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『すれっからし』で自らを振り返っていた杉田かおるさん [懐かし映画・ドラマ]

『すれっからし』で自らを振り返っていた杉田かおるさん

『すれっからし』(杉田かおる著、小学館)をご紹介します。今日は、杉田かおるさん(1964年11月27日~)の誕生日です。おめでとうございます。劇団若草時代に『パパと呼ばないで』のチー坊役に抜擢。以後、山あり谷ありの人生で、諍いも厭わず、誤解も随分されてきた人生を振り返っています。(画像はGoogle検索画面より)



杉田かおるさんは、幼いときに両親は父親が愛人を作って離婚。

それでも、彼女と妹さん、そして自宅で買っていた錦鯉が恋しくて家に来ていたそうですが、やがて事業が倒産。

多くの子役がそうであるように、杉田かおるは義務教育が終わった頃には芸能界を引退したかったそうですが、家も売り払い、母や妹を背負い、仕事をすることになります。

しかし、人と諍いが絶えず、学校は中退するし、仕事は失敗もずいぶんありました。

また、ひと頃は悪態をつくキャラクターで、芸能マスコミでもずいぶん叩かれました。

ただ、彼女は本書では、自分と関わった人たちを、1人を除いて決して悪く言っていません。

たとえば、石立鉄男、石井ふく子、橋田壽賀子など、毀誉褒貶のある人に対しては、その人達がいかに誤解されているか、心優しい評価をしています。

唯一、そうでない「1人」は京塚昌子。

杉田かおるをお気に入りだった向田邦子脚本の『山盛り食堂』で共演しました。


京塚昌子、都はるみ、杉田かおるという3人を中心にストーリーが展開していましたが、向田邦子が乳がんの治療で離脱したある時、杉田かおるが京塚昌子に抱きついたシーンで、腹の肉を掴んだとして京塚昌子が激怒。

杉田かおるは役を降ろされ、かばうディレクターまでが、京塚昌子のマネージャーに殴られた上、担当を外されたそうです。

『山盛り食堂』は、少し早めに打ち切られたのですが、なるほど、そんなんじゃ、もうドラマは続けられなかっただろうと本書を読んで納得しました。

それがトラウマとなり、以来彼女は、山岡久乃や赤木春恵など、カメラが回ってなくても優しい女優とはたくさん知り合ったのに、甘えることができなくなったそうです。

余談ですが、私は、日本の母としてホームドラマで君臨した、でも実はへンな人だったという京塚昌子さんのエピソードは好きですけどね。

人間なんだから無謬万能のはずはないし、表の顔との振り幅におもしろ困った楽しさがあります。

もちろん、杉田かおるさんの立場だったらまた見解は違いますが。

親の介護をした人に悪い人なし!



本書は、杉田かおるさんの35歳までを振り返っています。

その後、杉田かおるは結婚、離婚、再婚、そして母親介護を経験しました。

そのことは、このブログでも以前記事にしました。

杉田かおる母親介護報道で考える、子はなぜ毒親でも介護するのか
杉田かおる母親介護を「親孝行」の視点で済ませたいあなたに問う

「毒親」という表現については、杉田かおるさんはきっと否定し、口癖の「表へ出ろ」という抗議をされるかもしれませんね。

杉田かおるさんは、本書では、自分の母親については全く悪く書いていません。

ただ、私には、本書の、このくだりが気になりました。
 前にもふれたかもしれないが、わたしが小さかったころ、父が久しぶりに家に帰ってくると、母が父のおなかをフォークで刺したり、鉄の灰皿を投げつけたりした。それで、父が血を流したこともあった。
 母は、外で女をつくった父に、そうやって当たっていたのだ。でも、わたしは、家庭というのは、そうやって血を流すことも、愛情の表現だと思っていた。そして、悲しいことに、それがわたしのなかに染みついてしまって、わたしは、相手が好きな人であればあるほど、酔って興奮すると、母と同じように殴る蹴るの暴力をふるってしまうのだった。
 今はもうほとんどないが、それでも、どこかに、そういう根がある。
先程も書きましたが、杉田かおるさんが、気に入らないことについてはすぐに喧嘩となり、「表に出ろ」が口癖になったのも、そうした環境と無縁ではないように思いました。

ケンカや批判はいいんですが、暴力を伴うのはどうなのかな、ということです。もっとおやだやかに、ね。

杉田かおるさんは、その後も母親を大切にして、再婚後、正確には再婚前から40代を母親の介護に費やしました。

結局、母親が亡くなる2週間前に、長年の介護で身も心もヘトヘトになって施設にお願いしたとき、彼女は53歳になっていました。

以前この記事を書いたとき、彼女が母親を施設へ預けたことについて、暗に「冷たい」との評価を下した意見も拝見しましたが、本当に冷たい人だったら、自分の人生の一番大事な時期を犠牲にしてまで長年介護はしないだろう、と私は思います。

彼女のギリギリの選択、心ある人なら理解できますよね。

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コメント 8

犬眉母

石立鉄男さんが亡くなった時に、
1日置いてからコメントされたところに、
実は神経の細やかで、思慮深い方だと思いました。
by 犬眉母 (2019-11-27 15:25) 

coco030705

杉田かおるさんは、わりに毒舌で売っている人というイメージがあったんですが、それは演技のようなもので、内面はやさしいところのある人だったんですね。
芸能人は表の顔と裏の顔が違う人がけっこう多いとか。京塚昌子さんがイメージと違って結構イジワルな人だのも、そうかもしれないなぁって。日本のお母さんって感じで売ってましたが、なんとなく好きになれませんでした。
by coco030705 (2019-11-27 16:09) 

pn

当人が下した判断決断を批判ってーのが分からないわ、そこに至るまで何をして何を見たのか知らん人が口はさむ事じゃないよね。
俺は間違い無く見捨てると思うが(笑)
by pn (2019-11-27 17:07) 

starwars2015

激動の人生って感じですね。
子役の俳優さんの多くがドラマチックな人生を送られているようで
おとなの仕事場に未成年が入るというのはむずかしいですね。
by starwars2015 (2019-11-27 20:23) 

ナベちはる

波瀾万丈な人生を生きてこられたからこそ…かもしれませんね。
by ナベちはる (2019-11-28 00:52) 

ヤマカゼ

介護を経験されて方はご存じだろうと思いますが、親の介護はもうそれはそれは。
いっぷくさんのかかれているとおり、自分の周りにも婚期を逃し親の面倒をみている女性がいます。
結構きれいな女性なので気の毒に思います。
by ヤマカゼ (2019-11-28 07:05) 

Rinko

杉田かおるさん、私は好きですねー。

by Rinko (2019-11-29 08:34) 

skeptics

最近はふっくらして幸せそうですね。

by skeptics (2019-11-29 21:46) 

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