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吉本騒動で考える、デキる芸人、ダメな芸人、本当の一大事 [トレンド]

吉本騒動が意味不明に喧しいが、本当にわかってて騒いでいるのか

吉本騒動が喧しいですね。結論から述べると、そんなに騒がなければならない話なのでしょうか。騒いでいる芸人の中には、便乗しているだけのつまらない人もいます。騒動を通してデキる芸人、ダメな芸人、そして本当の一大事が何かということを見ていきます。




問題の本質がズレている


そもそも騒動の発端は、宮迫博之らが振り込め詐欺グループから金をもらったことでしょう。

後輩芸人には、金をもらってないと隠蔽を指示。

ラジオでは「男気でノーギャラ」とウソの説明をして、新たに金塊強盗犯とのツーショット写真まで流出。

そしてうそ泣き会見。

涙を見ると、黒でも白にする慈悲深い情弱な一部視聴者がそれに引っかかり、空気を読んだ一部タレントが、吉本社長の中身のうすい会見の前後に、便乗して「薄給」や「契約書」など「会社への不満」にすり替えをはじめた。

……と、私は解しています。

流石にネットでも、「宮迫博之の反社との付き合い」の問題と、「吉本『コンプライアンス』」の問題は区別しろという意見がありますが、それでも一部は、ごっちゃにしていますね。

もちろんそれは、吉本自体が、反社に見境のなさそうな会社だからだと思います。

しかし、今回問題になっているのは宮迫博之ですから、少なくとも宮迫博之を被害者・犠牲者のような描き方をするのは逆立ちした見方であり、ましてや「薄給」や「契約書」問題なんていう社内問題にすり替えるのは、ミスリード以外の何物でもないと思います。

私は以前書いたじゃないですか。

ジャニーズ事務所は功罪あるが、反社とのつながりが大手ではめずらしくクリーンであり、それはもっと評価されるべきだと。

証拠⇒ジャニー喜多川、芸能界におけるその功罪

反社の問題というのは、タレントと事務所の取り分がどうしたという「社内の問題」とは次元が違います。

プロ野球は、永久追放だって出てるんですから。

こんな証言もあります


ダイヤモンド・オンラインでは、山健組系二次団体のいわゆる“経済ヤクザ”だった猫組長氏のインタビューが掲載されていますが、ネット民のしったかな小田原評定より、よほどリアリティがあるので一部抜粋します。
https://diamond.jp/articles/-/209804

・宮迫氏の契約解除など芸人への処分を撤回しましたよね。あれは非常にまずい。まず多くの芸人が、「結局のところ、何でもありや」と勘違いする。「変なところからお金をもらっても、契約解除にはならんのや」と増長する。ガバナンスも何もあったもんじゃない。

・岡本社長は反社との関係について、「すべての取引先をチェックしている」と言ったけれど、吉本と暴力団の長い付き合いを振り返れば、どの口が言うとんねん、って話です。

(暴力団がタレントを呼ぶときは)こっちがどういう人間かを事前に伝えておきます。「こういう人たちの宴会だから、ゆめゆめ失礼のないように」って。だって宴会に来てから「ヤクザだなんて知らなかった」とゴネて帰られたり、後から警察にタレこまれたりしたら困るでしょう? そもそも長い付き合いの芸人も多いし、こっちの身分を分からんと来ている人なんかいませんでしたよ。だいたい、そんな短時間でいいお金がもらえること自体、普通の人の集まりじゃないって分かるでしょうに。

契約書がないことはタレント側から見て“ブラック”か


繰り返しますが、今回の発端は宮迫博之の話です。

ところが、ネット民は、『スッキリ』に出ている女性タレントが繰り返している「契約書がない」ことを騒いで、公正取引委員会から勧告があったと祭り状態です。

ですが、公取の勧告というのは、裁判の判決とは違い、それ自体が具体的な行使力を持つわけではありません。

私も、以前集金に行ってもカネを払わない企業に対して、ちょっと脅かしてもらうつもりで、公取に申立をして勧告を頼んだことはあります。

でも、公取が取り立てをしてくれるわけではなく、相手がシカトしていたら決着は裁判しかないのです。

その程度のものです。

だいいち、テレビに出ているタレントは、自分の取り分がもっとほしいから言っているのでしょうが、6000名と称する芸人の大半は、本当に契約書がほしいのか疑問です。

吉本と、保有タレントとしての契約がないということは、法的にはフリーのタレントに吉本が仕事を斡旋する、という趣ですね。

これは、家政婦とか、作家・ライターなどと同じ身分です。

フリーだから、他社の仕事もできるのです。

たとえば、私の妻は、ソフトバンクという会社のパソコン誌で何本も連載を持っていて、専属的に仕事をしていましたが、それを実績として自分をパブリシティして、別の会社と仕事もしました。

