千葉聾学校軟式野球部、健常者チームに勝った3つのポイント [障害者]
千葉県立千葉聾(ろう)学校軟式野球部の活躍について書かれた記事が、毎日新聞で31日に配信されて話題です。同校中学部から野球を始めた部員9人が、春季県高校軟式野球大会という公式戦で、初めて健常者のチームに勝ったことが紹介されています。
千葉県佐倉市で4月27日に行われた、春季県高校軟式野球大会1回戦。
千葉県立千葉聾学校は投打がかみ合い、横芝敬愛に10―0で五回コールド勝ちしたことを記事は紹介しています。
千葉の聾学校軟式野球部の軌跡 苦しい練習耐えて健常者チームにも勝った https://t.co/szRJPbMf2Z
— 毎日新聞ニュース速報 (@mainichijpnews) August 31, 2019
@pt_onuki歴史的初勝利がコールド勝ちというのもすごいですね。
「耳が聞こえないから負けても仕方ないという考えは好きではない」
そう、最初から諦めてしまっては次に繋がらないし、そもそも障害のためにゼロからでなくゼロ以前からのスタートなのだから、負けず嫌いでないと人並みかそれ以上のことができるようになんてならないよね。
@dmht8k1
高校時代に試合したけど、すごかった。
@mainichijpnews
「耳が聞こえないから負けても仕方ないという考えは好きではない」…渕上主将、カッコ良すぎるだろ!日頃の鍛錬と中学部から培ってきた結束力は何物にも勝る。
@Hoko_Hime
ちょうど中学生息子に「パラリンピックに野球はないのか?」という質問を受けたばかり。すごいぞ。頑張ってほしい。感激。
@0801061k
ハンデを抱えながらもそれを言い訳にせずに果敢に挑戦するって本当に凄いし、カッコいい。
@hamayu_18
この学校、鎌取にあるんだね。千葉市のなかでも、緑区が注目されるのは嬉しい!
@ouchirhythm
最高にかっこいい。障害者の活躍を美談のように語るのは好きじゃないけど、ただただ、彼らのひたむきな努力、結実に敬意を表します。
現在、同校は約140人の生徒が在籍し、うち野球部は中学から野球を始めた中学部11人、高等部9人が一緒に練習しているそうです。
本日のポイントは3点。
聞こえないことを言い訳にしたくない
渕上広之主将は「耳が聞こえないから負けても仕方ないという考えは好きではない。負けた時はどうしたら勝てるのか考えて、勝つために練習に打ち込んできた」と手話を交えて取材に答えたといいます。
耳が聴こえないことは最前からわかっていることです。
言い訳にしたら誰も反論できませんが、そこからは何も生み出しません。
そもそも、「聞こえないからしょうがないよね」という同情は、聞こえないのはやっぱりダメだ、という差別の口実にしかなりません。
音で判断できない分、事前に約束を決めてプレーする
野球は、音による判断が必要な競技です。
守備では声を掛け合うし、打球音で飛距離を予想します。
もし、飛球が上がっても、選手同士で声を掛けられないとぶつかってしまいます。
記事によると、「飛球では素早く大きく手を広げて捕球の意思を示すよう心がけ、内外野の中継プレーでは事前に約束を決めて練習から反復している」といいます。
聴覚プレーは、ゼスチャーや別の動きで補うということです。
では、補えない打球音や捕球音はどう判断するのか。
記事には書かれていませんが、スイングやフォームを凝視することで見極めるしかありません。
たぶん、ここが今後の課題になるのだと思いますが、より集中力を研ぎ澄ませて判断する必要があります。
そのためにはどうしたらいいのか。
ミーティングと反復練習で上達する
記事にも書かれていますが、「反復練習」です。
思い出すのは、昔、プロ野球ヤクルトと西武を日本一にした広岡達朗さんの持論が、「指導で大切なのはミーティングと反復練習」です。
無原則に体をいじめるだけの根性主義は論外ですが、スポーツですから、頭でわかっててもできないことがあります。
できなければ、できるようになるまで妥協せず何度でも練習することです。
これみて、廣岡さん好きになった。野球界ではシニカルなキャラクターにされてるけれど、ユーモアとガッツがあるし、サッカーの監督ならプロビンチアを強豪にする名将だと思う。体制(巨人)に負けなかったのも素晴らしい!
