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『パニック症候群に見舞われて』突然に訪れる息苦しさと恐怖感 [トレンド]

『パニック症候群に見舞われて』突然に訪れる息苦しさと恐怖感

『私の人生を変えた女の難病Vol.1 パニック症候群に見舞われて』(関谷青子作、ユサブル)を読みました。タイトル通り、パニック症候群⇒パニック障害を発症した女性が描かれています。

最近は、芸能人の病貧争カミングアウトがしばしば話題になりますが、「病」でよく出てくるのがパニック障害です。



パニック障害は、医学上脳機能障害として扱われています。

私は、自分こそ経験はありませんが、妻子が高次脳機能障害、親類が、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、さらにはパーキンソン病など、様々な脳の障害や疾患を経験しており、その中でただひとつなかったのが、パニック障害です。

そこで、本書を興味深く読みました。

あらすじ


主人公は、学校時代にいじめられ経験を持つ28歳のOL。

ある日、エレベーターのボタンをおそうとして若いアルバイト学生の男性と手が触れた瞬間、急に頭痛がして息苦しくなります。

それはすぐ収まったのですが、数カ月後、また同じような頭痛と息苦しさが。

心電図に異常はありません。

症状を記録すると、朝より夕方、人混み、不安やストレスのある時が起こりやすいことがわかりました。

そして、調子が悪くなるときは、最初に症状が出たときのアルバイト男性がいることに気が付きます。

いじめられ経験で人を信じられなかった女性は、ある男性との恋愛で心を開きつつあったのですが、その男性が二股交際をしているのを知り、他人に対して決定的な不信感と恐怖感を抱くようになりました。

別の医師と話をしていくうちに、アルバイト学生を見ると、無意識に自分を裏切った男性を思い出していることに気が付きます。

そのことがわかったことと、自分を理解して助けてくれる医師がいることで、女性は少しずつこころが穏やかになっていきました。

本書は、マンガ図書館Z、紀伊國屋電子書籍Kinoppy、AmazonUnlimitedなどで読むことができます。


パニック症候群とパニック障害


通常、私たちは災害や事故など不測の事態を経験したときに混乱状態に陥ることがありますが、それをパニック状態といいます。

一方、実際には何も特別な事態が起きていないのに、突然不安に襲われ、身体や精神に異常が生じ、日常生活に支障が出る状態に陥ることがあります。

これをパニック発作(パニック症候群)といいます。


パニック発作は、極めて強い苦痛、不安、恐怖などが突然現れて短時間で治まる発作のことで、胸の痛み、窒息感、めまい、吐き気、息切れなどの身体症状や精神症状を伴います。

パニック発作の症状は通常短時間(10分以内といわれる)に最高潮に達し、心臓などの重要臓器に関わる症状を引き起こしますが、いずれも数分で消失し、それ自体は命を脅かすようなものではありません。

薬物療法や精神療法などがありますが、正式な治療を受けずに回復する人もいるそうです。

ただ、そのパニック発作が繰り返し起こり、外出などが極端に制限されたりなど行動を変える不安障害に発展すると、それはパニック障害(パニック症)といい、脳機能障害として扱われています。

たとえば、『KinKi Kids』の堂本剛も、かつてパニック障害を告白した1人。

「10代のころは毎日死にたいと思っていた」と、穏やかではない心境を振り返っています。

とはいえ心の持ち方が大切


漫画によると、女性のパニック症は、いじめられ経験と、裏切られ経験が原因ということになっていますが、要するに「こころがけ」も予防や改善につながることを示唆しています。

漫画の女性は、自意識過剰かもしれません。

いじめたり、裏切ったりと言った行為の良し悪しは措くとして、人生はそんなこともある、ま、しょうがないよね、と切り替えていたら、その女性は自分をパニック症候群になるまで追い込まなかったかもしれません。

これは私見ではなく、認知行動療法といって、物事の受け取り方やものの見方の特徴を発見して、前向きな方向に変化させる心理療法が実際にあるそうです。(http://www.mental-clinic.net/disease-name/dn-no06 より)

