クレージー作戦先手必勝(1963年、東宝)楽観的で元気な人情喜劇 [懐かし映画・ドラマ]
クレージー作戦先手必勝(1963年、東宝)が、来る9日のよる7時00分~8時58分に、BS11の『火曜シネマ昭和喜劇シリーズ』枠で放送されます。無料BS初放送と銘打たれています。クレージーキャッツ全員が出演するクレージー作戦シリーズの第一弾です。(画像はBS11公式サイトより)
クレージー作戦先手必勝については、このブログで過去2回ご紹介したことがあります。
⇒『クレージー作戦 先手必勝』は豪華出演者による異色クレージー映画
⇒上田吉二郎、新国劇出身の怪優が出演した『クレージー作戦先手必勝』
1962年に、植木等主演の『ニッポン無責任時代』と『ニッポン無責任野郎』がヒットしたため、引き続き植木等主演シリーズを作るとともに、今度は植木等の所属するクレージーキャッツ全員が出演するクレージー作戦シリーズを作ることになり、その第一弾が今回のクレージー作戦先手必勝なのです。
このブログでは、何度もクレージー映画をご紹介していますが、無責任シリーズは、本当のことをいうと、あまり馴染みがないのです。
やはり、キャラクターのいい加減さと、古澤憲吾監督の斬新な演出に戸惑いがあるからです。
その点、今回のクレージー作戦先手必勝は、人情喜劇の久松静児監督による古典的な喜劇の展開をベースに、「人生いろいろあるさ」と悟っている、楽天的で前向きな植木等とクレージーキャッツの面々がいきいきと描かれていて、個人的にはお気に入りの作品です。
豪華脇役喜劇人
ストーリーは、会社をクビになった植木等が、クレージーの面々をスカウトして、「まとめ屋」という交渉代行業を起業。
いろいろな客の、いろいろな騒動に巻き込まれる話です。
『植木等主演』としては実績を残していながらも、『クレージーキャッツの映画』としては未知数だったため、脇を固める出演者がなかなか豪華です。
植木等の内縁の妻として、料理屋を営みながら支えるのが池内淳子。
金貸しとして、クレージーキャッツの足元をすくうのが加東大介。
その愛人として上手に立ち回るのが淡路恵子。
クレージーキャッツが開いた悩み事相談会社に勤務しているのが中尾ミエ。
その婚約者が坂本九。
「まとめ屋」の最初の客が、夫婦喧嘩の仲裁ということで若水ヤエ子と田武謙三
次の客が、団地の自治会長夫妻の沢村貞子と松村達雄。
クレージーは立ち退き騒動に巻き込まれますが、関係者は柳家金語楼、八波むと志、上田吉二郎、十朱久雄など。
後にマーブルチョコレートのCMで有名になった、上原ゆかりも出ています。
ほかにも、小桜京子(現日本喜劇人協会名誉顧問)、塩沢とき、東宝専属の大部屋陣である石田茂樹、沢村いき雄、向井淳一郎、桐野洋雄、大村千吉などが出ています。
ということで、1960~70年代に活躍された方々ですが、何名ぐらいご存知ですか?
「そんなこたぁ、どーでも、いーじゃねえか」
もうひとつの見どころ、というより聴きどころですが、オープニングが、クレージー映画30作中、この作品だけ植木等の歌が入っています。
『いろいろ節』(作詞・青島幸男、作曲・萩原哲晶)というのですが、私は植木等の歌の中では、これがベストだと思っています。
歌詞を要約すると、大騒ぎして一緒になってもすぐ別れる夫婦もあれば、文句ばかり言っても50年連れそう夫婦もある。
人生はいろいろあり、なるようにしかならないんだから、細かい不満なんか気にするな、「そんなこたぁ、どーでも、いーじゃねえか」で結ぶ歌です。
なんと、達観した歌詞だと思いませんか。
放送は無料BSです。お勧めです。
クレージー作戦 先手必勝 [レンタル落ち]
>人生はいろいろあり、なるようにしかならないんだから、細かい不満なんか気にするな、「そんなこたぁ、どーでも、いーじゃねえか」
これぞ、夫婦の真理かもしれませんね。
by ナベちはる (2019-07-08 00:58)
交渉代行業とは、現代こそニーズがありそうな起業ですね。
by 犬眉母 (2019-07-08 01:34)
ホンダラ行進曲、流行りましたね。
by ヤマカゼ (2019-07-08 05:58)
淡路恵子って必ず懐かし映画ドラマの時に出て来ているような(笑)
「そんなこと」が実は大事だったりするからなぁ、けど言ってみたいなぁ(^_^;)
by pn (2019-07-08 06:13)
こんにちは!
クレージーを知っている人も少なくなりました。
犬塚さんだけがお元気で頑張っているようです。
90歳になられるとか・・
by Take-Zee (2019-07-08 09:36)
子どもの頃は、ドリフターズを始めに知って、その先輩格のクレージーキャッツを後から知ったような記憶です。
by ヨッシーパパ (2019-07-08 19:15)