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「実はそうですねん」大木こだま・ひかりはアイドル的風貌だった [芸能]

「実はそうですねん」大木こだま・ひかりはアイドル的風貌だった

大木こだまさん(1951年4月26日~)の誕生日です。おめでとうございます。大木こだま・ひびきといえば、上方お笑い大賞、上方漫才大賞の大賞を2度ずつ受賞しているベテラン漫才コンビです。

大木こだまにとっては、あまり思い出したくない話でしょうが、大木こだま・ひびき、というコンビの前に、大木こだま・ひかり、というコンビがあったことをつい思い出してしまいます。



昭和の50年代に、『お笑いスター誕生!!』(1980年4月12日~1986年9月27日、日本テレビ)という、お笑いタレントのオーディション番組がありました。

『スター誕生』と名前がついていますが、番組の内容は、萩本欽一が司会をしていた『スター誕生!』よりは、やはり日本テレビで放送されていた『全日本歌謡選手権』(←五木ひろしや八代亜紀が出た番組)に近いスタイルでした。


プロ・アマ問わず出場できて、持ちネタを披露。

鳳啓助、京唄子、赤塚不二夫、タモリ、東八郎らが審査員による厳正な審査で合否が判定され、10週合格すればグランプリというシステムです。

合格は、出場者の数に関係なく個々について判定される絶対評価でした。

有名な話ですが、B&B、とんねるず、ウッチャンナンチャン、小柳トム、イッセー尾形、ミスター梅介、でんでん、コント山口君と竹田君などが『お笑いスター誕生!!』出身です。

そこで、「じっくりとしたテンポ、間を大事にする正統派しゃべくり漫才コンビ」(Wiki)としては初めてグランプリをとったのが大木こだま・ひかりです。

ドツキ合いとか、体や性格をイジるとか、そうしたネタを一切使わなかったので、安心してみていられるすばらしい漫才でした。

ところが、グランプリはすぐに剥奪となりました。

10週目にチャレンジする収録現場に警察がやってきて、覚せい剤取締法違反(使用)で、ひかりを逮捕するというのです。

制作側は、逮捕を収録終了まで待ってもらい、大木こだま・ひかりは見事にグランプリ受賞。

その直後に、楽屋から出てきたところで大木ひかりは逮捕されました。

まるで『砂の器』ですね。

テレビ史に残るスキャンダルです。

土曜日の昼の番組だったので、ちょうど家庭用ビデオを購入したあたりでしたが、見られる時はオンエア時に見ているほど、私はこの番組のファンでした。

出場者の中で、誰が一番面白かったかというと、大木こだま・ひかりか、コント山口君と竹田君ではないかと思います。

手厳しい審査員の一人だった赤塚不二夫も、2組については、いつも大笑いしていました。

10週いくかなあと毎週番組を楽しみにしていたので、新聞で逮捕の報道が出たときはびっくりしました。

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https://matome.naver.jp/odai/2139875819180615401 より

思えば、大木こだま・ひかりは10週勝ち抜いたといっても、一気に勝ち抜いたのではなく、途中2回ほど欠場による中断がありました。

後の新聞記事によると、大木ひかりが覚醒剤のショック症状で胸を叩き、それが原因で入院したための欠場だったのですが、そのとき担当医が警察に連絡したため、逮捕につながったのです。

ちなみに、そのときの放送は、毎回5組出場するところを、大木こだま・ひかりの出演部分をカットして4組だけ流し、4組の審査が終わったところで、いきなりエンディングにうつるという編集を行っていました。

しかし、いくらうまく編集しても、司会の山田康雄と中尾ミエが「さよなら」と挨拶しているシーンで、一瞬ですが、くす玉の紙吹雪を全身に受けて挨拶している大木ひかりが映っていました。


それにしても、やっとこれからというときに、そのような不祥事でグランプリを剥奪された、大木こだまの心中察するにあまりあります。

相方が裏切るかたちで逮捕されて、せっかくのグランプリも剥奪されたら、普通はそこで諦めてしまうかもしれません。

やはり、大木こだま・ひかりの前にグランプリを取った、ギャグ・シンセサイザーというコンビも、メンバーの一人の不祥事でグランプリを剥奪されたら、コンビ解消だけでなく芸能界を廃業しました。

しかし、大木こだまは、そこで諦めませんでした。

Wikiには、その時の大木こだまの心境が書かれています。
上岡龍太郎が司会をしていた『エキスタ寄席』(朝日放送)に、コンビを組んで約4年のこだま・ひびきが出演した回があった(1985年4月放送)。絶頂から一転の悲劇でコンビ解散 一からのやり直しを余儀なくされたことで、相当な覚悟が必要だったのではないか、と上岡に質問されたこだまは、「確かにそうでしたけど思たんです。ここ(こだま・ひかり解散時)できれいに辞めるか、もういっぺん一から自分が新人の気持ちで頭を下げられるかで統計を取ったんです。そしたら、まだ自分は頭下げられる。自分より芸歴の浅い人の靴を揃えられる。そしたら漫才続けよう。そう決心しました」と答えた。

その後、真偽は定かではありませんが、新聞広告で相方を探したそうで、中田ダイマル・ラケットの孫弟子と、大木こだま・ひびきを結成。

新しいネタと芸風で、今日に至るわけです。

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苦悩と芸人としての軌跡は……


大木こだま・ひかり時代は、「チッチキチー」というギャグは使っていませんでした。

そして、今よりも、ずっとやりとりはスピーディーでした。

「じつはそうですねん」「昆布になっとった」というオチは今もよく覚えています。

長身でルックスも良かったので、逮捕がなければグランプリの実績を引っさげて人気ものになったのではないでしょうか。

大木こだま・ひかり
https://www.youtube.com/watch?v=uIuyk8SKiKI&t=1146s より

しかし、当時の活躍の動画は、ネットにも出てきません。

大木こだまさんの、苦悩と芸人としての軌跡を知るために、すでに遠くなっている昭和ですが、大木こだま・ひかり時代のお宝動画を久しぶりに見たいなあという気持ちもあります。

おやじブルース - 大木こだま
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末尾ルコ(アルベール)

「実はそうですねん」大木こだま・ひかりはアイドル的風貌だった・・・これは確かに驚くような事件ですね。ただわたしはこの事件のことも、そして「大木こだま・ひかり」という名前もまったく知りませんでした。そもそも『お笑いスター誕生!!』という番組を観た記憶がありません。日本テレビ系はネットがありますので、普通は放送しているはずなのですが、当時はさほど興味がなかったのかもしれません。赤塚不二夫とタモリが審査員というのは実に貴重ですよね。そして大木こだま・ひかりが昨今珍しいパターンの素晴らしい漫才をしていたというお話。それはぜひ見てみたいものです。

>逮捕を収録終了まで待ってもらい、大木こだま・ひかりは見事にグランプリ受賞。

つまり逮捕されることが分かっていてもグランプリを授与したということでしょうか。それとも審査員は逮捕について知らなかったとか。いずれにしてもショッキングなお話しです。

>大木こだまは、そこで諦めませんでした。

そう言えば最近グループ芸能人のメンバーが不祥事を起こすケースが目立ちますね。TOKIO、純烈、電気グルーブ、そしてAAAと。そのようなことも頭に浮かびました。いずれのグループも解散はしておりませんね。もちろん芸人コンビとこうしたグループはまったく異なる条件でしょうが、いずれにしても、「組んでいたメンバーの不祥事」の際に他メンバーがどのような方向性を見せるかというのは今後もいろいろなケースが出てきそうです。

・・・

>食品衛生責任者の資格までとった

へえ~、おやりになることが徹底しておられますね~。ひょっとしたら、ヒット商品ぎりぎりまで行っていたのかもしれません。

>小さく始めたほうがいいかもしれない

あ、これもわたしにとってよき叱咤とさせていただけそうです(笑)。なにせすぐに大風呂敷を広げるタイプですから。

>上品なアイスですね。

暑くなってくると『スーパーカップ』の方が美味しいですね。そろそろ差し入れにおにぎりとかお寿司を、とも考えていたのですが、圧迫骨折のために食べる時も上半身をやや反らしているので、今はまだ飲み込みやすいアイスやプリンがいいのだろうと判断しております。

>おかわりできるんですか。

わたしの書き方がわるかったようです。おかわりはできません(笑)。今は「食べない」という脅威は薄くなってきているのですが、差し入れもまだ許されてなくて困っていた時期、それでも母は気に入った一品なら食べるのですね。(これだけ食べなくて困っているのだから、気に入った料理のおかわりができれば・・・)というわたしの願望です。今後はいかに「普通の食事」に近づけていくかがポイントです。

昨日コルセット装着しました。これでリハビリが上手く進むようになればいいのですが。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-04-26 03:26) 

pn

山口君と竹田君は面白かったなぁ、でんでんとかも懐かしいっす。
by pn (2019-04-26 07:22) 

Take-Zee

こんにちは!
大木ひかり・・知りませんでした。
こだま・ひかりで新幹線だったんですね!

by Take-Zee (2019-04-26 14:56) 

step-iwasaki

当時リアルタイムで見ていました。
子供だったので詳細がわかりませんでしたが、よく分かりました。ありがとうございます。
by step-iwasaki (2019-04-26 18:10) 

ナベちはる

大木こだまさんは「チッチキチー」がすぐに思い浮かびますが、かつてはそれがなかったのですね…
by ナベちはる (2019-04-27 00:49) 

犬眉母

ワカメのギャグ、ありましたねー。
by 犬眉母 (2019-04-27 02:11) 

そらへい

大木こだま・ひびきの前に別のコンビがあったと
かすかな記憶がありましたが
そんなことがあったとは知りませんでした。
こだまさん、ああ見えて苦労されているんですね。
by そらへい (2019-04-29 20:49) 

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