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医療的ケア児の育児と療育で考えた障碍者子育て2つのポイント [障害者]

医療的ケア児の育児と療育で考えた障碍者子育て2つのポイント

『医療的ケアが必要なひかるちゃんと家族の日々』というNHKハートネットによるFacebookの投稿をシェアします。『24時間テレビ』が放送されていますが、こちらは感動の押しつけではなく、障碍者として生きるというのはどういうことかを考えさせてくれます。



『24時間テレビ』はついに当事者から無視されていた


今日は『24時間テレビ』ということで、今年はどのような意見か出ているのかと思い、Facebookにあるいくつかの障碍者関連グループの投稿を確認したのですが、なんと、全く書かれていませんでしたー

全く書かれていませんでしたー


もちろん、こういう統計の通り、そもそも待望だの絶賛だのは皆無です。


そしてとうとう、批判すらなくなった。

要するに、『24時間テレビ』に対する障碍者当事者の見解は、今や“無私の境地”ならぬ無視の境地に到達したということです。

以前、『24時間テレビ』には障碍者の描き方に批判があると、このブログで書きました。

そのとき、「感動があるからいいのだ」という反論もありました。

そんなに感動したかったらね、自分で障害者に関わる仕事をしたり、サークルやボランティアに参加したりすればいいだろう、というのが私の回答です。

実際に関わってみれば、嘘くさい感動押しつけ番組など、いかに無意味かということがわかるはずです。

昨日に続いて、NHKハートネットのシェアです。

医療ケア児が手話を覚えるまで




生まれつき、呼吸器や関節に障害がある医療ケア児のひかるさん(7)。

喉にはカニューレが入り、定期的に痰をとらなければなりません。

2歳の頃は表情も乏しく、感情が読み取れなかったそうです。

しかも、カニューレは、喉に穴を開けて挿すため音声確保が困難になります。

スピーチバルブやスピーチカニューレなどを使う場合以外は声が出せず、周囲の人とコミュニケーションが取れません。

「かわいくないというわけではないんですが、たぶん、そういうことを感じる余裕はまったくなかったと思います。旦那に『もし突然、私がひかるに手をかけそうになったら、止めてねって』言ったことも。つらい時期はありましたね」(母・優子さん)

201908242133.jpg
動画より

そして、医療的ケア児を受け入れる施設が見つかり入所。

自分の意志を伝えるために手話を勉強したところ、コミュニケーションをとろうとしなかったのに、手話ができるようになったといいます。

「かわりました、ものすごく。笑ったりする表情とか、生き生きしてるというか、すごく楽しいんですよね、あの子とのやりとりが。楽しいです、毎日大変ですけど」(母・優子さん)

誰でも弱気になる


ということで、今日の動画を私が見てポイントは2点あります。

母・優子さんは、夫に「もし突然、私がひかるに手をかけそうになったら、止めてね」と言ったといいます。

私も8年前、長男が一命はとりとめたものの、一酸化炭素中毒による脳障害で、知能が5ヶ月児並みに転落。

おむつを取り替える時、汚れたおむつを握ったままこちらに渡さず、困らせているつもりでヘラヘラ笑っているのを見た時、ほんの一瞬ですが、“この子が一命をとりとめたのは本当に良かったのだろうか”と、懐疑的な思いがよぎりました。

でも、その後回復し、心のなかで猛烈に自己批判しましたが(汗)

