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『虚言癖、嘘つきは病気か』小保方晴子氏はいったい何だったのか [トレンド]

『虚言癖、嘘つきは病気か』小保方晴子氏はいったい何だったのか

『虚言癖、嘘つきは病気か ― Dr.林のこころと脳の相談室特別編』(林公一著、impress QuickBooks Kindle版)が、AmazonUnlimitedストアに入っていたので読みました。虚言癖、嘘つきは病気か、本書では44のケースを紹介し、読者の一人ひとりに考えてもらう書籍です。



みなさんは、虚言癖や嘘つきの人に、騙されたり、裏切られたり、迷惑をかけられたりしたことはありませんか。

もしあれば、それはその人の性格なのか病気なのか、いずれは許せるのか、絶交のレベルなのか。

そういったことをじっくり考えてみたことはありますか。

本書は、44の「虚言癖、嘘つき」に値する出来事について、精神科医で医学博士の林公一さんが紹介してまとめています。

林公一さんは、ウェブサイト『Dr.林のこころと脳の相談室』を1997年に開設。

メインコンテンツである「精神科Q&A」は、月のアクセス数は150万を超えるそうです。

内容は、インターネットの読者からの受け付けた質問に、林医師が事実を回答しています。


本書はそのまとめ……ではありません。

ウェブサイトでは読めない、渾身の書き下ろし中心だそうです。

たとえば、こんなケースについて書かれています。

・美容整形を繰り返し、演技ばかりの私
・同僚が嘘ばかりついて周りに心配して貰おうとします
・自分の嘘を本当だと思ってしまう
・彼が自分の記憶を書き換えます
・嘘を繰り返し、刑務所にも3回入った父
・お金を盗む、嘘をつき続ける、小学校6年男子
・ミュンヒハウゼン症候群
・兄からの性的虐待の夢。いろいろな記憶が曖昧。現実感がない。
・どれが本当か嘘か自分でも分からない

などです。

小保方晴子氏は「虚言者」と断定はできないが科学者失格


一般人の質問とともに、有名人についても書かれています。

第1章の「虚言者たち(Case1~24)」では、

・森口尚史氏「iPS心筋を移植 初の臨床応用」
・佐村河内守氏「全聾の天才作曲家」
・野々村竜太郎氏「政務費で1年に195回出張、記者会見で号泣」

などに触れています。

第4章の「虚言者?たち(Case42~44)」では

・南アフリカの手話通訳者
・金メダリストA氏の性犯罪
・小保方晴子氏

らについてまとめられています。

なぜ小保方晴子氏は、号泣議員同様「虚言者たち」ではなく、クエスチョンマークをつけた別章なのか。

つまり、なぜ虚言者と断言されていないのか。

それは、小保方晴子氏の発言が、弁護士の指導のもとに述べられている可能性があるからで、発言の正当性を認めているわけではありません。

本書は、あくまでも事実の指摘だけで、読者に考えてもらうことが目的なので、虚言者の断定についても慎重ということです。

ただ、少なくとも、著者はは小保方晴子氏の会見の反論を「意味不明」と断じています。

小保方晴子氏については、当時からなぜか根強い擁護者がいます。

しかし、彼女のせいで、日本分子生物学会が研究凍結声明を発表し、論文共著者が自殺し、海の向こうの共著者までが職を辞して1年間休暇(事実上の謹慎)しているのです。

それは、マスコミが叩いたからではありません。

彼女のふるまいが科学者として、彼女が発表したものが科学論文としておかしかったからです。

本書でも、こう述べられています。

画像の切り貼りは、科学論文の世界では、捏造と呼ばれる行為であり、明白な不正である

科学論文とは、仮説を検証する作業の場である。仮説を主張する場ではない。最も重要なのは検証部分であって、そこに不正があれば、その時点でその論文は終了である。仮説とはいかに斬新なものであってもそれ自体は放言であって、それが結果的に正しかったとしても、論文は蘇生しない。科学の世界で発見者と呼ばれるのは、仮説の検証を実現した科学者であって、仮説を放言した預言者ではない。

弁護士は、小保方晴子氏が未熟だった(から共著者にも責任がある)という責任逃れと、STAP細胞はないと決まったわけじゃないという、STAP細胞の実在・非実在を論点にしようとしました。

しかし、小保方晴子氏は論文のコピペ切り貼りをしているのだから、それだけでもう科学者としては失格だと著者は述べています。

後者は、もしかりに将来STAP細胞が発見されたとしても、それは発見した人の功績であり、何ら証明もなく「ありまーす」と“仮説”だけを述べていた小保方晴子氏の記者会見は、科学的には何の価値もない“預言者発言”に過ぎない、と述べているのです。

