SSブログ

マイティ井上、“和製マットの魔術師”の的確なレスラー評 [スポーツ]

マイティ井上、“和製マットの魔術師”の的確なレスラー評

マイティ井上(マイティいのうえ、1949年4月12日~)さんの誕生日です。おめでとうございます。175cm、105kgの体格ながら国際プロレス時代はIWA世界ヘビー級選手権、同タッグ選手権者として君臨して団体を支え、全日本プロレス時代はジュニアヘビー級の試合巧者として活躍しました。(上の画像はGoogle検索画面より)





プロレス界は、昭和時代を振り返る書籍発酵やイベントが手堅いようです。

それだけ昔が面白かったのか、それとも今のプロレスがつまらないのか。

その中でも、今や生き字引的存在として、インタビューやトークショーの出番がもっとも多いと思われるのが、マイティ井上さんです。

先日のトークショーもこんな感じで。


国際プロレスという、根強いマニアが今も存在する団体の出身であることや、団体の重要なチャンピオンを何度も経験している実績、そして何よりも、個々のプロレスラーに対する論評の確かさに定評があります。

若い時にヨーロッパ遠征を経験し、国際プロレスでは、IWA世界ヘビー級選手権、同タッグ選手権者として体の大きなヘビー級の選手と渡り合ってきました。

全日本プロレス移籍後も、同団体の一流レスラーと対戦したり、ジュニアヘビー級レスラーと戦ったりしており、戦ったレスラーの頭数とともに、プロレスの様々なスタイルも経験しています。

そして、レスラーの中では非常にクールでクレバーといわれていました。

大阪学院大学高等学校時代は、江夏豊の1年後輩になりますが、そういえば、どことなく顔も似ている気が(笑)

在学中に、国際プロレスのレスラー公募で合格して入門。

以来1998年までまる31年間、レスラーとして活躍後は、2010年までレフェリーをつとめました。


『実録・国際プロレス』(辰巳出版)の本人インタビューから、主なレスラー評を抜粋します。

ここからしばらくは、プロレスマニア対象です(笑)

往年の名レスラー評


新弟子時代は、大学巡りでアマレス修行。レスリング日本一だった明治大学では、1年生と同じ扱いで理不尽な思いをしたそうですが、そのとき4年生だったのが、「小さかったけど、強かった」(タイガー服部)。

「水泳をかじったぐらいで格闘技の経験はなくて、(中略)あいつはナマクラだったからね。もう、どうしてようもなかったわけですよ」(ヤス・フジ=藤井康行)

「今で言う投げっぱなしジャーマン食ったんですよ。(中略)まあ、こっちは1年半の若手だったのに、そんな技を使うなんて、ひどい男だなと思いましたよ(苦笑)」「ガニアの後にAWAの世界チャンピオンになって…ニックがなって、ロビンソンがなれなかったというのは性格的な問題もあったと思いますよ」(ビル・ロビンソン)

「あれも意地悪だからね(笑)実力はあったんでしょうけど、あまり好きなオッサンじゃなかったな(苦笑)」(ホースト・ホフマン)

「機動力があって、攻める時もやられる時もエネルギッシュなんです。コーナーにぶつけられた時に逆立ちになって、そのまま場外に落ちる受け身はスティーブンスが初めてじゃないですか。複雑なことはしないけど、動きがいいから試合にメリハリがあって、受け身も巧かったですよ」(レイ・スチーブンス)

「基本的には、オーソドックスなレスラーでしたよ。派手さはなかったけど、どんなタイプの相手にでも対応できる器量を持っていましたね」(ニック・ボックウィンクル)

「結構、力が強かったし、握る力も強かったですね。技的にはスリーパーホールド以外にドロップキックがスクリュー式の独自なヤツで巧かった」(バーン・ガニア)

「バションは短気な人ですから、試合中に何かちょっとでもあると、ガッと来るんですよ。(中略)そんなに技があるわけでもなく、ラフファイトに徹してましたよね。普段は優しい人間ですよ」(マッドドッグ・バション)

「トーア・カマタは、面白いオッサンというイメージしかないんですけどね(笑)(中略)リングを降りると大人しかったような気がしますね」(キラー・トーア・カマタ)

「僕のプロレス人生の中でも最高にタフな人間の一人です。頭も胸も背中も硬い…もちろん、鍛えたというのもあるんでしょうけど、やはりナチュラルな頑丈さがあったんでしょう」(ジプシー・ジョー)

「大木さんは身体が硬いし、受け身も下手だったし、そんなに器用な方じゃなかったですから、パンチなんかもどこに当たるかわかんなくてね。変なところを殴っちゃって、怒ったガイジンにメチャクチャ殴り返されたり(苦笑)」(大木金太郎)

マイティ井上は、自分がそうであったように、身体は大きくなくても巧いレスラーが好きだったんだな、ということがわかるインタビューですね。

これはもちろんほんの一部で、外国人、日本人とも他のレスラー評は『実録・国際プロレス』でごらんください。

スポンサーリンク↓

ポスターにも大きく出ていた中心レスラー


マイティ井上さんは、所属していた国際プロレスが、東京12チャンネル(テレビ東京)で月曜夜8時に中継されていた頃、そのすぐ後の枠で放送されていた『プレイガール』のレギュラーだった西尾三枝子と、自由恋愛なのか、話題性を狙ったものかはわかりませんが、結婚しています。

