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小鹿番、コンプレックス抱える小市民を好演のバイプレーヤー [懐かし映画・ドラマ]

小鹿番、コンプレックス抱える小市民を好演のバイプレーヤー

小鹿番(1932年6月18日~2004年4月29日)さんの生まれた日です。林芙美子原作、森光子主演の舞台『放浪記』では、40年間にわたって菊田一夫を演じ、1993年の『ゆずり葉』の吉兵衛役では第19回菊田一夫演劇賞を受賞しました。ミュージカル『ラ・マンチャの男』でも、ドンキホーテに付き従うサンチョ役を13年にわたって演じ続け当たり役としています。 (上の画像はGoogle検索画面より)





『放浪記』といいますと、森光子がでんぐり返しをするので話題になっていましたが、“寸詰まりにコンプレックスを持つ癇癪持ち”の菊田一夫役を怪演する小鹿番の存在あっての舞台でした。




また、舞台だけでなく、テレビドラマや映画にも多数出演しています。

がんばれ!!ロボコン


がんばれ!!ロボコン
Google検索画面より


『がんばれ!!ロボコン』(1974年10月4日~1977年3月25日、東映/NET=テレビ朝日)で、ロボコンがお手伝いをしている大山家(大野しげひさ、加藤みどり)の上司、出世しそうもない万年課長を演じていました。


喜劇駅前開運


喜劇駅前開運

『喜劇駅前開運』(1968年、東京映画/東宝)は、文芸映画の巨匠といわれた豊田四郎監督の作品。

東口と西口を大きな踏切が分断していた、東北本線赤羽駅前東西商店街の対立をめぐる騒動が描かれています。

『喜劇駅前開運』で小鹿番

商店街では、値下げ合戦をはじめたのですが、メーカー希望小売価格を守らせるための価格Gメンを演じています。

しじゅう首を細やかに振動させる癖の役で、今風に言うと、トゥレット症候群の疑いがあります。

つまり、病気をコミックリリーフのキャラに利用しているわけです。

今だとちょっとできない演技ではないかと思いますが、黒澤明監督の『どですかでん』では、伴淳三郎が脚の悪い人を演じるなど、当時は身体の不随運動など不自由さを“特別扱いせず”晒していました。

『放浪記』の菊田一夫にしろ、『がんばれ!!ロボコン』の課長にしろ、『喜劇駅前開運』の価格Gメンにしろ、精神的、または肉体的にコンプレックスのある役を巧く演じていたと思います。

その他、古いところでは若大将シリーズにも出演。

フレッシュマン若大将の小鹿番

フレッシュマン若大将の小鹿番
DVD『フレッシュマン若大将』より

『フレッシュマン若大将』(1969年)では、加山雄三と新卒で同期入社しています。

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白い巨塔


そして最後は、1970年代のテレビドラマの隆盛を象徴する、田宮二郎版『白い巨塔』です。



白い巨塔(1978年6月3日~1979年1月6日、フジ)では、財前五郎が断層撮影を怠った患者・佐々木庸平(谷幹一)の弟の佐々木信平役を演じています。

この後、村上弘明版の『白い巨塔』(1990年、テレビ朝日)で小鹿番は、佐々木庸平役も(そして似ている患者安田太一役も)演じています。

『白い巨塔』のテレビドラマや映画を通じて、同じ役で再度出演した役者はほかにも、田宮二郎、加藤嘉、小沢栄太郎などがいますが、別の役で、しかも弟から兄に“昇格”したのは唯一のケースです。

小鹿番さん、覚えていらっしゃいますか。

放浪記 (新潮文庫)
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コメント 11

ヤマカゼ

沢山出演されていたのですね。見たことある俳優さんですがやっぱりロボコンの印象かもしれません。
by ヤマカゼ (2019-06-18 05:59) 

pn

↑うん、特撮でもよく見ていたような。
by pn (2019-06-18 06:11) 

末尾ルコ(アルベール)