これは、文系の私でもわかる、科学的なものの見方の基本中の基本なんですが、小保方晴子氏の擁護者は、なんでこんなかんたんなことがわからないんでしょうねー。

本書はこのように、事実と分析を積み重ねた上で、虚言癖なのかを読者に考えさせます。

まとめ


虚言癖の原因については、先天的・後天的影響が認められるようです。

残念ながら、本書は事実と分析だけで、治療法や周囲の人間の対応方法などはほとんど書かれていません。

でもまあ、考えてみれば、生身の人間は一人ひとり違いますから、“そういう人”と出会った場合の決まりきった「方程式」なんてあるわけではなくて、その時々で自分で考えなければならないんでしょうね。

私は、昔なら青臭く「議論する」とか言っていたかもしれませんが、今はまあ、「そういう人にはかかわらないようにする」のではないかと思います。

AmazonUnlimitedストアの電子書籍リストは入れ替わることがあるので、興味のある方は、今のうちに読まれることをお勧めします。

虚言癖、嘘つきは病気か ― Dr.林のこころと脳の相談室特別編 impress QuickBooks
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  • 出版社/メーカー: インプレス
  • 発売日: 2014/08/28
  • メディア: Kindle版



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コメント 11

skeptics

当然です。
「タイムマシンはあるよ」とわたしが周囲に言ったとして、将来タイムマシンが出来たら、わたしはノーベル賞をとれるでしょうか。
子どもにもわかる話です。
by skeptics (2019-12-27 13:39) 

pn

自分に都合良く脳内変換する人なら弊社にいます(笑)
by pn (2019-12-27 14:09) 

Boss365

こんにちは。
「虚言癖」色々な人と接すると感じる時あります。明確な対応方法はないと思いますが、体験や経験から防御するしかない感じです。小保方晴子氏の事件に詳しくないですが「立ち位置」を与えてしまった業界全体の問題もあるかな?悲しい出来事です!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2019-12-27 14:17) 

なかちゃん

子どもが小さいころ『サンタさんはいるよ!』と言い切ったことがあります。
そんなのも含めてしまうとウソというのは難しい問題ですね。
それから、ボクは普段は世間では『保険代理店のあるべき姿』を演じています。本音は実は全然別のところにある場合もあるんです(^^;
でも、それを演じることで自分に縛りもかけていますけどね(^^)

by なかちゃん (2019-12-27 17:42) 

エンジェル

小保方さんの周辺では自殺者も出ていたのですか?知りませんでした。今どうされているか知りませんが、科学者の道はもう歩むべきではないですね。
by エンジェル (2019-12-27 21:58) 

mau

ヴィヴィアンウエストウッドのワンピや割烹着、他の人とは違いますって言うパフォーマンスに見えてモヤモヤしてました。
by mau (2019-12-28 00:08) 

まゆりん

学生時代友人から紹介された子がいて友達になったのですが、紹介してきた友人が「あの子とはあまり親しくしない方が良いよ、嘘つきだからね。」って言って来たのです。
すでに、かなり親しくなっていたので、そんなことあるのかなって疑問だったんだけど、彼女が亡くなって実家を訪ねた時に彼女のお姉さんに彼女から聞いた話をしたら、ことごとく全部嘘でした。
お姉さん曰く、あの子はそういう現実にしたかっただけじゃないかなって言ってたけど、自分はそれに付き合ってあげて良かったのかなって今となっては思います。

画像だけのブログ、見つけて下さりありがとうございました。
ご家族と良いお年をお迎え下さいね。
by まゆりん (2019-12-28 00:51) 

ナベちはる

>小保方晴子氏の擁護者は、なんでこんなかんたんなことがわからないんでしょうねー。

小保方さんを擁護している人は、(言葉が悪いですが)一種の「宗教」や「神様」なるもので小保方さんを見ていそうです。
by ナベちはる (2019-12-28 01:00) 

robotic-person

学校法人「森友学園」への国有地売却に関する公文書改ざん、「毎月勤労統計調査」の調査方法の問題、「桜を見る会」の招待者名簿の破棄などの様々な問題、「行政組織の一定の地位以上に虚言癖のある人物がいるから引き起こされているのだろうなあ」と考えさせられています。
by robotic-person (2019-12-28 02:54) 

kou

前勤務先にも虚言癖に近い人物がいて、自分の後の地位に就いているようですが、ミーティングでは毎回言う事が変わって困ると連絡があります。
でも、嘘が上手い人物は出世するのも上手な気がします。
by kou (2019-12-28 08:26) 

犬眉母

私には真似できない方ですね。

by 犬眉母 (2019-12-28 19:32) 

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