西尾三枝子
西尾三枝子さんのブログより(http://blogs.yahoo.co.jp/mieko1947nisi/folder/1230521.html

『プレイガール』に出演と言っても、お色気ムンムンという感じではなく、日活の青春映画出身で凛としたところがある、なかなかいい女優さんだったんですが、ほどなくして別れました。

当時は、新日本プロレスの藤波辰爾選手に対しても、芸能人との縁談を企画していたという話もありますね。

プロレスラーは、プロレスだけなく、私生活も虚実ないまぜにしなければならくて大変だなと当時感じました。

マイティ井上さん、昔は街で興行があるとあちこちに貼られていた国際プロレスのポスターには、大きく出ていたレスラーです。

プロレスには詳しくなくても、名前や顔はご存知のかたも多いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

実録・国際プロレス (G SPIRITS BOOK)
実録・国際プロレス (G SPIRITS BOOK)

不滅の国際プロレス DVD BOX
不滅の国際プロレス DVD BOX

忘れじの国際プロレス―国際プロレス解散から33年。語り継がれる魂の物語 (B・B MOOK 1018)

忘れじの国際プロレス―国際プロレス解散から33年。語り継がれる魂の物語 (B・B MOOK 1018)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2014/02/03
  • メディア: ムック



nice!(205)  コメント(6) 

nice! 205

コメント 6

犬眉母

現役が長くて実績十分の語り部は需要があるでしょうね。
by 犬眉母 (2019-04-12 02:25) 

末尾ルコ(アルベール)

マイティ井上、“和製マットの魔術師”の的確なレスラー評・・・昭和プロレス、しかも国際プロレスの話題となれば、思わず口元がほころんでしまいますし、日頃のストレス値がかなり低減されます。
その意味では国際プロレスの映像を、「癒し映像」として販売するのもありかもしれません(笑)。そしてマイティ!こうして見ると艶やかに黒光りする髪の毛が頼もしい。棚橋弘至にもぜひ見習ってほしいところです。
高知ですので国際プロレスの試合は普段観られなかったのですが、プロレス誌でやはりマイティのサンセット・フリップはいつも目を引かれておりました。しかもふくよかな腹部にサイケなタイツと、いやしかし、棚橋のサイケなタイツはマイティの直系かも!二人とも空中殺法を売り物にしておりますし。と、いろいろと出鱈目に膨らませることができるのも昭和プロレスの愉しさです。

>今のプロレスがつまらないのか。

わたしたちは昔のプロレスも今のプロレスも知ったうえで、「昭和プロレスの方がおもしろい」と確信しているわけですが、今のプロレスファンは普通昭和プロレスを知らずに(今のプロレス、最高!)と信じているわけで、このギャップは大きいですね。これは今の映画しか知らなずに「おもしろい」と言っている人たちと共通しています。

>どことなく顔も似ている気が

江夏をぼっちゃんにしたような感じでしょうか(笑)。どこかぼっちゃん(と言っても、夏目漱石作品とは関係なく)っぽいですよね。

>コーナーにぶつけられた時に逆立ちになって

ハーリー・レイスの十八番になってましたよね。よくこんなムーヴを思いついたものです。ニックは、技や試合運びには目立つような派手さはありませんでしたが、金髪を振り乱して戦う姿は非常に絵になりました。

>面白いオッサン

ポスターでも完全に「面白いオッサン」ですよね(笑)。よくこんな顔ができるものです。今で言う変顔ですね。つまりカマタは既に平静を先取りしていたことが実証されたわけです(笑)。

・・・

>遷延性意識障害と子供の高次脳機能障害の第一人者とコンタクト

素晴らしいですね。いっぷく様のご熱意あってのことだと思います。母の場合、入院中だけでなく、幸いにも退院して自宅でまた暮らせるようになれば、それからの生活などのこともいろいろありますから、お世話になっている病院関係者以外の医療関係者、そして病気のご経験者らのお話を伺う機会ももっと持ちたいと思います。

>私の心の中も地獄でした。

いっぷく様の過酷なご経験とは比べるべくもないですが、いわば「愛する人」の身体がどうにも制御が利かない状態になっているのを目の当たりにするのはとてつもない苦しみをもたらしますね。母のめまいは今までのところ収まっておりますが、めまいを訴えた当初は大したことだと感じてなかったのです。多少のめまいならわたしも時々ありますから。それが5分経っても10分経っても収まらない、「眼振があるねえ」と看護士が言っているのをわたしも覗いたら、確かに眼球が左右にかなりの速度で微動しているのですね。初めて見ましたし、(こんなことになっているのか・・・)と苦しかったです。              RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-04-12 03:11) 

pn

普通に見ていただけの者ですが、俺的には大仁田がなんちゃらデスマッチとかで火花出して血を流して泣いていた辺りから冷めましたねー。
by pn (2019-04-12 06:17) 

Take-Zee

こんばんは!
国際プロレスは何となく2軍という感じでした。
でも、そこの生き残りさんが、あの京子さんの
父上です。

by Take-Zee (2019-04-12 19:37) 

ナベちはる

名だたるレスラーからの評価、どれもマイティ井上さんの実力が伝わってくるようなものばかりですね。
by ナベちはる (2019-04-13 00:49) 

beny

 マニアックな選手ですね。

by beny (2019-04-13 15:48) 

Facebook コメント

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます