「お金」と「幸せ」を対立させる議論がネットでは盛んになっています。きっかけは与沢翼さん。“個人で稼げる”をモットーに数々のネットビジネスを展開してきましたが、最近は「ネットの有名人」の枠から飛び出し、一般のメディアでバブリーなキャラクターの露出にいそしんでいます。
『かみひとえ』(テレビ朝日系列)という番組の、未公開映像がAbemaTVで配信され、“元ネオヒルズ族”の個人投資家・与沢翼さんが、お金を稼ぐ理由を明かした動画を見ることができます。
与沢翼さんは2013年頃、秒速で1億円稼ぐ男として話題になったと思ったら、翌年は会社が破産。
その後、東南アジアに移住してトレーダーを始めて、今の純資産は「75億円くらい。借金はない」そうです。
そこでまた、Twitterでは、与沢翼的価値観(桁違いに稼ぐことをどう見るか)に賛否の議論が起こっています。
まあ、与沢翼さんに関して言えば、与沢さん個人についての好き嫌いも入った議論になってしまうのでバイアスがかかりがちですが、Twitterのフォワー数が、今もうなぎのぼりのプログラマー・マナブさんも、
自分は拝金主義者だと宣言しています。
私は、残念ながらこの方々と違って、手元不如意の身の上です。
が、この方々のご意見や生き方について、全く同じことができるかどうかはわかりませんが、結論の部分で間違っているとは思っていません。
もちろん、金持ちだからとにかく偉い、とは思いません。
ただ、世間にありがちな、「金」と「幸せ」を単純に対立させ、「金を追い求めるやつは他の物を失う」というステレオタイプの観念論には合理的な根拠を感じず、その清貧思想には、美しさを装ったカルト宗教的な薄気味悪さを感じます。
金は心を買えなくても充足心を支えられる
往々にして我が国の多くの人は、お金を稼ぐことに熱中したり、お金の話をしたりすることを、まるで悪いかのように思っているフシがあります。
そして、「お金よりも生きがいだ」などとして、「お金」と「精神的充足(幸せ)」を対立させます。
しかし、春闘の賃上げ要求は悪く言いませんし、自分の収入が増えれば喜びます。
そして、ブラック企業はよくないとも思っています
つまり、お金は必要なくせに、安い報酬で働かされるのは嫌なくせに、そして他人がやってくれることなら歓迎するくせに、それでも
自分自身がお金と向き合うことからは逃げている。
これはおかしいですね。
そこで、その正当化に、今度はお金を稼ぐことに熱中する人を悪く言うようになります。
曰く、「(金に走って)魂は売りたくない」、お金の話をしたりする人は「人格を捨てている」、「金に熱中すると人格がかわり友人を失う」……etc。
でも、そのことを裏付ける統計など、世の中のどこにもありません。
「お金」と「幸せ」を、まるでトレードオフのように見るイデオロギーは、いったい誰が考えて刷り込んだんでしょう。
冷静に考えて、別にお金持ちだから「魂を売っている」ことにはならないし、明らかに違法な稼業でなければ、あとは価値観・好き嫌いの問題でしょう。
しかし、金を持っているか否かは客観的な違いがあります。
お金さえあれば、食べたいものも食べられるし、大切な家族がケガや病気になっても、悔いのない治療を行うこともできます。
私は、長男と次男が低酸素脳症で昏睡を続けていた時、頭に電極を埋め込む治療法(深部脳刺激療法(DBS))を受けさせてやりたいと思いました。
が、自由診療でン千万円以上かかるというので、「保険金と、〇〇を処分して、あとは△△を解約して、××から借りて……」などと、金策に四苦八苦しました。
結果的にその治療の必要はなかったのですが、もし金持ちだったら、スパッと現金を出してすぐに行動できるのに、と思ったものです。
「拝金主義は友人を失う」ようなイメージがありますが、マナブさんが言うように実はそれは逆です。
人は羽振りのいいところに集まり、落ちぶれると離れていきます。
残念ながら、世間なんてそんなもんです。
さらに、貧すれば鈍すといいますが、
貧乏すると理性まで崩れてしまいます。
与沢翼さんは、冒頭の収録でいいことを言ってます。
「諦める理由、買わない理由が値段なら、買った方がいい。逆に買う理由が値段なら、買わない方がいい。買うのは、その物の“品質”を見る。
品質が良ければ、値段が高くても買えってことです。逆に安いから買うのも間違いだし、高いから買わないのも間違い。経済の基本中の基本で、そこにたくさんのことが詰まっている」
市場の価値は社会の価値である、ということだと思います。
安物買いの銭失いは、質の悪い物や情報をつかまされ、さらに貧乏生活のループにハマってしまうのです。