私も契約書なしで、映画やドラマの端役・エキストラの仕事をさせていただいていました。

でも他の事務所の仕事もしたり、そっちがよくなって、前の事務所にけじめつけないまま「移籍」したりもしました。

契約書がないからこそ、そういうことができるのです。

契約書があったら、逆にタレントは会社に合法的に縛られるのです。

社会的に見た場合、フリーの役務を差配する元請け会社のやってることは、ヤクザの正業だった手配師と同じです。

しかし、ホリエモンの言う通り日本は遅れた国なので、手配師業務である人材派遣会社が認知されています。

それなら、家政婦や芸能家を斡旋する会社だって合法と見なければおかしい。

なにより、斡旋してもらう側からすると、先程書いたように必ずしも不都合ではないのです。

ここも、ネット民は知らずに興奮しているんでしょうね。

しかも、芸人の契約というのは、契約書と言ったって雇用契約ではありません。

通常福利厚生も退職金も残業手当もありません。

芸人の人権のために契約書を、なんて失笑を禁じえないことを書いている人もいましたが、契約タレントというのは、ネット民が想像するような天国ではありません。

逆に人権が奪われる可能性もあります。

タレントが独立したり移籍したりすると、必ずトラブルになるでしょう。

独立すると干されたりしてね。

それよりは、フリーのまんまで吉本から仕事を斡旋してもらい、「よしもとの仕事をしています」を実績として、他の美味しい仕事を自由にとればいいのです。

デキる人はそうします。

苦しくても頑張って、やがてタレントとしての価値が高まれば、吉本の方から契約を求めてきます。

その場合、力関係が変わっていますから、タレントの意向が反映された契約書になるでしょう。

今回、功成り名を遂げたベテランの芸人たちも、ほぼ同じようなことを言ってますが、真意はそういうことだと思います。

結局、やるかならないか


ここでも、私が普段から書いている、「人生、やるか、ならないか」なんです。

「やる」人は、そうやってのしあがり、「やらない人」はそこで終わってしまうのです。

繰り返しますが、公取の勧告は、吉本のやり方が手配師然とした法的に問題ある前近代的なものだからです。

しかし、人気と実力の世界であることを承知で斯界に飛び込んでおいて「やらない」くせに、社会や会社のせいにして「やらない」ことを正当化する自己愛な生き方が、私の価値観ではとうてい理解できないのです。

「やる」芸人ならそんな環境でも活路を開くし、「やらない」芸人は、吉本が公取の勧告を受けて入れたとしても何も変わらず、また自分が「やらない」理由として、会社や社会を悪くいい続ける、愚痴と嫉妬の人生なんだろうなあと思います。

そんなやつは、何をやっても、どんな仕事に就いてもダメです。

「やる」芸人と「やらない」芸人を、私はしっかり見極めたいと思います。

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まあいずれにしろ


この問題がこんなにおおごとになるのは、大事にしたい事情があるのでしょう。

政治的一大事があると、他の「祭り」の話題が必ず発生するのは、今に始まったことではありません。

自民党が議席を減らした。

これで、本当に憲法改正や消費税が支持されたといえるのか、を議論されたくないのだろうと私は解しています。

それにしても、芸能界というのは、私たちに夢を与えてくれる世界だったはずですから、もっと楽しいことで盛り上がりたいですね。

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コメント 12

ナベちはる

同じ「盛り上がる」なら、悪いことより良いことで盛り上がってほしいですよね。
by ナベちはる (2019-07-28 00:34) 

犬眉母

騒ぐだけ騒いだら、元の鞘に収まるのかも。
それで何も変わらなくて。
芸人の評価を変えるのは芸人自身で、
契約書ではないと私も思います。
by 犬眉母 (2019-07-28 01:04) 

斗夢

悪いことをした人間の首を切ったんでしょう、なんで戻すの?
6000人と聞いて山谷の労働者を思い出しました。
毎日吉本に顔を出して、仕事くれと手を上げるのかな。
by 斗夢 (2019-07-28 06:54) 

ヤマカゼ

↑に賛成です。
反社の付き合い問題と吉本内のゴタゴタとがごちゃ混ぜになっているきがしますね。

by ヤマカゼ (2019-07-28 07:27) 

kou

半社会勢力の会合に出席→処分。ただこれだけの話なのですが何故か話が別の方向に向ってますよね。
潮目って簡単に変わるもんなんですね・・・。
by kou (2019-07-28 09:00) 

pn

言い尽くされてるけど最初に反社と知らず金貰ってたすみませんって言ってりゃそれで終わってたよねこの一件。
by pn (2019-07-28 09:01) 

さすらいの話師

今現在、反社勢力から金を貰ってしまってて、今回話題に出なかった芸人は逆に「癒着」が強くなる気がしますネ。反社からみれば"強請ネタ"見っけですから。

by さすらいの話師 (2019-07-28 09:31) 

Take-Zee

こんにちは(^-^*)/
相撲や芸人の世界をプロモートしていたのは
地元の実力者でした。
by Take-Zee (2019-07-28 11:23) 

扶侶夢

賛同するところ多々ありますが
>この問題がこんなにおおごとになるのは、大事にしたい事情があるのでしょう。
・・・っていう処が特に引っかかりますね。
by 扶侶夢 (2019-07-28 17:14) 

ヨッシーパパ

朝ドラにも取り上げられたのに、全く、イメージダウンですね。
by ヨッシーパパ (2019-07-28 19:49) 

足立sunny

吉本の芸人さんとの契約について、「吉本と、保有タレントとしての契約がないということは、法的にはフリーのタレントに吉本が仕事を斡旋する、という趣ですね。」という結論に至る筋道か理解できません。フリーであるはずがないと思いますし、契約がないというのは全然実態と違うと思うのですが。
契約書がないだけで、吉本と所属芸人さんとは、マネジメントを含む専属所属契約をしていると解釈するのがしごく当然ではないでしょうか。そういう形が大問題であるとしても、吉本の芸人さんなのですから。
専属所属契約をしているタレントさんの社外個人活動に会社側がどこまで口を出すかは、専属契約の中身が契約書によって明らかにされていないいじょう会社側つまり吉本の裁量いかんなわけですが、直営業を必ずしも肯定しているわけではないですから、法的にはフリーのタレントが自分で営業するのとは根本的に違うと思います。
なお、宮迫氏らの会見を「ウソ泣き会見」と断定するのは好ましくないと考えます。

by 足立sunny (2019-07-28 23:30) 

Rinko

政治的に注目を集めたくない時の常とう手段ですね・・・。

by Rinko (2019-07-29 08:15) 

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