SSブログ

龍虎勢朋、相撲も結婚も“仕切り直し”で花開いた大器晩成人生 [芸能]

龍虎勢朋、相撲も結婚も“仕切り直し”で花開いた大器晩成人生

龍虎勢朋さん(りゅうこせいほう、1941年1月9日~2014年8月29日)の命日です。美男力士として人気を博した元小結で引退後はタレントに。料理番組の『料理天国』(TBS系)の試食人をつとめ、時代劇『暴れん坊将軍』にもレギュラー出演しました。(上の画像はGoogle検索画面より)





大田区出身の美男力士


私が子供の頃、龍虎を知ったのは、「巨人、大鵬、卵焼き」とまでいわれた大鵬に限界説が出始めた1970年頃です。

大鵬が途中休場した翌9月場所に12勝して、とりあえず「まだやれる」ことを示した時、平幕下位ながら、その上を行く13勝をあげて準優勝したのが龍虎でした。

龍虎
http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/30/ryuko_n_5742612.html?utm_hp_ref=japanより

大田区立出雲(いずも)中学から都立大森高校というのも、親しみのありすぎるプロフィール。

私が小学校の頃、ベビーブームでマンモス校になったため区域の再編で「出雲」に移ったクラスメートはたくさんいたし、大森高校というのは、私の出身中学とは道路を隔てた隣同士だったのです。

知り合いでなくても親近感が湧いてきます。

おまけに、男から見ても美男力士(身長186cm、体重132kg)。

気にならないわけがありません。

が、龍虎の力士としてのハイライトは、その準優勝ではありません。

アキレス腱断裂で30歳からの再スタート


1971年11月場所で、巨漢の義ノ花(189cm、体重172kg)に体重を預けられて左アキレス腱断裂。

回復途上でまた断裂して合計4場所棒に振り、幕内の西前頭3枚目から、西幕下42枚目まで陥落してしまいました。

その時点で龍虎は30歳。

三役もつとめ、三賞も6回取ってますから、当時おおかたの見方は引退であろうと思われました。

大鵬も引退したのは30歳でした。

しかし、龍虎はそこでフェードアウトするように終わりたくはなかった。

引退後のことを考える三十路に入ったのに、関取用の白いまわしから、幕下以下が使う決まりである硬い木綿のまわしに戻って再起を誓います。

年収だって、関取なら1000万以上あったのに、給料のない幕下へ。

そこから1年後、1973年9月場所に幕内復帰、1975年1月場所には最高位の小結まで返り咲きました。

幕下へ降下した元三役の三役復帰は、史上初として話題になりました。

しかも、30歳過ぎてからのことなので、これはもう立派の一言に尽きます。

浜木綿子との“悲恋”で40代を棒に振ったが…


もうひとつ、龍虎には“大器晩成”のエピソードがあります。

小結に返り咲いた頃、龍虎は女優・浜木綿子との交際が始まったと言われます。

この当時の浜木綿子は、それはもうきれいな人でした。

芸能マスコミでも公然のように書かれていましたが、なかなか婚姻届を出したという話が出てきません。

50歳も近くなって、龍虎がワイドショーのインタビューに応じた時、「私もそろそろ結婚を意識してもいい年ごろですよねえ」なんて悠長なことを言っていて、ずいぶんごゆっくりな方々なあと思ったのですが、結局51歳で別の女性と結婚しました。

龍虎はたいへんモテる方のようだったので、てっきり浜木綿子1人に決められないで悩んで“永すぎた春”になってしまったのか、とも思ったのですが、真相は龍虎の“悲恋”だったのです。

その時のことを書いた記事です。


当事者は結婚する気満々だったのに、浜木綿子の息子の香川照之がずーっと結婚に反対し続けた上に、10年経ってから『もうそろそろ別れたらいいんじゃないか』と、引導渡しまで浜木綿子に指示したらしいのです。

「子供好きの龍虎さんでしたが、肝心の浜さんの長男・照之くんは、ずっと龍虎さんに、なつかなかったそうです。龍虎さんが、浜さんの家を訪れたときも照之くんは、彼に背を向け、壁に向かって黙って座っていたのです。龍虎さんは“やっぱり、子供は難しいね”と、ポツリともらしていました」(上記記事より)

記事によると、浜木綿子は、市川猿之助(現猿翁)と離婚した後も、香川照之に対して、“あなたのお父さんは尊敬できる人”と教え続けていたことで、香川照之は会えぬ父を慕うあまり、母の恋人である龍虎を受け入れることができなかったのだろうか、と書かれています。