小鹿番、コンプレックス抱える小市民を好演のバイプレーヤー・・・小鹿番はさすがにわたしも(笑)知っております。でも『がんばれ!!ロボコン』にも出演しているのですね。このような子ども向け特撮物でも昭和は厚みのあるキャスティングだったと言えますね。小鹿番のような俳優が出演しいるとまったく違った雰囲気になりますね。
『喜劇駅前開運』は割と最近観たのですが、残念ながら小鹿番についてはあまり記憶にありません(とほほ)。

>“特別扱いせず”晒していました。

最も重要なのは、「どのような描き方をしているか」なのでしょうが、問答無用で特別扱いする昨今の風潮はいただけませんね。表現の世界はできるだけ自由でなければどんどん貧困になっていきます。もちろん明確な差別表現は非難されるべきですが、現に存在するのに隠してしまう事なかれ主義はいずれ破綻していくものだと思います。
『フレッシュマン若大将』もおもしろそうですね。酒井和歌子の出演ですね。しかも上映時間が89分と出ています。この頃は、「小鹿 敦」という名前で出演していたのですね。フィルモグラフィを見てみると、『バツグン女子高校生 16才は感じちゃう』『バツグン女子高校生 そっとしといて16才』というタイトルがありまして、どうにも目を引かれてしまいました(笑)。

・・・

>脳みその同じ部分だけを使ったり

おっしゃる通りだと思います。母はとわたしは連日話をしても比較的飽きは来ないのですが、「脳の働き」という視点に立てば、「別の刺激」あるいは「多様な刺激」が必要ですね。実はまだ記事には書いてないいろいろな方法(会話・対話以外)も毎日試みております。そして「わたし以外の人間」との接触ですよね。それも徐々に増やしていかねばと、いろいろ考えております。ただ親類がですね、大阪在住の母からすると次女が身近におれば、母と仲がいいですし、次女も快く引き受けてくれると思うのですが、なにせ大阪なので残念ですが無理なのです。そして高知在住の三女ですが、よくお話させていただいているように性格に大いに問題があり、母の精神衛生上大きなトラブルになる可能性もあります。しかも三女の夫が悪性リンパ腫と脳梗塞を患っており、その世話が並大抵ではないはずです。
ただ、次女とは時に電話で会話するようにはからっておりまして、やはり話が弾みます。次女の夫もクモ膜下出血で倒れて生死の境をさ迷ったのですが、既に回復して、大阪から高知まで車を運転できるまでになっております。そして理学療法士・作業療法士の中には気の合う人もできておりまして(50歳以上離れた女性たちですが 笑い)、愉しそうにリハビリしております。今後は両療法士など、医療関係の人たちとのコンタクトをより密にして、特に母と相性のいい人たちを探していきたいと考えております。もちろん母と仲のいいピアノの先生や友人の人たちとのコンタクトも進めていきます。


>その人自身が謙虚で柔軟であるかどうかという一点です。

いっぷく様のお言葉、すべて大切にしておりますが、とりわけ本日いただいたこのお言葉、強く深く心に刻ませていただきます。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-06-18 06:51) 

Rinko

「がんばれロボコン」で見た覚えが!
この方なんですねー。
by Rinko (2019-06-18 07:25) 

なかちゃん

名前だけは存じておりますが、TVとかで見たという記憶はありません。
チャンネル数の少ない富山ならではかも(^^;

by なかちゃん (2019-06-18 08:25) 

みうさぎ

なんだか~とっても懐かしいですわ
ほっこりとしました。

by みうさぎ (2019-06-18 14:43) 

Take-Zee

こんにちは!
この人も見ないなあと思っていたら
お亡くなりになっていたんですね!

by Take-Zee (2019-06-18 16:11) 

ヨッシーパパ

名前は知りませんが、顔を見ると思い出します。
by ヨッシーパパ (2019-06-18 19:22) 

kou

良く顔は存じている俳優さんですが、あまり作品は思い出せません。でも、本当に顔だけはしっかり覚えています。
by kou (2019-06-18 19:41) 

mau

ロボコンの形可愛いですよね。地元のバスや電車で見かけるとほっこりします。
by mau (2019-06-18 21:41) 

ナベちはる

ロボコン自体はリメイク版を見たことがあるので知っていますが、小鹿さんは存じませんでした…
by ナベちはる (2019-06-19 00:20) 

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