木内みどりさん(1950年9月25日~2019年11月18日)の訃報で昨日はもちきりでした。私の好きだった時代劇『長崎犯科帳』にも出演していたので振り返ります。報道では、「個性派俳優としてテレビドラマや映画に出演し、活躍」(ANNnewsCH)とされていますが、昭和のドラマでは、セーラー服の役やお嬢さん役もつとめました。(画像はDVD『長崎犯科帳』第3巻より)
木内みどりさんは、1970年代からすでにテレビドラマに出られていて、たとえば『おやじ太鼓』には、セーラー服の女子高生役で出演していた動画も、Facebookで紹介されています。
木内みどりさんというと、多くの方は、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(1985年4月14日~1996年10月6日、日本テレビ)の出演あたりから思い出されるのではないでしょうか。
そして、個性派女優という評価で、最近では脱原発運動などでお馴染みです。
ただ、私の記憶では、木内みどりさんの「個性派」のキャラクターは、もともと前夫に合わせたものだったという話を聞いたことがあります。
私は、何度かご紹介しましたが、私の好きだった時代劇『長崎犯科帳』(1975年4月6日~9月28日、ユニオン映画/日本テレビ)の第8話『日見峠に散った花』(ひのみとうげにちったはな、1975年5月25日放送)を、かいつまんでご紹介します。
同作で木内みどりは、可憐な武家のお嬢さんの役で出演しています。
『長崎犯科帳』というのは、諸事情から法の下で裁けなかった悪人を、長崎奉行(萬屋錦之介)、オランダ医師(田中邦衛)、遊郭丸山の客引き(火野正平)、手品師(杉本美樹)が、“闇奉行”として成敗する、という話です。
『日見峠に散った花』あらすじ
蘭学を志す岩渕清太(伊藤高)、以前長崎で蘭学を学んでいたはずなのに、3ヶ月前から消息を絶った弟を探しに来た田之浦冴(木内みどり)が、江戸から長崎にやってきます。
しかし、冴の弟は、インチキ蘭学塾にお金を巻き上げられ、そのことを抗議したために殺害され、身元もわからないほど遺体は損傷されていました。
弟を探す冴(木内みどり)が不都合な、インチキ蘭学塾の塾長(田口計)と塾頭(清水紘治)は、チンピラを使って冴を穢します。
事が済んだチンピラですが、すれちがいざまに抵抗傷を見破った奉行・平松忠四郎(萬屋錦之介)が峰打ち。
同心(新克利)に召し捕られ、冴の弟を殺したことや、冴を穢したことを白状します。
事情を知った忠四郎は自重するように念押しますが、冴はまもなく自害してしまいます。
岩渕清太は、師匠筋で繋がりがあるオランダ医の小暮良順(田中邦衛)に、インチキとは知らず蘭学塾に20両で入れたことを喜んで報告しますが、良順はその紹介者を捕まえて、インチキ蘭学塾のからくりを自白させます。
しかし、インチキ蘭学塾の塾長(田口計)は隣の佐賀藩のお墨付きで、塾頭(清水紘治)も佐賀藩の同心。
他藩の役人を白洲で裁くことはできません。
そこで、闇奉行が成敗する、というストーリーです。
昭和の告白シーン
ドラマ中盤には、岩渕清太(伊藤高)が、穢されたので、死ぬつもりでお別れを言いに来た冴(木内みどり)に、そうとは知らず告白するシーンがあります。
「わしは……よそう。笑われるな」
「何ですの、仰ってください」
「いやぁ、わしは、冴さんが……、こりゃやっぱりだめだ」
「(語気を強めて)何ですの、仰ってください」
「そんな怖い顔されたら、余計言えないなあ」
「(踵を返して)じゃあ、こうしています。仰ってください」
「弱ったな。いやぁ、わしは、そのぅ、冴さんが、好きでね(後略)」
シクシクと泣き出す冴。
「気を悪くはないでください。わしはその……冴さん、どうしたんです、冴さん。わし、そんなに悪いこと言いましたか」
「いえ、悪いことなんて……。でも、なぜもっとはやく……」
駆け出していく冴。
昭和のドラマの告白シーン。シンプルですが、これでいい、これがいい。
私は、当時から個性派の木内みどりよりも、こうした可憐な役の木内みどりの方に感情移入できました。
木内みどりさんの、生前のご遺徳をお偲び申し上げます。
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木内みどりさん、個性があって親しみの持てる女優さんという印象でした。「西郷どん」では二階堂ふーみんの叔母さん役でしたね。
亡くなる前日にツイッターで散歩の様子を上げられていたので、本当に突然だったのだと、しみじみ思います。ご冥福をお祈り申し上げます。
by えくりぷす (2019-11-22 11:43)
また、昭和の個性派女優さんが亡くなってしまいましたね。
寂しいですね・・・。
by kou (2019-11-22 17:23)
飾らないイメージの方でしたね。
まだお若いのにという気がします。
by 犬眉母 (2019-11-22 18:48)
IQが高そうで、とても博識だったイメージがあります。
by ヨッシーパパ (2019-11-22 19:31)
デビュー作ですか、ポーラテレビ小説「安ベエの海」見てましたね。ストーリーは忘れてしまいましたが
好感を持ってみていた記憶があります。
by そらへい (2019-11-22 19:51)
竹中直人が結婚した時、てっきり木内みどりが相手と思っていたんですよ。そうですごっちゃになってました(^_^;)
by pn (2019-11-22 20:45)
木内みどりさん、覚えています。
よく時代劇で見かけたように思います。
ご冥福をお祈りいたします。
by coco030705 (2019-11-22 21:02)
悪役は、例によって田口計・・
by skeptics (2019-11-22 23:08)
個性派でもあり可憐でもあり…亡くなるにはまだ早い方ですね
by ナベちはる (2019-11-23 01:28)
なくなるまで仕事をされていたんですね。
ご冥福をお祈りします。
by ヤマカゼ (2019-11-23 07:32)
木内みどりさん、名前しか存じませんが、69歳とはまだまだお若いですよね。
ご縁があれば何かの作品を見ることもあると思います。
by なかちゃん (2019-11-23 09:20)
こんにちは。
木内みどりさん、脇役?的存在ですが個性ある演技。
記憶ではズバズバした発言・行動ある女優さんイメージあり。
ご冥福をお祈りいたします!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2019-11-23 11:20)