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藤本真澄、東宝映画を支えた名プロデューサー

藤本真澄、東宝映画を支えた名プロデューサー

藤本真澄さん(ふじもとさねずみ、1910年7月15日~1979年5月2日)の生まれた日です。映画会社の元東宝副社長であり、制作部門を分社化した東宝映画の初代社長でもあります。私がしばしばご紹介する、東宝映画の名作を次々作った名プロデューサーなのです。




7月16日(火)のよる7時00分~8時58分、例によって火曜シネマ昭和喜劇シリーズの枠で、クレージーキャッツの映画が放送されます。

今回は『クレージー作戦 くたばれ!無責任』(1963年、東宝)です。

坪島孝監督の初メガホンです。

自社商品ハッスルコーラの開発が思ったとおりにならなかった専務(山茶花究)は、その責任逃れに、ハッスルコーラの在庫販売用の子会社を作り、無気力社員だった植木等や、落ちこぼれ社員のクレージーキャッツのメンバーを出向させて責任を押し付けます。

ハッスルコーラ
『クレージー作戦 くたばれ!無責任』より

それでも彼らは、がんばってハッスルコーラをヒット商品にして黒字決済しますが、すると会社は、子会社を再び本社に吸収し、植木等らが銀行頭取(東野英治郎)からとりつけた融資の話も横取りします。

クレージーの面々は、もう会社に翻弄されるのは嫌だと本社管理職への栄転を拒否して退職。

「やればできる」ことがわかったので、自分たちで歩いていこう、と誓って明るく東京のオフィス街を胸を張って歩いてエンディング、という話です。


『クレージー作戦 くたばれ!無責任』より

すでにこのブログではご紹介済みです。

『クレージー作戦 くたばれ!無責任』坪島孝、植木等、浜美枝
浜美枝『クレージー作戦 くたばれ!無責任』のヒロインを思い出す
坪島孝、クレクレタコラやハッスルコーラ、怪盗ジバコの風刺表現

この、明るく楽しい東宝喜劇映画は、クレージーシリーズのほか、お姐ちゃんシリーズ、森繁久彌の社長シリーズ、加山雄三の若大将シリーズなどが、1960年代の、やや斜陽になりかけた邦画界で、手堅いヒット作品として定期的に制作されました。

そのプロデューサーが、15日に生まれた藤本真澄さんです。

手がけた作品はほかにもたくさんあるのですが、このブログでは、浮雲(成瀬巳喜男監督、1955年)、大番シリーズ(千葉泰樹監督、1957年 - 1958年)、江分利満氏の優雅な生活(岡本喜八監督、1963年)、乱れる(成瀬巳喜男監督、1964年)、乱れ雲(成瀬巳喜男監督、1967年)などご紹介しました。

東宝青春映画・ドラマが野球を題材にしなかった理由


東宝といえば、『青い山脈』以来、青春映画やドラマをたくさんつくり、劇中いろいろなスポーツが出てきましたが、野球だけは扱いませんでした。

たとえば、人気シリーズとなった、熱血教師の東宝制作青春学園ドラマシリーズは

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青春とはなんだ(1965年~1966年)……ラグビー
これが青春だ(1966年~1967年)……サッカー
でっかい青春(1967年~1968年)……ラグビー
進め青春(1968年)……サッカー
飛び出せ!青春(1972年~1973年)……サッカー
われら青春!(1974年)……ラグビー

飛び出せ!青春

われら青春.jpeg

と、ラグビーとサッカーの繰り返しです。

このときは、放送していた日本テレビが、『巨人の星』を放送していたので、かぶらないように野球を扱わなかった、などといわれていましたが、それは東宝の公式な回答ではなく、マニアの間でも答えが出ない問題でした。

それが、最近発売された『リオの若大将』(1968年、東宝)のDVDで、明らかにされていました。

せんだみつおと美栞了が、若大将シリーズのロケ地をいろいろ巡り、シリーズメイン監督だった岩内克己監督と、当時のエピソードを話すという特典映像がありました。

加山雄三の若大将シリーズを撮っていた岩内克己監督によると、藤本真澄プロデューサーが「ダメ。球が小さいのは、藤本(真澄)さん大っ嫌いなの」という話をしています。

たまちっちゃいから
『リオの若大将』DVD特典映像より

プロデューサーの力は絶大だったんですね。

若大将シリーズで行われたスポーツは、水泳、拳闘、マラソン、ヨット、水泳、アメリカンラグビー、乗馬、スキー、サッカー、柔道、水上スキー、スキューバダイビング、モータースポーツ(ラリー)、陸上、フェンシング、スケート、スカイダイビング、オートバイ等です。

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テニスにしたらシリーズが終わってしまった


唯一、『ブラボー!若大将』(1970年、東宝/岩内克己監督)だけは、球の小さいテニスで、しかも、若大将が解雇されたり、女性にフラれたりと、いつもと違う作り方でした。

心地良いマンネリを壊してしまったことが、シリーズの“終わりの始まり”を感じたのか、客の入りが激減し、翌年に若大将シリーズは終了してしまいました。

いずれにしても、私は明るく楽しい昭和の東宝映画が好きなので、火曜日はBS11で、藤本真澄作品の『クレージー作戦 くたばれ!無責任』を鑑賞したいと思います。

藤本真澄プロデューサーの作品、ご存知ですか。

クレージー作戦 くたばれ ! 無責任 [DVD]
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プロデューサー人生―藤本真澄映画に賭ける (1981年)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東宝出版事業室
  • 発売日: 1981/12
  • メディア: -


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コメント 6

pn

偉大なるマンネリなんだろうなぁ。固定客を安心させるか新規顧客を捕まえるかのせめぎ合い、どう転ぶかは運次第か(^_^;)
by pn (2019-07-14 22:01) 

ナベちはる

いい意味で「マンネリ」ということは、展開が解っていてもついつい見てしまうほどの作品だったと思うのですが、それを壊すのは相当リスクが高いことだったのでしょうね。
by ナベちはる (2019-07-15 01:57) 

犬眉母

全体が動いているのは、サッカーやラグビーでしょうね。
野球は、中心は投手か打者になりますね。
by 犬眉母 (2019-07-15 06:18) 

Take-Zee

こんにちは!
飛び出せ青春のポスターの人たちは
みんな爺さん・婆さんになってしまいました。

by Take-Zee (2019-07-15 12:58) 

ヤマカゼ

浮雲は見たことあります。話が違いますが最近、東宝映画ではアマゾンでシンゴジラ見ました。ゴジラが大きいのはいいですが脇役的な存在でしたね。長谷川博己静かに感情を燃やすいい演技してましたね。
by ヤマカゼ (2019-07-15 15:11) 

ヨッシーパパ

コーラが、ネタに使われているとは、「コカ・コーラ」もかなり売れていた時代なんですね、きっと。
by ヨッシーパパ (2019-07-15 18:25) 

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