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川津祐介、『事件狩り』や『白い牙』で影のある準主役熱演 [懐かし映画・ドラマ]

川津祐介、『事件狩り』や『白い牙』で影のある準主役熱演

川津祐介さん(かわづゆうすけ、1935年5月12日~)の誕生日です。おめでとうございます。大学在学中に、木下惠介監督の勧めで『この天の虹』(1958年、松竹)でデビュー。以後松竹映画に出演し、フリーとなってからは『ザ・ガードマン』や『ワイルド7』など、テレビドラマでも活躍しました。



川津祐介さんで印象に残るのは、『ザ・ガードマン』(1965年4月9日~1971年12月24日、大映テレビ/TBS)です。

ザ・ガードマン


倒産の近かった映画会社の大映が、最後に手がけたテレビドラマの一つです。(もうひとつは『おくさまは18歳』)

ザ・ガードマン
TBSチャンネルより

というのは、松竹時代は青春映画の爽やかな青年役が多かったのですが、テレビに来てからは、「敵役や癖のある準主役」(Wikiより)が多かったので、数少ない正統派の役でした。

事件狩り


たとえば、検事役として、司法修習生同期の石立鉄男弁護士と対決する『事件狩り』(1974年4月3日~1974年9月18日、大映テレビ/TBS)

事件狩り
TBSチャンネルより

川津祐介は、恋人がヤクザと関係したことで傷つき、以来、「悪いやつは絶対に許さない」という信念で、粛々と被告人を追い詰めるようになります。

川津祐介
https://japaneseclass.jp/trends/about/%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E7%8B%A9%E3%82%8A より

白い牙


松竹の後輩の藤岡弘と共演したのは『白い牙』(1974年4月6日~9月28日、大映テレビ/NTV)です。

警視庁捜査一課のエリート刑事(藤岡弘)が、暗黒街のドン(河津清三郎)が仕組んだ罠にハマり、その仲間に入った同僚刑事を正当防衛で射殺してしまいます。

白い牙
DVD『白い牙』より

藤岡弘は、仲間を撃った暗黒街と関わりを持つ悪徳刑事、という汚名を着せられて警察をやめただけでなく、婚約中だった同僚刑事の妹(鳥居恵子)とも別れます。

が、かつて藤岡弘に世話になった週刊誌記者(川津祐介)は、元ボクサー(藤巻潤)や、その元トレーナーで喫茶店店主(ジェリー藤尾)らとともに、事件屋として藤岡弘とともに仕事を始めます。

『事件狩り』と『白い牙』は大映テレビの制作ですが、あまりにも劇画チックな面が目立つ“赤いシリーズ”とは違い、今もマニアが少なくない秀作ドラマだと思います。

つむじ風


松竹の若手時代もひとつ振り返っておきますと、『つむじ風』(1963年)という映画に出ています。

風来坊の渥美清が、周囲の人達を手玉に取りながら、お金と結婚相手(冨士眞奈美)を獲得してまた彼方に去っていくという話です。

伴淳三郎と殿山泰司が、銭湯を経営する商売敵で、殿山泰司の息子役が川津祐介。

渥美清と川津祐介
DVD『つむじ風』より

伴淳三郎の娘が加賀まりこです。

さらに、伊藤雄之助や桂小金治なども、渥美清に上手に利用されます。

アクが強そうな人たちを揃えて、人の欲や本音を上手に引き出す中村登監督がうまくまとめています。

まあ、この作品については、渥美清や伴淳三郎など、どんな役でもなりきる巧さなど見どころはあると思いますが、それでも、冨士真奈美と加賀まりこに食われたかもしれません。

『つむじ風』渥美清が車寅次郎とは180度違う要領の良い男を好演
DVD『つむじ風』より

とくに冨士眞奈美はすばらしいですね。

冨士真奈美
冨士真奈美
ともにDVD『つむじ風』より

後に『細うで繁盛記』(1970年1月8日~1971年4月1日、YTV)では、意地悪なおばさんになってしまいましたが、

0-091215-04.jpg
http://rocks.studio-web.net/sd/aja/3-7.htm より

こういう時代もあったということですね。

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大病や大怪我、ダイエットなどでも話題に


川津祐介さんは、家族でCMやTV番組に出演されていましたが、怪我をして休んだところ、仕事がなくなってしまい、そうした出演も積極的に行うようになったと『こんなにヤセていいかしら』(青春出版社)で率直に述べています。

それ以外にも怪我や病気が多い方で、それがきっかけで、自らの世界観も「神」や「超能力」といった方向にシフトしたようです。

現在も、『川津祐介の神住まう家』(http://blog.livedoor.jp/kawazuyusuke/)というブログを書かれています。

同じ大病(ガン手術8回)をしても、エセ健康食品や心霊医療などを非難し、通常医療を推奨するなど、合理的精神を提唱する黒沢年雄のような場合もありますし、経験をいかなる価値観でとらえるかは人それぞれですね。