人間は間違い得るものなんです。

子の障害の有無にかかわらず、親は子に対して、いつも絶対に揺るぎなく正しいわけではなく、時には矛盾や動揺もあると思います。

母・優子さんは、夫を“セーフティーネット”に指名したことで、心の安寧を得たのでしょう。

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まずは行動すること


もうひとつは、ひかるさんが、2歳の頃は表情も乏しく、感情が読み取れなかったのが、集団生活の中で伸びたことです。

親御さんによっては、集団生活が困難な医療ケア児だからと、施設があっても入れない選択もあったかもしれません。

それをあえて行かせたところ、本人も伸びた。

私はこのことで、障碍者の学校選びにもひとつの示唆を与えてくれたと思っています。

先日、私は次男を歯科病院に連れて行った時、知り合いのダウン症の女の子がたまたま来ていたのです。

彼女は、身支度や動作が遅いなど、体力的に問題があるため特別支援学校に進みました。

しかし、会話力も十分ではない知的障碍者のクラスに入ったために、健常者と同じ参考書で勉強する学力があるにもかかわらず、会話や社会性が十分に成長できていないのです。

健常者と関わることで、また違った展開もあるかもしれないのに。

つまり、障碍者は支援学校へ行ってればいいんだ、という紋切り型の進路指導は必ずしも正しくない場合がある、ということです。

ちょっと無理かな、と思っても、まずは前向きに少しハードルが厳しいところにチャレンジ。

無理だったら、何がダメなのかを実証的に確認した上で、その時また考えればいい。

どうなるかもわからないのに、最初から決めつけたり諦めたりすることの方が禍根が残る、と思いました。

ま、私はこれも障碍者療育だけでなく、すべての人に言えることだと思ってますけどね。

優子さん、ひかるさんの母子のように、前向きに生きて行きたいと思いました。

上のイメージ画像
titidsnさんによる写真ACからの写真
※画像
cheetahさんによる写真ACからの写真

「医療的ケア」の必要な子どもたち:第二の人生を歩む元NHKアナウンサーの奮闘記 (シリーズ・福祉と医療の現場から)
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コメント 11

犬眉母

24時間テレビは、単なる大型バラエティ番組と
すればいいのに、「愛は地球を救う」とかいうから
批判を受けますね。

by 犬眉母 (2019-08-25 06:49) 

kou

偽善と言われようがやらないよりは実行に意味があると、もっともな意見もありますが、自分は大嫌いな番組です。
感動は無理して作り出すものじゃないですからね。東日本大震災後、仮設住宅内に商店が出来たと、いかにも感動を作り出そうとした夜の報道番組の生中継時、住民が割り込み「見世物じゃねぇ」「帰れ」と叫んでいる場面がありました。
どうしてもこの出来事と、24時間テレビがだぶってしまいます。
by kou (2019-08-25 07:16) 

pn

障碍児だけでなく痴呆老人とかに対しても手をかけたくなる時が世話してる人にはあると思う。そこら辺をもっと深く描いて世間に訴えられれば24時間テレビの評価も変わる、かも。
by pn (2019-08-25 08:28) 

an-kazu

公共放送と民法の違い、でしょうか?

 うちのムスメは24hTVをきっかけに、
 いろいろ知ったり、考えているようですので、
 あながち無駄なプログラムではないと思います。


by an-kazu (2019-08-25 09:18) 

エンジェル

24時間テレビ、見ないです。この暑い時期にマラソンすること自体おかしいと思ってるので。アニーパパは本当に走っているかも懐疑的です(^^;なので番組の内容は全く分かりません。
by エンジェル (2019-08-25 13:04) 

Take-Zee

こんにちは!
NTVのチャリティー先ほど募金が3億円を
超えたそうです!
 24時間でなく365日やれば良いのにね~

by Take-Zee (2019-08-25 14:32) 

bpd1teikichi_satoh

私達精神障害者老夫婦も色々な点でまだまだ社会の差別偏見の対象です。今の所は薬物療法で寛解状態を保っていますが一生涯向精神薬無くしては生きていけません。
by bpd1teikichi_satoh (2019-08-25 17:37) 

ヨッシーパパ

24時間テレビは、曜日の関係で、これまでの内で一番早い日なんでしょうね。
来週かと思っていたら、来週の日曜日は9月1日(日)でしたから。
by ヨッシーパパ (2019-08-25 18:24) 

そらへい

姪も中1までカニューレのお世話になっていましたが
ようやく取ることができました。
しかし、そのまますんなりとは行かず、
この夏も入院していました。
長い間、カニューレのお世話になっていたことの
障害もあるのですね。
by そらへい (2019-08-25 22:11) 

Rinko

「最初から決めつけたり諦めたり」せず。
小さな試練や問題でも、その心が大切ですね。ちょっと自分に言い聞かせています。
by Rinko (2019-08-26 07:55) 

なかちゃん

24時間テレビは、ボクは好きですよ。
ただ、昔と比べるとどうしても腑に落ちないところがあります。やはり視聴率に振り回されている部分があるんだと思います。
でも、だったらフジかな?の27時間はどうなの???とも思いますし、この番組だけが悪いということは無いと思います。芸能界全体の問題だな、。
ただ残念なのは、チャリティー番組なんだから、せめて芸能人は歯を食いしばってでもノーギャラで出ろよ…くらいかな(^^;


by なかちゃん (2019-08-26 19:58) 

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