ただ、現実として、貧しいと、買いたいと思っても買えないことはあります。
だから、どこかで少し無理をして頑張り、貧乏ループから抜け出そう、自分の理想的人生の構築はそれから、ということしかないのかなと思いますが、いかがでしょう。
つまり、
お金は人生のすべてではないけれど、幸せな生活の土台であることに疑いはない、ということです。
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「お金より生きがい」というレトリックの危うさ
成功者は、苦労知らずとか、汚いことをやってのし上がってきたとかいわれますが、少なくとも言えることは、彼らはそこに行き着くまでに、凡人には真似できないような失敗もずいぶんしているんですよね。
私は弱い人間なので、1度大きなダメージが有ると、そこでしょぼんとしてしまうのですが、そこからまた這い上がって前にすすめるかどうかが大事なのだと思います。
マナブさんも書かれていますが、拝金主義者でない人は、お金で苦労したことがない人だと私も思います。
たとえば、自分自身定職についていなくても、親と一緒に住んでいて(住居確保)、親の年金で食ってたりとかね。
そういうぬるま湯に浸ったパラサイトが、「稼ぐことは魂を売ること」なんて言っても、説得力ないでしょう。
拝金主義の1から10までをすべて鵜呑みにはしません。
が、少なくとも「金」と「幸せ」の単純な対立ありきではなくて、自己実現をもっと事実と道理で冷静に考えるべきです。
ひらたくいえば、
もっとお金を稼げた上でさらに高次な自己実現をしたい、という欲求に何の落ち度があるものか、ということです。
そうでないと、「そんなに金金っていうなよ。お金より生きがいだよ」などと丸め込まれ、ブラック企業で消耗させられるボロボロな人生になってしまうのではないか、という懸念は指摘せざるを得ないでしょう。
はだかの王様 億万長者がすべて失ってわかった絶対にやってはいけない42のこと (角川フォレスタ)
お金があればいろいろ出来るので、何をするにもお金は「先立つもの」なのではと思います。
by ナベちはる (2019-08-26 01:07)
お金がないとカワセミ一つ撮るにも機材に苦労しますので、それなりに自由に使えるぐらいのお金はやはり稼いだ方がいいですよね。
by 足立sunny (2019-08-26 04:12)
現実問題として、お金は必要ですね。
by ヤマカゼ (2019-08-26 06:38)
どうにか生きているわたしが大金を手にしたら
どう変わるんでしょうね。
by 斗夢 (2019-08-26 06:39)
うん、金はあるに越したことはない。
by pn (2019-08-26 07:21)
買えるお金があるけど買わないのと買いたいけど
お金ないから買わないでは違いますわ
貧乏生活のループ
コワいですねっ
by みうさぎ (2019-08-26 11:24)
欲しい物を手にいれるためにお金を稼ぐのでしょうから
稼いだお金は使いましょう、自分は年金生活だから
切りつめて切りつめて、欲しい物も買いません。
by kohtyan (2019-08-26 11:38)
まあいろいろ議論はあるようですが、無いよりはあった方が良いです。
by ヨッシーパパ (2019-08-26 17:29)
我が家にとっては切実な話題です。
やっぱり無いよりはあった方が良いですね。
by kou (2019-08-26 18:51)
こんばんは!
天災に被災しても、赤い羽根も・・
身障者の手助けもチャリティーも・・
まずはお金です。 言葉も愛も二の次です!
by Take-Zee (2019-08-26 19:28)
お金が必要ということと、拝金主義は違うと思いますね。
最低限のお金が必要というのは誰も否定出来ない事実だと思いますよ。
だから保険というものが世の中にあるのだと思います。
しのごの言ってる奴が自動車保険にも自賠責にも入っていないなら、そいつの話を聞きましょう(^^;
by なかちゃん (2019-08-26 19:39)
言い方を変えれば、どん底の不幸にならないために最低限のお金は必要ってことかも(^^;
by なかちゃん (2019-08-26 19:42)
お金大事ですよねー。なかなか貯められなーい。
by 沖田 翼 (2019-08-26 21:07)
「いくらあれば幸せか」というのが人によって違うので、
「拝金主義」の度合いと解釈も様々だと思います。
ただ少なくとも、「お金VS幸せ」ではなくて、
ともに同じ方向にはあるものなんでしょうね。
by 犬眉母 (2019-08-27 01:18)