川津祐介さん、覚えていらっしゃいますか。

三回死んでわかったこと (小学館文庫)
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ザ・ガードマン シーズン1(1966年度版) 17 [DVD]
ザ・ガードマン シーズン1(1966年度版) 17 [DVD]



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犬眉母

「事件狩り」の相手は山口百恵さんですね。
by 犬眉母 (2019-05-12 02:44) 

末尾ルコ(アルベール)

川津祐介、『事件狩り』や『白い牙』で影のある準主役熱演・・・とても馴染みある俳優の一人です。しかし俯瞰してキャリアを知っている人ではなかったので、今夜のお記事は川津祐介という俳優を知るよい機会となりました。現在83歳で母と同い年なのですね。
それにしてもプロフィールを眺めてみると、俳優業以外の仕事や言動が目立ってしまいます。キチンキトサンに着目していたということもあったようですが、これ、健康食品に凝っていた父も注目しておりました。まあ父はいくつも健康食品を試していたのですが、わたしはそういうのは嫌いなので、「キチンキトサン」と耳にするだけで嫌な気分になりました。キチンキトサンって、今でもやっている人いるのでしょうか。
あと、60歳の頃に「余命3週間」と医師に告げられたとありますね。この宣告にどれだけの重さや確かさがあったかは分かりませんが、その後20年以上経った現在も存命で頑張っておられるのは立派だと思います。ただ著書の帯に「天国はある。地獄もある。」と書かれているのはどうかと思いますが(笑)。
出演作に関して言えば、案外鑑賞している映画に出ていたんだなとあらためて感じます。『けんかえれじい』『網走番外地 悪への挑戦』『眠狂四郎 人肌蜘蛛』『黒蜥蜴』『眠狂四郎 円月殺法』『黒薔薇の館』などは怒涛のように観ておりますし、近年では青山真治監督の『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』『サッド ヴァケイション』にも、(そう言えば、出ていたなあ)と思い出します。


・・・

>病院の人たちをびっくりさせる楽しみ

凄いお話です。心に奥深く突き刺さります。そうした素晴らしいことが起きたのも、一腹様の尋常ならざるご努力と愛情、そして「諦めない」というご信念あっての賜物なのだと、あらためて深く感銘いたします。
母は高知赤十字病院から合わせて4回目の転倒と、これはちょっと滅多にいないのではないかという意味では病院の人たちをびっくりさせていると思いますが(どうか「5度目」がないようにと、日々緊張しております)、病気勝ちで体が弱いとわたしも思い込んでおりましたところ、手術後すぐに執刀医から「お母さん、頑張ってくれいうよ」と言ってもらい、あるいはいろいろな場面で意外とちからが強いところを見せるとか、他の患者さんには見当たらないほど声が大きいとか、思いの外生命力が強いところを見せてくれております。それだけに転倒などで大きなダメージ、まして生命に関わる事故など絶対にしたもらいたくないところです。

>渥美清は、伴淳三郎にいじめられた

そのような人間関係を把握したうえで鑑賞するとまた違ったおもしろさが増しますね。そう言えばずっと昔(笑)に萩本欽一が映画雑誌のインタヴューで、「俳優たちのプロフィールはまったく知らずに観るようにしている」という意味の話をしておりました。わたしにはそのような鑑賞法は無理だし、欽ちゃんがどのくらい本気で語っていたかも定かではありませんが、(そんなふうに鑑賞したらどんな感じだろう)と興味は湧きました。つまり俳優として観るのではなく、すべて「物語の中の人物として観る」という方法ですよね。おそらく映画やドラマなどを観始めた最初期はそのような感覚だったと思うのですが、ちょっとその当時の自分がどう感じていたかには興味があります。あの頃はもう帰ってきませんが(笑)。          RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-05-12 02:59) 

pn

名前も顔も覚えてるけどなんでだろ?何に出てたって言う記憶が無い(^_^;)、金八?
by pn (2019-05-12 06:08) 

ヤマカゼ

昔でいうところのニヒルな役柄がにあっていた役者さんですね。
by ヤマカゼ (2019-05-12 08:31) 

扶侶夢

TVドラマでは車が空を飛ぶ(!?)「スパイキャッチャーJ3」というのがありました。当時007のヒットに便乗した和製スパイもので毎週見てました。
by 扶侶夢 (2019-05-12 13:57) 

Take-Zee

こんにちは!
ガードマン、懐かしいです。
毎週楽しんで見ましたね!
by Take-Zee (2019-05-12 16:24) 

プー太の父

前記事のことですみません。
私もあと半年で70歳になり、秋には免許証
切り替えなので高齢者の講習案内が着ていました。
いよいよ高齢者扱いに戸惑いもありますが
たしかに高齢になってからも3年ごとの免許証切り
替えはもう少し短縮するべきかもしれないですね。
いま仕事で毎日クルマを乗っていますが
仕事を辞めてクルマ乗る回数が減ると、あっと
いう間にカンが衰えてくるような気がします。

by プー太の父 (2019-05-12 16:24) 

ヨッシーパパ

子どもの頃に、良く視ていました。
by ヨッシーパパ (2019-05-12 19:33) 

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