記事は憶測ではなく、浜木綿子自身もそう述べています。

2013年3月に放送されたトーク番組『ボクらの時代』(フジテレビ)で、柴田理恵、左とん平らとともに出演。

浜木綿子はこう話しています。

浜木綿子「恋愛はしましたが1回だけ結婚を迷ったことがある。」
左とん平「名前言わないけど、(ドラマ『監察医・室生亜季子』の撮影を)よくみに来るわけよ」
浜木綿子「子供の父親は独りしかいないから」
左とん平「その人が独身の時だからね。向こうが結婚してわかれた・・」
浜木綿子「うそうそ。照之が『もうそろそろ別れたほうがいいんじゃない』って向こうに言いに行った。だからあの子には父親はひとりしかいらない。『もういいでしょ?』って言うんですよ。そういうウラがあったんですよ。照之聞いたら怒るかな、ごめん」
http://members2ami-go.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-c186.html

浜木綿子さん、「ごめん」するのは、香川照之ではなく龍虎に対してではないでしょうか。

10年尽くしても、「お前は市川猿翁より格下だ」と、母子に三行半尽きつけられたわけですから。

私だったら、「バカにするなっ」と、いいたくなる事案ですね。

しかし、龍虎は決して恨み言は言わず、泥仕合もせず、人生仕切り直しすることに。

51歳で、観世流太鼓十六世宗家・観世元信の長女と結婚。

2人の子供に恵まれ、その後は亡くなるまで22年間の結婚生活を送りました。

ニュースでよく使われる「生涯未婚率」というのは、「調査年に50歳の男女のうち結婚歴がない人の割合」のことをいいます。

つまり、50歳で結婚しない人は、もう生涯結婚しないだろう、してもそんなもんは無視できる数字だろう、とバカにされているのです。

しかし、長寿社会における新たな価値観の創出するかのように、龍虎は51歳で結婚して2人の子宝に恵まれました。



スポンサーリンク↓

まとめ


30歳過ぎてから小結にカムバックし、50歳過ぎてから結婚して家庭生活を経験した龍虎さん。

挫折してもそこで諦めず仕切り直しして前向きに生きていけば、きっといいことがある、と信じたくなる人生だと思いませんか。

大相撲大全集~昭和の名力士~ 十 [DVD]

大相撲大全集~昭和の名力士~ 十 [DVD]

  • 出版社/メーカー: NHKソフトウェア
  • メディア: DVD


nice!(216)  コメント(10) 
共通テーマ:芸能

nice! 216

コメント 10

ヤマカゼ

タキシードを着て、西川きよしさんと写っているこの番組見たことありますね。大田区出身の力士だったのですね。
by ヤマカゼ (2019-08-29 05:33) 

Rinko

龍虎さんは引退後のお料理番組のイメージが強かったです。
浜さんとの関係、知りませんでしたー。うぅぅ。悲恋ですね。
でも、その後幸せになったご様子。良かった。良かった。
by Rinko (2019-08-29 07:46) 

kou

>挫折してもそこで諦めず仕切り直しして前向きに生きていけば、きっといいことがある、と信じたくなる人生だと思いませんか。

現在の自分に言い聞かせます。
by kou (2019-08-29 08:07) 

pn

香川照之の気持ちも分からんでもないが、いや分からんかな?
そんなに前の父親が良いのならサッサとそっちに行けば良かったのに歳食ってから何か襲名しなかった?
by pn (2019-08-29 13:17) 

Ginger

スバラシイ!目の付け所♪
by Ginger (2019-08-29 15:21) 

Take-Zee

こんにちは!
龍虎関は本当に美男子でしたね!
10歳上のお兄さんだったんですね~
by Take-Zee (2019-08-29 16:30) 

hagemaizo

ゴルフクラブを持って歩いているところを何度かお見かけしたことがあります。会釈をする誰にでも穏やかににこやかに会釈なさっていたのを思い出します。
by hagemaizo (2019-08-29 17:45) 

ようこくん

私の中での龍虎さんは料理天国のイメージですが
本当に美男子~と思いながら見ていました。
お相撲さんは、短命の方が多い印象ですね。
浜木綿子さんとのことは残念でしたが、結果的には
お子さんにも恵まれてお幸せだったのでしょうね。
by ようこくん (2019-08-29 20:59) 

たあさん

料理天国よくみてました。
お魚用のスプーンだかナイフみたいなので
クリームのソースをつけておいしそうに食べてたのを見て
こんなの食べてみたいなーと子供ながら見ていました。
by たあさん (2019-08-29 21:15) 

くにこ

ナイス
by くにこ (2019-08-30 15:40) 

Facebook コメント

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます