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木の実ナナ、イイ女然とした“歌って踊る大人のエンタティナー” [懐かし映画・ドラマ]

木の実ナナ、イイ女然とした“歌って踊る大人のエンタティナー”

木の実ナナさんが週刊朝日で、バラエティ番組『ホイホイミュージックスクール』(NTV)でデビュー以来、歌って踊れる大人のエンタティナーとして活躍した半世紀以上の芸能生活を回顧。自らの更年期障害とうつ病をカミングアウトした理由も語っています。(上の画像は、上半分がGoogle検索画面より、下半分が『あぶない刑事』より)




木の実ナナは、ジャズミュージシャンの父親とダンサーの母親という芸能一家に生まれます。

『ホイホイミュージックスクール』(NTV)でデビュー後は、タレントとして歌番組や映画で活躍。

1974年からミュージカル舞台『ショーガール』の主演をつとめ、歌って踊れる大人のエンタティナーとしての評価を高めました。

そんな木の実ナナは、49歳だった1995年に更年期障害と診断。

体験を伝えたくなり、2000年に新聞広告で「私は、バリバリの『鬱』です」と公表したところ、反響は予想を超えたといいます。

当時は、芸能人はプライベートな病貧争は隠すのが普通でしたが、とくに舞台で華やかな仕事をしていた木の実ナナがカミングアウトしたのはインパクトが有りました。
「あの明るいナナちゃんが?」ってみんなに言われました。でも先生は「明るい人ほどなるんです」と言っていた。 ドラマの撮影が終わったあとなどにスッとそばに来て「助かりました」と言われることが本当に多くなりました。 ああ、自分だけの問題じゃないんだと。「これを超えれば、さらにイイ女になりますよ」とみんなに伝えたかったんです。

回顧で、興味深かったことを挙げます。

ドラマで共演したエノケンこと榎本健一さんから、「ナナ、お前は正面より、後ろ姿がいいな。顔はチンクシャみたいだけど」って言われたので、後ろ姿でも魅了することができる舞台のしごとをしようと決意したこと。

井上ひさしに「歩いているだけで絵になる女がいた!」と評価され、永六輔からも「僕は木の実ナナこそ、“粋な芸人”になれる有力ホープだと信じています。貴女は粋なのです。洒落ているのです。都会人なのです。シックでスマートでセンシティブで…… 」と絶賛されていたこと

考え方は色々ありますが、エノケンさんにチンクシャと言われて、「何おっ」と反発して美人女優を目指すのではなく、素直に従ったところが結果的にこんにちの木の実ナナにつながっているんですね。

このブログでは、冒頭の画像の『あぶない刑事』のほか、若い頃に出ていた次の映画もご紹介したことがあります。

『続・若い季節』


『続・若い季節』は、もちろん『若い季節』という作品の続編という意味です。

化粧品会社を舞台にした、当時の売れっ子スターたちが多数出演する青春群像ドラマがNHKで放送され、

TV版『若い季節』
黒柳徹子さんも出ています。『東宝昭和の爆笑喜劇DVDマガジン』(Vol.44)より

その映画版が『若い季節』というのですが、『続・若い季節』は、出演者の多くを入れ替えてその設定を引き継いだ作品です。

zokuwakaikisetsu.png

当時、隆盛を誇っていた渡辺プロダクションが、積極的に売り出していたスパーク3人娘(園まり・中尾ミエ・伊東ゆかり)と、

スパーク三人娘
『続・若い季節』より

当時日本では数少ないアクション俳優の一人だった三橋達也の出逢いを中心に描かれています。
三橋達也
『続・若い季節』より

その中で、三人娘の同僚役で出演していたのが、若手時代の木の実ナナです。

木の実ナナ
『続・若い季節』より

あ、ちょっと今と顔違うかな。

file.jpg

若い頃はこんな感じでしたね。

子供の頃の記憶では、かなり強い近視の方だったと思います。

三人娘が売れると、今度はその木の実ナナが三人娘として売り出されます。

ナベプロ(渡辺プロ)の“新3人娘”だった


日本一の男の中の男

『日本一の男の中の男』(東宝)という、1968年のお正月映画の中で、木の実ナナはナベプロ(渡辺プロ)“新3人娘”として、伊東きよ子、奥村チヨとともに出演しています。

ナベプロ新三人娘

同作は、浅丘ルリ子が日活と契約中のまま、東宝のドル箱シリーズに他社出演して話題になりました。

ストーリーは、それまで常連ヒロインである浜美枝が演じていたキャラクターとほぼ同じで、最初は植木等を軽蔑しているのに、有限実行で自己実現していく姿を見ていつしか結ばれるという展開です。

木の実ナナは、宣伝部長の植木等がプロデュースするCMに出演して、歌って踊る設定です。

このほか、木の実ナナは『クレージーの怪盗ジバコ』でも、やはりショーの歌い手として出演しています。

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木の実ナナさん、まとめ


木の実ナナは、『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』で、さくらの同級生で寅さんの幼なじみである、SKDのトップスター役で出演。

結婚とダンスどっちを取るかで、いったんは結婚しないと言ったはずなのに、交際している竜雷太が出てきたら結婚してしまうストーリーでしたが、もしかしたら、このダンサーの生き様は、木の実ナナの実母だったのかもしれないと思いました。

一方、木の実ナナ自身は、舞台の方を選択したのでしょう。

木の実ナナというと、私が子供の頃はもうテレビに出演していたので、こうして半生を振り返る記事を拝見すると、自分の年を取るわけだよなあなんて思います。

今は、女性タレントというと、寄席に出たこともない自称芸人か、グラドルか、〇〇48がほとんどなんですが、木の実ナナさんのような、まさに芸能人然とした“歌って踊る大人のエンタティナー”には、まだまだお元気でご活躍いただきたいと思います。

木の実ナナ魅惑のシングルコレクション - 木の実ナナ
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笑顔で乗り切る (The new fifties)

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  • 作者: 木の実 ナナ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 単行本



nice!(214)  コメント(13) 

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コメント 13

ナベちはる

“歌って踊る大人のエンタティナー"、まだまだ現役ですね!
by ナベちはる (2019-08-30 00:38) 

pn

明るい人ほど鬱になる、かぁ。その明るさって実は自分を守るバリアなのかもね。
それにしても若い頃の顔別人だ(笑)
by pn (2019-08-30 06:12) 

ヤマカゼ

写真を拝見すると、円熟してきれいになった女優さんなんですね。

by ヤマカゼ (2019-08-30 07:42) 

kou

最近は通販番組でも良く見かけますね。自分は汚れた英雄に出演していた木の実ナナさんの印象が強く残っています。
by kou (2019-08-30 08:10) 

Rinko

いつも颯爽としていてまさに「粋」と言う言葉が似あう女優さんですね~。
木の実ナナさん、大好きです^^

by Rinko (2019-08-30 08:43) 

(。・_・。)2k

木の実ナナさん 鳩の街出身なんですよね
なんとなく 寅さんの様に 短に感じる存在の女優さんです

by (。・_・。)2k (2019-08-30 11:27) 

sana

木の実ナナさん、スタイルが良く、きれが良い動きで昔から好きでした。演技のあったかい感じも素敵ですね。
細川俊之さんとの「ショーガール」を何度か見に行きましたよ。
若い頃の顔を覚えています。いやあ、あの年齢は顔って変わるもんですよ?個性にあった顔になる^^
そういえば、更年期でうつと公表したんですね。あの頃はまだあまり知られていなかったかな‥
弱い人、暗い人がなるというのは誤解ってことですね。
対処で長引くこともあるから、経験の公表は大事ですね。
by sana (2019-08-30 16:29) 

Take-Zee

こんにちは!
最近、テレビでは拝見しなくなりましたね!
みなさん、ちょっと見ないと70歳代ですね・・・

by Take-Zee (2019-08-30 16:30) 

扶侶夢

井上ひさし、永六輔からも評価されていたんですか、それは見直しましたね。「ホイホイミュージック」で鈴木ヤスシと出ていた頃から見ていたので庶民的なイメージが強かったのですが70年代あたりからすごく磨かれて来たんですね。
by 扶侶夢 (2019-08-30 19:19) 

ヨッシーパパ

子どもの頃に見た時には、日本人離れした顔のパーツが印象的でした。
目も口も大きく見えたと思います。
by ヨッシーパパ (2019-08-30 19:37) 

kohtyan

とにかくかっこいい人ですね。
憧れの人でした、あれから40年経ちました。

by kohtyan (2019-08-30 19:51) 

なかちゃん

木の実ナナさん、男はつらいよで初めて知ったような感じです。
それ以外を知らないのがとても残念です。

by なかちゃん (2019-08-30 20:32) 

そらへい

木の実ナナさんが新三人娘の一人だったとは
知りませんでした。
by そらへい (2019-08-31 20:10) 

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