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医療的ケア児が専任看護師によって小学校への入学が叶った [障害者]

医療的ケア児が専任看護師によって小学校への入学が叶った

医療的ケア児が小学校への入学が叶った、というニュースが、Facebookのタイムラインに流れてきました。TBS NEWSの「こどものチカラ」(JNNニュース 8月13日放送)のダイジェスト動画です。ちょっと時間がたっていますが、ニュースの内容自体が陳腐化するものではないので、シェアします。


これがタイムラインに流れてきた動画です。

シリーズ「こどものチカラ」です。生まれつき重い病気があり、様々な医療的ケアを必要とする7歳の男の子が広島にいます。この春、念願だった小学校への入学が叶い、新たな一歩を踏み出した元気な姿を追いました。
取材:RCC報道制作センター 藤原佳那子記者、秋好俊哉記者(JNNニュース 8月13日放送)



以前、医療的ケア児のスピーチ大会で、先天性ミオパチーという筋肉の難病をもった支援学校中等部の生徒が、門前払いを食らってもくじけずに公立高校の合格という『大金星』にたどり着いた、髙橋祥太さんの『僕の夢』というスピーチがグランプリに輝いたことはご紹介しました。


髙橋祥太さんの場合は高等学校入学の話ですが、今回は義務教育の小学校入学の話です。

三谷康生さんには、生まれつき心臓などに重い病気があり、手術や検査を繰り返してきました。

生後3ヶ月で気管切開を行ってカニューレ(呼吸を助ける器具)をつけました。

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食事は流動食を経鼻管で摂っています。

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地元の東広島市には特別支援学校がないので、母親の恵理さんたちは、市の教育委員会に学校で医療ケアを行う看護師の配置などを要望。

2月に認められて、新設された特別支援学級に入学できました。

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頬に、経鼻栄養を摂取するための管を常時付けているのと、首にカニューレをつけていること以外、全く他のお子さんと変わりありません。

専任の看護師が医療ケアを行うので、保護者は付き添いません。

動画を見る限りでは、支援学級ですが、他の児童と一緒に活動しています。

夏休み前の収録では、すっかり集団生活にも馴染んでいます。

ここがいちばん大事なところなんですね。

障碍児がわざわざ(普通の)学校に行く必要はない、という意見が一部にはあります。

私も、障害のあるなしに関わらず、結論として、ひきこもり何が悪いの、と思います。

でも、最初から諦めて社会と切れることには賛成しません。

自分にとって好きでも嫌いでも、いろいろな個性や価値観と関わることは、人生として必要なことだと思います。

中には、無理して学校に行かせるから、看護師のコストがかかる、なんて言う人もいます。

でもね、そもそも小学校は義務教育ですから、行政が看護師を用意するのは当たり前だと思います。

それに今回、専任看護師がルーチンで行うのは、お昼の経鼻栄養だけだと思います。

あとは、カニューレからの痰とりがあるのかもしれません。

でもそれにしても、予定した時刻を1秒でも違えてはならないわけではありません。

何を言いたいかというと、一般の生徒にもアクシデントがあったとき、その看護師が適切な措置の助けになる可能性があるということです。

いつ誰が急なアクシデントに見舞われないかとも限りませんし、医療ケア児に対応している現役の看護師さんが、いざとなれば「保健室の先生」をカバーできるような状態は、よりよい状態だと思います。

それがきっかけとなり、将来は通常学級だけの学校にも、専任看護師が就くようになってほしいですね。

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集団生活の意義


一応解説しますと、特別支援学級というのは、通常の小中学校、最近は高等学校に設置された、教育上特別な支援を必要とする学級で、以前は「特殊学級」と呼ばれていたクラスです。

一方、特別支援学校というのは、教育上特別な支援を必要とする生徒・児童のための学校です。

昨今は少子化のはずなのに、以前に比べて、支援学級や支援学校に進学する児童・生徒は増えているといわれています。

もちろん、発達障害という診断が、近年細かく行われるようになったことはあるでしょう。

保護者が、障碍児の学校に入れることを、以前より「外聞」でためらわなくなったこともいいことだと思います。

ただ、通常学級が管理上、障碍児を支援学級や支援学校にはじき出す面もあるのではないかなと思います。

今回の三谷康生さんのように、通常学級の児童に混じって学校行事を行える児童もいるわけですから、可能な限りはそのような機会を持たせていただきたいですね。

それは、通常学級の児童・生徒にとっても何らかの「気づき」を期待できる機会だと思います。

上記のイメージ画像
桔梗さんによる写真ACからの写真

「医療的ケア」の必要な子どもたち:第二の人生を歩む元NHKアナウンサーの奮闘記 (シリーズ・福祉と医療の現場から)
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コメント 4

pn

現場の教員が責任が―とか言うならまだしも外野が無駄だとかあれこれ言うのはねぇ(^_^;)

by pn (2019-09-15 20:49) 

犬眉母

インクル教育が広がりつつありますね。
by 犬眉母 (2019-09-16 00:05) 

ナベちはる

今回のことがきっかけとなってそれまで出来ずにいたことができるようになるということ、多くなりそうに思います。
by ナベちはる (2019-09-16 00:25) 

ヤマカゼ

人と触れ合えるのはいいですね。入学式の写真とても嬉しそうですね。
by ヤマカゼ (2019-09-16 08:39) 

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