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特捜最前線『新宿ナイト・イン・フィーバー』に出演した赤塚真人 [懐かし映画・ドラマ]

特捜最前線『新宿ナイト・イン・フィーバー』に出演した赤塚真人

赤塚真人さん(あかつかまこと、1951年3月19日~)の誕生日です。おめでとうございます。時に茨城訛りを隠さない小市民役でたくさんのテレビドラマや映画に出演しましたが、今日は特捜最前線第80話『新宿ナイト・イン・フィーバー』(東映/テレビ朝日、1978年10月11日放送)を久しぶりに見ました。(画像はすべて『新宿ナイト・イン・フィーバー』劇中より)



赤塚真人を最初に見たのは、『でっかい青春』という、竜雷太が市役所の職員から高校の先生にいつの間にか転職する青春学園ドラマです。

その後、『おこれ!男だ』(1973年2月25日~9月30日、松竹/NTV)などちょいちょいドラマで見かけて、小市民としてのキャラクターは出来上がっていたように感じました。

そして、『同胞』(1975年、松竹)という山田洋次監督の映画では、東京の劇団のミュージカル公演を実現しようと奮闘する村の青年団員を演じたことで、実直な青年としてのイメージが確立しました。

しかし、俳優としての真価が問われるのは悪役です。

“実直な小市民”が、悪役を演じるとしたらどんな役柄だろう。

その答えになったのが、『特捜最前線』第80話『新宿ナイト・イン・フィーバー』(1978年10月11日放送)だったと思います。

特捜最前線第80話『新宿ナイト・イン・フィーバー』


ドラマ冒頭のシーンで、船村一平刑事(大滝秀治)がこうつぶやきます。

船村一平刑事(大滝秀治)

引き金さえ引けば確実に人が殺せる。そういうハジキが平凡なサラリーマンの手に入った。
もしかしたら恐ろしいのは、ヤクザよりも平凡な人間かもしれない。


どういうことか。

暴力団の抗争でヒットマンが組長を射殺し、すぐに逮捕されましたが、逃げる途中でゴミ箱に拳銃を捨て、それを労働者風の男が拾います。

が、その男もすぐに刑事に見つかり、男は苦し紛れに、今度はうだつのあがらない不動産営業マン(赤塚真人)のカバンに隠す……、というより捨てます。

うだつのあがらない不動産営業マン(赤塚真人)のカバンに隠す

その時点で、拳銃には弾が13発入っていました。

赤塚真人は自分のカバンに拳銃が入っていることに気づくと、それを復讐に使います。

赤塚真人

気が弱く、上司から罵られ、同僚の女性社員(佐野厚子)からはバカにされ、繁華街では高校生(内藤剛志)にカツアゲされ、訪問先では主人(関敬六)の子供にまで下男の扱いをされている赤塚真人は、誤って引き金を引いた誤射をきっかけに、「引き金さえ引けば確実に人が殺せる」武器の威力を自覚。

1回ヤッてしまうと、何人ヤッても同じだ、と考える赤塚真人は、短時間に次々「憎いヤツラ」を撃っていくのです。

津上明刑事(荒木しげる)は、犯行が、気の弱い不動産営業マンとはあまりにもかけ離れたものと考えますが、吉野竜次刑事(誠直也)はこう言います。

平凡だからやったんだよ。津上、俺達だってそうだったじゃないか。刑事になってすぐコレ(拳銃)を持つと歩き方まで変わってしまった。なんだかこう、デッカイ気分になって肩で風きって歩いたじゃないか。とにかく拳銃には不思議な「魔力」があるんだよ。

船村刑事の懸念どおり、突然手に入ったハジキが1人の男の人生を狂わせてしまったという話です。

赤塚真人の復讐に目を血走らせる“小市民の演技”が、実にリアルでした。

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それにしても、さすが特捜最前線

深い話だなあと思いました。

拳銃が今回使われていますが、拳銃というのはたとえ話なんです。

実はリアルな私たちの生活にも、水戸黄門の印籠のような絶対的な「魔力」を望む気持ちがあり、何かをそれだと信じ込むと、それを口実に他者との関係でマウンティングをとったり、断罪したりしていないか、ということです。

ネット掲示板で、不倫や失言など芸能人の些細な言動をもっともらしい建前や「正義感」でかさにかかって攻めたてたり、障害者への予算は国の経済が破綻するなどとうわべの浅はかな計算で「国を思う」自分に酔ったりするのは、きっとそうしたメンタリティと無関係ではないと私は思うのです。

赤塚真人さんの話に戻ると、桃井かおりがコックで奮闘した『ちょっとマイウェイ』(1979年10月13日~1980年3月29日、NTV)のコック役や、『男はつらいよ』の常連脇役などが印象に残っています。