症状が落ち着いてきたら、あえて苦手な場所へ少しずつ出かけるようにして克服することも推奨されています。

たとえば、電車が苦手な場合なら、最初は家族と一緒に各駅停車に乗り、慣れてきたら一人で乗る、次は急行電車に…という具合だそうです。

パニック症候群の経験はありますか。

ザ・女の難病 パニック症候群に見舞われて/私の人生を変えた女の難病Vol.1 (スキャンダラス・レディース・シリーズ)
ザ・女の難病 パニック症候群に見舞われて/私の人生を変えた女の難病Vol.1 (スキャンダラス・レディース・シリーズ)




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ヤマカゼ

ご家族の方は、大変な経験されてますね。
良くなるよう心からお祈りします。
by ヤマカゼ (2019-11-08 12:34) 

pn

あー、俺は前向きと言うか向こう見ずと言うかお気楽人生なので自分を追い込む事は無いような(笑)
by pn (2019-11-08 12:42) 

Boss365

こんにちは。
「パニック障害」何となく理解。
小生も一時期、長時間電車に乗車する事が出来ませんでした。
負の事をいろいろ考えてしまう?体質の変化時期に起こった感じです。
心の病?多くなっている感じですね!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2019-11-08 13:16) 

marimo

かっこの体験が引き金になって発作が起きるということなのですね。心の病気は切り傷のように患部が見えないので
向き合う側も難しさを感じると思います。
職場にも年単位で休職している方が数人います。
by marimo (2019-11-08 15:04) 

扶侶夢

パニック症候群はなかったかも知れませんが、今にして思うと“あれは精神障害だったんだなぁ”と思うような事はあります。例えば「ひきこもり」の一種で、自分では気づかなかったけれど外から見ればかなり変だったのかも…といった感じです。
by 扶侶夢 (2019-11-08 16:49) 

なかちゃん

何だか訳のわからないことで急にドキドキしたり息遣いが荒くなったりしたことはありますね。
しかも、そのほとんどが夢?と思われるほど毎回似たような状況ででした。
今は全くそんなことがなくなったのですが、一体あれは何だったのでしょうね(^^;

by なかちゃん (2019-11-08 18:43) 

ヨッシーパパ

医学も進歩して、きちんと診断名が分かると、その対策も分かりやすいので良いですね。
by ヨッシーパパ (2019-11-08 19:29) 

ゆうのすけ

私は続けているブログを始めたころに いろんなことが要因でパニック障害になり数年もやもやしたことがありました。
今はほとんど何ともないんですが 発作を起こしたときは
このまま・・・なんて恐怖や不安に襲われたことがありました。救急車も(生まれて初めて二度ほど)経験しました。でも今では良い経験だったかもしれません。何よりSSブロガーの皆さんとWEB上とはいえ触れ合えたことが毎日とても勇気になりましたもの!^^あ、あと煙草が吸えなくなって(不味さしか感じなくなって)やめることが出来たのも怪我?!の功名か。^^☆
by ゆうのすけ (2019-11-08 23:07) 

ナベちはる

今でこそ判断がしやすくなっているパニック症候群も、かつては原因が分かりづらかったでしょうから、どうしたらいいか分からなくて不安になってなおさらパニックに…なんてこともあったかもしれませんね…
by ナベちはる (2019-11-09 00:19) 

HOLDON

私も自律神経失調症に陥ったので少しですが理解できますよ。
これとかうつ病の初期などは症状がはっきりと出ないですけどね。
by HOLDON (2019-11-09 08:50) 

犬眉母

他人に対して過剰な依存や期待をしないことですね。
自立というより自律が大切だと思います。
by 犬眉母 (2019-11-10 13:52) 

そらへい

人は、心の中にいくつかきっかけを持っていると思います。
そのうちの一つがパニック症なのでしょう。
自分の心理の中を見ても、解決できないことがある気がします。
by そらへい (2019-11-10 16:35) 

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