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『喜劇駅前開運』昭和40年代前半の赤羽駅を描いた風俗喜劇 [懐かし映画・ドラマ]

『喜劇駅前開運』昭和40年代前半の赤羽駅を描いた風俗喜劇

『喜劇駅前開運』(1968年、東京映画/東宝)が、BS11で来る3月5日(火)よる7時00分~8時52分に放送されます。見どころは、国鉄(現JR)赤羽駅の『開かずの踏切り』問題や、ゴミ焼却場をめぐる住民反対運動、東口と西口の商店街の確執など、喜劇らしからぬリアルな葛藤が描かれていることです。



喜劇駅前開運は、全24作中22作目です。

この映画については以前もご紹介しました。

北浦昭義、広島平和記念日に『喜劇駅前開運』で思い出す
『喜劇駅前開運』豊田四郎が描く赤羽近代化を巡る住民闘争喜劇

赤羽駅は、東北本線と赤羽線(埼京線)の2路線の駅ですが、東北本線と東海道線の一部を走る京浜東北線も走るため、駅前の踏切は“開かずの踏切”といわれました。

それが高架化で解消したのは、1998年4月26日のことです。

そこで踏切で遮断されていた東口と西口の商店街の対立をモチーフとしたのが、『喜劇駅前開運』です。

ゴミ処理場の住民反対運動、地下鉄誘致、東口と西口の地下道などの話が劇中出てきますが、全て実際にあった話です。

喜劇とついているのですが、まるでドキュメンタリーを見ているような緊張感すらあるブラック喜劇と言えるでしょう。

松竹蒲田撮影所出身で、文芸映画の巨匠といわれた豊田四郎監督作品ですが、風俗喜劇も得意としていました。

映画のラーメンが現実に


しかも、実際の出来事をストーリーにしただけでなく、逆に映画から現実社会に商品をリリースしたものもあります。

フランキー堺のスーパーが開発した、今風に言うショップブランドのインスタントラーメン、駅前ラーメンです。

駅前ラーメン

エースコックによって商品化され、フランキー堺がCMにも登場しました。

当時、明星チャルメラ(1966年)、日清出前一丁(1968年)と、パッケージに絵が入る商品がリリースされ、エースコックとしても、子豚のキャラクターだけでなく、パッケージいっぱいに絵の入った商品を作りたい気持ちはあったでしょう。

かつて『喜劇駅前飯店』では、エースコックのワンタンメンを劇中に登場させたこともあり、駅前シリーズとはつながりが深かったことも商品化につながったのでしょうが、いずれにしても、当時の喜劇駅前シリーズが人気映画だったことがうかがえます。

出演は、森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺のほか、池内淳子、沢村貞子、森光子、大空真弓、黒柳徹子、佐藤友美、野川由美子、藤田まこと、山茶花究、藤村有弘、小鹿番、北浦昭義、頭師佳孝など。

明日の夜7時です。ぜひご覧ください。
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素晴らしきファミリー


私は気が付かなかったのですが、倍賞姉弟のうちの一人である倍賞明さんが、今年の1月に亡くなっていたんですね。

長男の倍償鉄夫さんも亡くなっており、倍賞千恵子さんは過去に乳がん、倍賞美津子さんは直腸がんを経験。なかなか無病息災で長生きするというのはむずかしいものです。

訃報の際に、メディアで掲載されたものと思いますが、Facebookで話題になるほど、面影があってほほえましいので、掲載元不詳の転載御免で載せさせていただきます。

倍償家

Wikiにも倍償家のルーツなどが書かれており、優秀な遺伝子ではあったのでしょうけど、学歴や家柄などにこだわらず、まさに実力勝負で前向きにチャレンジする人生を教育された、ご両親が素晴らしかったのだろうと思います。

私は倍償ファミリーについて、のぞき見趣味ではなく、憬憬といいますか、こういう「ほしのもと」に生まれ、自分も親として“かくありたい”という思いで関心があったので、この一葉を拝見してすごく嬉しくなってしまいました。

遅くなりましたが、倍賞明さんの生前のご遺徳お偲び申し上げます。

喜劇 駅前開運 [レンタル落ち]
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映画と文学 交響する想像力

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末尾ルコ(アルベール)

『喜劇駅前開運』昭和40年代前半の赤羽駅を描いた風俗喜劇・・・これはまたおもしろそうですね。ぜひ鑑賞したいと思います。エースコックのワンタンって、おいしいですよね。わたしにとってワンタンの基準がエースコックなのです。本物のワンタンって食べた記憶がありません(笑)!エースコックのワンタンは、あのスープのオーソドックスな美味しさが抜群です。

