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中崎タツヤ、山田隆、島本なめだるま親方の、情けは人の為ならず [トレンド]

中崎タツヤ、山田隆、島本なめだるま親方の、情けは人の為ならず

中崎タツヤさん(1955年8月11日~)の誕生日です。おめでとうございます。『身から出た鯖』『じみへん』、『問題サラリーMAN』(第38回文藝春秋漫画賞受賞)などを描いた漫画家です。無名時代は風俗ライターの島本なめだるま親方に重用されました。



以前も、山田隆さん、なめだるま親方、そして中崎タツヤ氏の関係という記事で書きましたが、

じみへん.jpg
Amazonより

第38回文藝春秋漫画賞受賞という実績は、もちろん一朝一夕になしとげられたわけではありません。

長年の実績を評価されての受賞ですが、初期の実績を作ることに貢献したのは、島本なめだるま親方(島本慶)という風俗ライターであると私は思っています。

島本なめだるま親方は、夕刊紙などにイラストと文章で風俗店レポートを寄稿するおなじみの風俗ライターです。

島本なめだるま親方は、風俗ライターとして名前が知られるようになってからは、ご自身の事務所で、風俗月刊誌の編集制作も行うようになりました。

その雑誌で、一風変わった、いわゆるヘタウマだけど奥が深そうな漫画を描く、無名時代の中崎タツヤさんに連載をさせていたのてす。

もちろんそれは、中崎タツヤさんが力のある漫画家である、と見込んだからでしょう。

ただ、それだけでなく、その雑誌で、格闘技とグルメ記事の連載をしていた山田隆さんという方に、島本なめだるま親方は以前重用されており、ご自身が山田隆さんに「育てられた」経験から、今度は自分が編集長として中崎タツヤさんを育てるつもりだったように私は思いました。

山田隆さんというのは、元東京スポーツ編集部長で、1960年代終盤から80年代後半に活躍したプロレス中継の解説者です。

山田隆
Youtubeの『ジャイアント馬場対ジャック・ブリスコ戦中継』より

『愛しのボッチャー』という、アブドーラ・ザ・ブッチャーをモデルにしたギャグ漫画にも登場しています。

東京スポーツというのは、以前はプロレス新聞といわれましたが、ページの真ん中あたりは、今も昔も風俗情報がたくさん出ています。

山田隆さんは面倒見のいい方で、東スポ在職中にそのページを担当した時、当時無名だった島本なめだるま親方をライターとして抜擢したのです。

新聞に連載を持つと、知名度と実績からほかの仕事もしやすくなります。

島本なめだるま親方は、東スポでご自身のブランディングを行えたことで、山田隆さんに感謝しました。

山田隆さんはその後、事情があって定年を3年残して東京スポーツを退社。

すると、島本なめだるま親方は、失職した山田隆さんに対して恩返しとして、自分の事務所にデスクを置いて客分として招き、事務所で作っている月刊誌に連載を書かせたのです。

つまり、こういうことです。

山田隆さんに育てられた島本なめだるま親方は、力をつけて自分で雑誌を作るようになったら、自分がそうしてもらったように今度は中崎タツヤさんを育て、さらに山田隆さんにも恩返しをしました。

そして、中崎タツヤさんが売れると、島本なめだるま親方にも、単行本のあとがきなどに“中崎タツヤを発掘した男”として声がかかる、という三者の“情けは人の為ならず”の良い関係が出来上がったというわけです。

この、山田隆⇒島本なめだるま親方⇒中崎タツヤの人間関係を見ると、人付き合いのアヤというのはすばらしいなあと思いますね。

人との信頼関係を壊さず、自分がされたことは忘れずに恩返しをする、三者はそれをきちんと行っていることで、みんながいい思いをしているのです。

みなさん、お世話になった人は裏切らずに、できるなら恩返ししましょうね。

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晴れがましくもほろ苦い思い出


……と、エラそーなことを書いている私ですが、この件は他人事ではなかったのです。

山田隆さんから重用されたのは、島本なめだるま親方だけではなく、実は私もでした。

私が、ある大手新聞社の週刊誌記事を作ったことがあり、その際、プロレス記事の談話を山田隆さんにお願いしたことがあるのです。

その時、山田隆さんは恩返しのつもりか、私に、島本なめだるま親方事務所が作っている雑誌の連載を1本譲ってくれたのです。

つまり、雑誌には、山田隆さん、中崎タツヤさん、そして私の連載が並ぶという、私にとっては晴れがましい時代があったのです。

しかし、直後にバブルが崩壊してしまい、私の財テクの連載だけが打ち切りになりました。

ま、打ち切りは、私の記事がつまらなかったことが最大の理由でしょうが、時の運もあると言わざるを得ません。

ということで、中崎タツヤさんというと、私だけが、“情けは人の為ならず”のトライアングルに入りそこねたという、ほろ苦い思い出が蘇ります(汗)

中崎タツヤさんの漫画、ご覧になったことありますか。

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東京湯巡り、徘徊酒 黄昏オヤジの散歩道

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  • 作者: 島本 慶
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/12/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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コメント 5

pn

育ててもらったから次は育てる立場になるのは分かるけどさらに恩返しまでしてるとは。
俺もいろんな人たちに育てられたから次は育てにゃならんのだがなぁ(^_^;)
by pn (2019-08-11 06:14) 

ヤマカゼ

いろんな事されていたんですね。
by ヤマカゼ (2019-08-11 08:28) 

扶侶夢

漫画は知りませんでしたが、私も似た様な経験をしたことがあります。恩返し出来るまでには至りませんでしたが、ふってもらった風俗系漫画の仕事でどん底だった生活を抜け出す切っ掛けになりました。
by 扶侶夢 (2019-08-11 10:48) 

ヨッシーパパ

全く知らない人々でした。orz
by ヨッシーパパ (2019-08-11 19:49) 

ナベちはる

「情けは人の為ならず」、大切ですね。
by ナベちはる (2019-08-12 01:31) 

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