中村竹弥(なかむらたけや、1918年7月11日~1990年5月28日)さんの命日です。歌舞伎役者として長い下積みを経験しながら、テレビ時代劇でその経験が開花しました。『大江戸捜査網』における松平定信の命を受けた無役の旗本「御前」こと内藤勘解由は当たり役でした。
中村竹弥さんといえば、1960~80年代にかけて、現代劇でも出演はあります。
たとえば、何度かご紹介している『特捜最前線』の記念すべき第1回にゲスト出演しています。
が、どうしても時代劇俳優のイメージが強いですね。
やはり、時代劇に当たり役があるからだと思います。
大江戸捜査網
Youtubeより
東京12チャンネル(現テレビ東京)で、毎週土曜夜9時から放送されていた時代劇ドラマです。
江戸時代中期の大名・松平定信が、極秘に隠密同心のグループを作ります。
メンバーは、普段は町人として生活し、いざ事件が起こると、松平定信の命を受けた無役の旗本、「御前」こと内藤勘解由がメンバーを招集し、指揮します。
そして、番組は毎回、隠密同心の心得をナレーション
我が命我が物と思わず、武門の儀、あくまで陰にて、己の器量伏し、御下命いかにても果たすべし
なお、死して屍拾う者なし!死して屍拾う者なし!
命を受けたら、命がけで職務を全うせよ。
相手を殺るのは構わないが、自らの命を落としてもそれまでのこと
という意味です。
メンバーを2度交代して、第3シリーズまであしかけ15年にわたって放送されました。
Youtubeより
“御前”役の内藤勘解由は、第1、2シリーズは中村竹弥、第3シリーズの途中から大山克巳。
メンバーの中心が、第1シリーズは杉良太郎、第2シリーズは里見浩太朗、第3シリーズは松方弘樹。
メンバーはシリーズごとに若干入れ替わりはありますが、男性陣は一貫して瑳川哲朗、女性陣はシリーズごとに梶芽衣子、岡田可愛、安田道代、江崎英子、かたせ梨乃、土田早苗、古城都、山口いづみらが登場しました。
内藤勘解由を含めて5~6人の組織です。
歌手出身で、日活の中堅俳優だった杉良太郎が、時代劇俳優としてブレイクしたドラマです。
子供時代見ていて、やはり中村竹弥が巧かったですね。
毎週、絶妙な間合いと表情を見せてくれ、剣の達人に見えました。
あまりに“御前”役がハマりすぎて、現代劇に出演しても、ピンとこなかったほどです。
『大江戸捜査網』はドラマとして人気が出て映画化もされました。
隠密同心 大江戸捜査網
『隠密同心 大江戸捜査網』(1979年、東京12チャンネル=現テレビ東京/東宝)は、テレビドラマが好評だったため映画化。
テレビドラマ400回突破記念、東京12チャンネル開局15周年記念映画と銘打たれ、東宝配給で上映されました。
三船プロ制作ですが、総帥の三船敏郎も“ドン”の松平定信役で出演しています。
DVDより
松方弘樹ほか、中村竹弥、瑳川哲朗、土田早苗、かたせ梨乃など、第3シリーズの隠密同心メンバーが総出演です。
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美しきチャレンジャー
以前もご紹介しましたが、『
美しきチャレンジャー』(1971年4月4日~10月17日、国際放映/TBS)は、当時売出し中だった新藤恵美が、自分をその世界に導いてくれたコーチ(森次晃嗣)とともに、ボーリングの腕を磨くという、ボーリングブームの真っ只中で制作されたドラマです。
DVDより
中村竹弥は、新藤恵美の父親役です。
DVDより
大田区の羽田で果物店を営んでいる設定です。
しかし、『大江戸捜査網』と違って、なんかもっさりした父親役でした。
“御前”としてのイメージが刷り込まれてしまったからかもしれません。
ただ、俳優としてこうしてずっと覚えていてもらえることを考えると、現役の時はやりにくいかもしれませんが、当たり役に恵まれるということは幸せなことかもしれません。
もちろん、それも役を“自分のものにする”本人の頑張り如何ですが。
大江戸捜査網DVDボックス 杉良太郎第一シリーズ
美しきチャレンジャー [DVD]
中村竹弥、隠密同心の御前は美しきチャレンジャーの父だった・・・15年も放送していたのですか。それはすごいですね。わたしはこのドラマ、観たことあったかどうか記憶にありません(笑)。テレビ東京は高知にネットされてないのですが、ネットされてない局の番組も放送する場合もあり、これだけ長期間に渡って人気があったのであれば、高知でも放送していた可能性は十分あります。
しかし今では映画、ドラマ、小説などを問わず時代物は大好きなのですが、子どもの頃から10代の間はさほど興味を持っておりませんでした。子ども向けの、『仮面の忍者 赤影』『変身忍者嵐』『怪傑ライオン丸』などは熱心に観ておりましたが、大人向けの時代劇はほとんど観てなかったです。祖父母や両親が観てなかったからという側面が強いのだと思いますが。