— 得能大輔 official (@tokunohdaisuke) May 21, 2019
平成日本のよふけ/廣岡達朗 https://t.co/jjoYTjyaDT @YouTubeさんから
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話が横道にそれますが、この動画で広岡達郎氏は、野村克也監督や森祇晶監督は、キャッチャーの立場からは野球をよく見ていた。
しかし、野球をするのは選手なので、理屈だけ提案するのではなく、選手がそれを体得するまで自分も泥だらけになって付き合わなければならない、というような話をされています。
その動画では出てきませが、それを行ったのが阪急、近鉄を優勝させた西本幸雄監督、という話なんですけどね。
千葉県立千葉聾学校の藤田正樹監督が、広岡達朗さんの持論をご存知かどうかはわかりませんが、結果的に「ミーティングと反復練習」の徹底で、ハンデを克服しながら結果を出した、ということです。
「ミーティングと反復練習」。
これは野球の練習に限らず、国語や数学の勉強、ビジネスの世界でもトライアルアンドエラーというのはまさにこのことをいうのでしょうね。
現実と向き合って生きる
コメントにもありますが、「障害者の活躍を美談のように語る」ことが、『24時間テレビ』とどこが違うんだと言われる前に先回りしてお答えしておくと、私がお伝えしたいのは「障碍者」にフォーカスした「美談」ではなくて、人として現実と向き合って生きるとはどういうことか、という視点で書いています。
人間は、つい楽な方に流れて、その正当化をはかる「自己愛」に走りがちですが、1度しかない人生ですから、言い訳や責任転嫁だけでなく(それは行ってもいいのですが)、後で後悔しないように課題に真正面からぶつかってみよう。今回のような方々を、そのための励みにさせていただいているというわけです。
彼らのひたむきな努力、結実に敬意を表します。
音遊びの聴覚学習
勝つために行った努力、健常者のそれ以上だったのは間違いないですね。
by ナベちはる (2019-09-01 00:49)
前の会社の社長が怪我で片目だったんだけど、その分?耳が良かったのでちゃんと体は補ってるんだなと。五感の一部が欠落してると他でカバー出来ると信じているのでこの子達なら凝視を極められるよきっと。
by pn (2019-09-01 07:32)
これは美談とは違い、普通の学生同士の勝負に勝ったという普通の話ですね。でも、ない物を他でカバーする努力は見習わなければいけませんね。
by kou (2019-09-01 08:53)
こんにちは!
そんなにニュースになるのかなと思いました。
足腰や筋力に健常者とそんなに差はないですよね!
by Take-Zee (2019-09-01 14:54)
ハンデを乗り越える努力凄いですね。
by ヤマカゼ (2019-09-01 18:39)
近くに住んでいるのにちっとも知りませんでした。
すごいですね。流石ですね。やりましたね。
by 四辻の狸 (2019-09-02 15:58)
パラリンピックは、義足とか義手の方が中心で
聴覚とか発達障害のような、見かけがわかりにくい、
つまり絵にならない障碍は、あまり考慮されていない
かもしれませんね。
by 犬眉母 (2019-09-03 05:47)
聴覚障害者の競技はパラリンピックには出られないので、パラとは別にデフリンピックと言うのがあります。身体に障害がないので、パラに出たらダントツで勝ってしまいますから。また、知的障害の方向けにはスペシャルオリンピックというものもあります。どちらも日が当たって欲しい大会です。
by プリスキラ (2019-09-03 21:48)
野球をすることが楽しくて
それで一生懸命練習して
勝利することまでできたら最高ですね。
by そらへい (2019-09-03 22:34)