赤塚真人さんはまだ現役ではありますが、これまでどんな作品が印象に残っていますか。

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コメント 12

犬眉母

弱い人ほど、何かのきっかけで
暴発するということでしょうか。
by 犬眉母 (2019-03-19 01:50) 

末尾ルコ(アルベール)

特捜最前線『新宿ナイト・イン・フィーバー』に出演した赤塚真人・・・山田洋次作品に多く出演しているのですね。しかも最近大きく感動した『寅次郎純情詩集』へも。ただ赤塚真人という俳優の存在や名前はもちろん知っておりましたが、いつものごとく(とほほ)顔と名前が一致しませんでした。プロフィールをチェックすると、かなりの出演作を観ておるのですが、赤塚真人の印象がないのです。いつもながらの観察力不足です。しかも近年の『武士の一分』や『母べえ』にも出演していますね。まったく印象がありません。わたしの観察眼にも困ったものです。
『新宿ナイト・イン・フィーバー』はテレビ朝日なのですね。高知では放送されなかっつたかもしれません。「フィーバー」という言葉が時代を感じさせてくれます。あ、でもこれは『特捜最前線』の第80話なのですね。それでは高知でも放送されていたかもしれません。

>拳銃には弾が13発入っていました。

設定としてとても魅力的ですよね。映画や小説などでも似たような設定を見かけます。設定を生かすか否かに作家の力量がかかっていると思うと、さらに興味が湧いてきます。このドラマ,「高校生の内藤剛志」というのがちょっと目を引きます。そんな自分からやっていたのですね。

>誰もが拳銃を欲しがり仮想拳銃を持ってはいないか

ヤフコメ欄やある種の掲示板などは明らかに仮想拳銃ですよね。浅はかな考え、足りない知識、下卑た人間性などを兼ね備えていても好き勝手なことを書ける「場」がそうしたネット空間です。


>せん妄ではないでしょうか。

軽いせん妄かもしれませんし、そもそもあまりに医療知識に欠けている母は、初日から酸素マスクを「これ、外していいのやろ」とか、とんでもないことを言ってました。もう一つ、認知症の症状はありませんが、80歳くらいから今まで大人として歯止めにしていたラインが曖昧になってきて、長年押し込めてきた感情を比較的好き勝手に吐露するようになっています。簡単に言えば、「こらえ性が希薄になっている」という状態が日常生活からありますので、体に着けられたチューブ類も(何でこんなものを・・・)と思い込んでいるのでしょう。でも今後はそれでは困りますから、少々悩んでおります。

とは言え、今はICUを出ることができるかが大きな難関です。昨日は午後2時半と7時半に母との面会でした。1回目はいい感じなのかなと思ったのですが、2回目はその時間で引き継ぎの看護士が左足の血流をなかなか取れなかったり、「順調ですか?」などの質問に対してややぼかしたような答えをしたりと、不安になりました。まあ2回目の時点でも術後1日は経ってないですから、焦っても仕方ないのですが。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-03-19 03:48) 

ヤマカゼ

みたことある俳優さんです。特捜最前線にでていましたか。
by ヤマカゼ (2019-03-19 06:22) 

テリー

偶然に手に入った拳銃で、殺人を犯していく。ありそうな設定で、面白そうですね。
by テリー (2019-03-19 07:22) 

pn

自動拳銃は素人は操作にまごつく気もする(笑)
by pn (2019-03-19 07:25) 

coco030705

やはり、拳銃は怖いですね!

by coco030705 (2019-03-19 09:53) 

旅爺さん

拳銃の弾を薬莢からくりぬいて鎖をハンダ付けして、
首飾りを作ってた昔が懐かしいです。その弾はどこからだったのだろう?。
by 旅爺さん (2019-03-19 10:15) 

tsun

青春ものと小悪党、そんなイメージの俳優さんです。
銃の射撃をしみて、これを人に向けるのは絶対でできないと思いました。
by tsun (2019-03-19 10:38) 

なかちゃん

赤塚真人さん、『寅次郎知床慕情』を思い出します。
その他青春ドラマでも何度も見たお顔だとは思いますが、ほとんど記憶にありません。
確かに小市民というか、真面目にやっているのに報われない漢字のイメージがありますね。

by なかちゃん (2019-03-19 14:48) 

Take-Zee

こんばんは!
この人知ってますが名前は知りませんでした。
同級生になります・・・

by Take-Zee (2019-03-19 17:54) 

ヨッシーパパ

なんとなく見たことのあるような、脇役の方ですね。
by ヨッシーパパ (2019-03-19 19:15) 

ナベちはる

拳銃がきっかけで人生が変わる…ドラマだから安心して見られますが、現実だったらそうもいかないのだろうなと思います。
by ナベちはる (2019-03-20 00:32) 

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