昨夜病院でかなり古い時代劇ドラマを放送しておりましたが、やはり安心して観てられますね。時代劇に精通した俳優中心だと安定感があります。時にそれはマンネリへと陥ってしまうこともありますが、テレビドラマの時代劇はマンネリの魅力を愉しみたいですよね。
「隠密同心の心得」のようなのは大好きなのです。もちろんリアルな生活の中でこうした心得を反映させたいとかいうのではなくて、「命懸けで生きていた人間たちの覚悟」を感じられる言葉や記録が好きなのです。剣豪の真剣勝負とか、現代の社会常識ではとんでもない話となりますが、あくまでその時代に生きた人間たちの心の持ち様として想像を働かせ、現代の実生活の中に多少なりともそのスピリットを反映させてみるとか、わたしはそういうのが好きなのです。
中村竹弥についてはほとんど知らないのですが、殺陣が素晴らしいというお話、それは機会があれば観てみたいです。近年であれば、映画『るろうに剣心』で佐藤健が見せたスピーディーな殺陣が話題になりましたが、どうも色気がないのです。中村竹弥の殺陣、とても興味があります。
・・・
>馬場にそう言わせてましたね。
わたしもよく覚えております。と言いますか、今もちょいちょい『タイガーマスク』読んでおりますので、「よく見とります」と書くのが正しいかもしれませんが(笑)。
>名乗らないのは無責任ですね。
絶対そうだと思います。そしてそもそもセキュリティ上どうなのか、という大きな疑問もあります。例えば何らかの物資やお金が、誰がやったか分からない状態で自分の家の前に置かれていたり、送られてきたりという場合を想像したら、(親切な人がいるなあ、有難く頂戴します)にはなりません(餓死寸前であれば、いただくかもしれませんが 笑)。不気味なのですぐに警察へ届けます。それがあの当時は日本の空気が美談の方向へ走ってましたので、「置かれたものは、有難く頂戴して当然」という風潮になってしまってましたよね。もちろん批判的な人たちもいたでしょうが、そうした声はかき消されてしまいます。あの現象も一種のマスヒステリアだったように思います。 RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2019-05-28 03:02)
時代劇は、歩き方一つとっても
現代劇と違う難しさがありますね。
by 犬眉母 (2019-05-28 05:28)
隠密同心、何度か見たことあります。見覚えある役者さんですね。
by ヤマカゼ (2019-05-28 06:13)
松方弘樹の頃は見てないんだよなぁ。
思えば松方金さんも見てないな、嫌いな訳じゃないんだが(笑)
by pn (2019-05-28 06:19)
懐かしい俳優ですね。何故か映画よりテレビで映えるB級感がしました。
by beny (2019-05-28 10:25)
日本史が好きなので時代劇も好きです。
「死して屍拾う者なし」懐かしいフレーズです。
最近のTV時代劇は史実を無視しすぎで、興ざめすることも多いです。
というわけで今公開中の「武蔵」を観に行くのを
楽しみにしています。
https://www.musashi-movie.jp
by A・ラファエル (2019-05-28 10:38)
こんにちは!
まだテレビを買ったばかりの1960年代、
『新選組始末記』、子母澤寛の小説。新選組を題材にした作品で、関係者への取材などを取りまとめられていることから、新選組に関する代表的な資料とも捉えられており、その後の幕末を題材にした創作作品に影響を与えた。
・・を楽しみに見ました、彼は近藤勇でした。
by Take-Zee (2019-05-28 11:08)
死して屍拾うものなし、は、けっこうあちこちで使えたというか、つい何にでも使っていましたですね。それだけ熱中して見ていたということでしょうけれど。
by 足立sunny (2019-05-28 18:46)
東京12チャンネルって、懐かしい響きです。
by ヨッシーパパ (2019-05-28 19:37)
大江戸捜査網、軽快な主題曲が大好きです。
たまにバラエティー番組でも使われていますね。
by kou (2019-05-28 19:59)
大江戸捜査網も祖母とよく観ていました。
死して屍拾うものなしのフレーズはインパクトありました。
by mau (2019-05-28 21:11)
ハマるほどの役があることは、役者としては「嬉しいもの」の一つですね。
by ナベちはる (2019-05-29 01:18)
中村竹弥さん、素晴らしい俳優でした。一番記憶に残っているのは『新選組始末記』で栗塚旭の土方歳三役に劣らない近藤勇役が適役だった事ですね。
by 扶侶夢 (2019-05-29 02:25)
中村竹弥さん、いましたね。
すっかり忘れていました。
by そらへい (2019-05-29 22:20)