ジャニー喜多川翁の着眼点」恐るべしですね。
スポーツ以外、地上波を見ない小生ですが・・・
BSでの再放送を観たいです!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2019-12-29 18:38) 

pn

そう、何も分かってない癖に親だからって言う奴は信用できない。
by pn (2019-12-29 21:16) 

チナリ

こんばんは。

記事を拝見していて、とても辛そうな内容の番組に思えたので、私には見ることができなさそうです。

by チナリ (2019-12-29 21:29) 

mau

横山くんのこと存じ上げませんでした。
色々考えさせられました。
by mau (2019-12-29 22:27) 

ナベちはる

そういう「ほしのもと」であることをカミングアウトするのは、(自身のトラウマに匹敵するようなことを打ち明けることにもなるので)本人にとっては辛かったでしょうね…
by ナベちはる (2019-12-30 00:35) 

skeptics

泣かせますね、泣かせます。
by skeptics (2019-12-30 01:33) 

鷲獅子のXPERIA

おはようございます。
今年1年ありがとうございました。
良いお年をむかえてください^^
by 鷲獅子のXPERIA (2019-12-30 06:18) 

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