>リアルな葛藤

喜劇にそうした状況を織り込んでいるのが、現在だからこそ新鮮ですね。今の映画はもうほとんど絵空事ですから。もちろん映画は現実逃避した内容もあっていいのですが、そんなのばかりでは辟易です。主軸となるストーリーやコミカルなシーン以外にも贅沢に多様な要素が織り込まれているのが昭和のこのような喜劇ですね。
豊田四郎監督は『雪国』が凄かったのですが、多くは観ておりません。『喜劇駅前開運』を含めていろいろ観たい作品があります。
それにしても『駅前ラーメン』の、「調味スパイス」というのがいいですね。何かすごく美味しくなりそうな雰囲気があるんですよね。

素晴らしきファミリー・・・向かって左端が倍賞千恵子ですよね。やはり子どもの頃から綺麗な顔立ちしておりますね。こういう女の子が近所にいたら、毎日ワクワクものですね(笑)。

山田洋次監督は、東大法学部出身なのですね。この度チェックして初めて知りました(笑)。最近、「山田洋次、山田洋次」と連呼している割には基本的プロフィールもまだ知らなかったという自らのお粗末ぶり(笑)いささか涙がちょちょ切れそうに(←昭和表現)なっておりますが。それはさて置き、ネットでは「70年代の『男はつらいよ』は傑作揃い」という意見も見かけました。そして確かに、映画賞をいろいろ受賞しているのは他の作品で、『寅次郎純情詩集』は特に受賞歴は載っておりませんね。ただわたしには、「寅次郎純情詩集」は(とにかく、何もかも凄い!)でした。まだ興奮しております(笑)。

>国民的映画であるがゆえの反発か

そうですね。「観ない人」「低評価を与える人」の理由にはいろいろあると思いましたが、一部映画ファンの間では、(まあ、庶民向け映画だから)という侮りはあると思います。わたしもかつて「観ない側」だったのでその辺はけっこう分かる感じですが、(いい映画だろうけれどシリーズ物だし、高級じゃないだろう)というスノッブ的な認識ですね。しかしここが大きな間違いだと、わたしは電撃を受けたように気づきましたので、遅まきながら及ばずながら、「寅さん応援団」の一人になろうと決意した次第です。

>手も洗ってなさそうなバイトの若造にネタに関わる仕事

確かにこれは異常ですよね。どんな仕事であっても、「バイトだけ」という時間帯は作るべきではないと思います。しかも生魚を扱う仕事ですからね。今回くら寿司などのバイトテロが露見したからというだけでなく、様々な職種の状況がどうなっているのか、社会的監視を強めていくべきでしょうね。ブラック企業の問題もありますからね。        RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-03-04 02:53) 

犬眉母

面影あり過ぎでホッとしますね。
by 犬眉母 (2019-03-04 05:23) 

pn

すごいな、一目で分かる!俺の子供の頃の写真見てみたいな(笑)
by pn (2019-03-04 06:18) 

ヤマカゼ

赤羽駅はバスで10分くらいの近くの駅ですが昔は本当に自殺と、開かない踏切で有名でしたね。
by ヤマカゼ (2019-03-04 06:30) 

Rinko

ラーメンのパッケージがレトロ感溢れていてとてもかわいい!(*´▽`*)

by Rinko (2019-03-04 08:32) 

Take-Zee

こんにちは!
日替わりのお天気が目まぐるしいですね・・

by Take-Zee (2019-03-04 11:08) 

なかちゃん

このラーメン、よく見もせずに『出前一丁』だと思い込んでしまいました。
ボクは見たことないような気がします。
朝ドラの影響?今はインスタントラーメンがブームなんですかね?いろんな売り場で売り出しをかけてますね。
by なかちゃん (2019-03-04 11:21) 

hana2019

小学校入学前に、父の実家のある栃木に越してきましたが…生まれたのは川口。
その後もこの映画が作られた昭和40年代前半くらいまでは、親に連れられて度々川口へは遊びに行っていました。
国鉄を降りてからは、赤羽駅からのバスです。
我が記憶に残る光景はわずかながら、赤羽駅周辺を描いた風俗喜劇、見てみたいと思いました。
by hana2019 (2019-03-04 17:20) 

ヨッシーパパ

赤羽の駅前には、足立区からチャリンコで、小学校の時に友人達とたまに遊びに行きました。
昭和40年代の後半になりますね。
by ヨッシーパパ (2019-03-04 18:48) 

ナベちはる

タイトルに「喜劇」と付いているのにそれとは遠そうな内容、実際の出来事だとのことで納得です。
by ナベちはる (2019-03-05 00:42) 

えくりぷす

たまたま今日のテレビで、赤羽が「本当に住みやすい街大賞2019」に選ばれたことを見ました。50年を経て、変わるものだなと思います。
by えくりぷす (2019-03-05 17:15) 

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