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根上淳、大映スター俳優から哀愁漂うも渋みあるバイプレーヤーへ [懐かし映画・ドラマ]

根上淳、大映スター俳優から哀愁漂うも渋みあるバイプレーヤーへ

根上淳さん(1923年9月20日~2005年10月24日)の生まれた日です。大映のスター俳優として数多くの映画に出演。テレビドラマでも存在感のある脇役として活躍しました。戦争映画のとくに軍人役は拒否し続け、同級生と母校の法政大学多摩キャンパスに平和記念碑を建立するなど、旗幟鮮明な役者観も持っていました。



根上淳のホームグラウンドである大映は、私が自覚的に映画を見る頃には倒産していました。

そのような世代ですから、どちらかというと、テレビドラマの渋いバイプレーヤー時代の印象のほうが強く残ります。

気まぐれ本格派


私が、根上淳の格好良さを再確認したのが、『気まぐれ本格派』(1977年10月26日~1978年9月20日、ユニオン映画/NTV)というドラマの、第33話『偉いぞ新太、泣けるぜ!』(1978年8月2日放送)です。

あらすじ


根上淳の子どもを宿したのに結婚できず、死のうと思っていた三ツ矢歌子を、お腹の子ども(吉田友紀)ごと引き取って結婚したのが山本學。

その山本學が交通事故でなくなり、近所の犬猫病院の医師(中条静夫)から事情を聞いた山本學の弟(石立鉄男)は、

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『気まぐれ本格派』第2話より

本職の三等航海士を休業して、山本學に代わって東京・神楽坂の貸衣装店の仕事をして三ツ矢歌子母子を助ける、という話です。

無法松の一生が下敷きになったそうですが、無法松の一生自体、ご存じない人が多いかも。

それで、第33話ですが、根上淳が現れて、子どもにひと目会いたいと言い出します。

もちろん、三ツ矢歌子は拒絶。

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石立鉄男は最初こそ激怒しますが、根上淳がブラジルの支店に転勤を志願し、2度と日本には戻らない決意であることを知り、ひと目会わせてもいいのではないかと心変わり。

反対派の三ツ矢歌子の妹(山口いづみ)と大激論となり、それがきっかけで吉田友紀に聞かれてしまいます。

僕のお父さんは1人だけ、といいなからも、「おじさん」が気になる吉田友紀はこっそり貯金をおろし、根上淳が支配人として働く北海道の大沼観光ホテルへ。

石立鉄男は、2人にキャッチボールをさせますが、

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実のわが子のボールを受けているうちに

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感極まった根上淳が、

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1球ごとに泣き顔になってくる

吉田友紀を我が子として抱きかかえるラストです。

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まあ、山本學や三ツ矢歌子の立場は? という気がしないでもありませんが、子供の気持ちが第一、ということなら、こういう配慮もありなのかもしれないなあ、なんて考えながら思春期に鑑賞しました。

これまで見たドラマの中でも、ベスト5ぐらいには入る、よい話です。

映画スターの佇まい


なんと言っても、ドラマを盛り上げたのは、根上淳の哀愁漂う、でも背が高いナイスミドルぶりです。

当時、吉田友紀(初代あばれはっちゃく)の父親役としては、少し年配かなと思いましたが、実際にこういう父親だったら、授業参観でも威張れるかななんて考えたりして。

よく言うでしょう。年取ってからの子供だと、親が年寄りだから授業参観で子供が可愛そうだとか。

大きなお世話ですけどね。

それはともかく、大映時代については、看板俳優としてたくさんの作品に出演していますが、このブログでこれまでにご紹介したことがある映画を改めてご紹介しておきます。

妻は告白する


妻は告白する

大映時代の映画では、以前もご紹介した『妻は告白する』(1961年、大映)が印象に残ります。

若尾文子は、夫の小沢栄太郎と、製薬会社社員の川口浩の3人で登山しましたが、若尾文子は足を滑らせて宙吊りになった小沢栄太郎のザイルを切ります。

裁判では、「危機回避」なのか「故意の殺人」なのかという点が争われ、弁護士が根上淳、検事が高松英郎です。

妻は告白する 根上淳


結局、若尾文子は勝訴するので、根上淳がいい仕事をしたことになります。

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砂糖菓子が壊れるとき


砂糖菓子が壊れるとき

砂糖菓子が壊れるとき』(1967年、大映)は、マリリンモンロー伝の翻案作品。

曽野綾子の同名小説(講談社刊)を橋田寿賀子が脚色し、今井正監督がメガホンをとっています。

根上淳が登場するのは最初のシーン。

若尾文子は、カメラマンの根上淳相手に、お金目的のヌード撮影をします。

冒頭からヌードシーンというのはインパクトのある映画でした。

もっとも、よく見ると若尾文子は下着を履いていて、そもそも若尾文子ではなく別の人かもしれないのですが……。

それはともかくとして、大映のスターである根上淳が、この最初のシーンだけで出番が終わるほど、豪華な出演者たちで、興味深い作品です。

長台詞の『渡鬼』のイメージから、橋田壽賀子は下手くそな脚本家のような評価もありますが、私はそんなことはないと思います。

ということで、根上淳さん、覚えていらっしゃいますか。

妻は告白する
妻は告白する

気まぐれ本格派   【昭和の名作ライブラリー  第53集】 [Blu-ray]
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代々木上原めおと坂

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  • 作者: 根上 淳
  • 出版社/メーカー: 立風書房
  • 発売日: 1987/04
  • メディア: 単行本



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コメント 8

pn

電人ザボーガーの刑事さんも良かったけどやっぱMATの隊長ですね俺の中の根上淳は(≧▽≦)
by pn (2019-09-20 21:07) 

ナベちはる

キャッチボールをするシーン、見たら思わず感極まってしまうかもしれません。
by ナベちはる (2019-09-21 00:49) 

旅爺さん

根上淳さんの映画は昔良く見ました。
ペギー葉山さんと結婚したときは驚きました。
当時根上淳さんは菅原健二さんに負けてましたね。
若尾文子さんとは会って話をしたことがあります。
by 旅爺さん (2019-09-21 05:28) 

ヤマカゼ

MATの隊長さん役でわかりました。
by ヤマカゼ (2019-09-21 08:11) 

エンジェル

根上淳、覚えていますが具体的にどのドラマに出ていたか全く記憶にありません。どちらかというとペギー葉山の旦那さんの印象が大きいです。
by エンジェル (2019-09-21 10:02) 

レインボーゴブリンズ

根上淳さんもペギー葉山さんも、ウルトラに関係が深い方たちという印象が強いですね(^^♪ 
by レインボーゴブリンズ (2019-09-21 10:35) 

ヨッシーパパ

泣き顔に見覚えがあるような気がします。
by ヨッシーパパ (2019-09-21 15:16) 

Take-Zee

こんばんは!
ペギー葉山さんのご主人でしたか?
それくらいの印象をでしょう。

by Take-Zee (2019-09-21 18:40) 

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