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坂田晃一、切ない心を優しく包み込むドラマ主題歌・挿入歌の作曲 [懐かし映画・ドラマ]

坂田晃一、切ない心を優しく包み込むドラマ主題歌・挿入歌の作曲

坂田晃一さん(さかたこういち、1942年2月10日~)の誕生日です。昭和から平成にかけて数え切れないほどのドラマ主題歌を担当しました。切ない心のありようを、ノスタルジックなメロディで静かに包み込んでくれる、心温まる曲が昭和の名作ドラマの主題歌にピッタリでした。(画像はGoogle検索画面より)



私がいちばん印象に残っているのは、やはり昭和の日本テレビ系で放送されたドラマの主題歌です。

『2丁目3番地』(土曜グランド劇場)




『2丁目3番地』(1971年1月2日~3月27日、NTV)の主題歌として歌われたのが『目覚めた時には晴れていた』。

倉本聰脚本。浅丘ルリ子と石坂浩二の共演が話題になりました。

2人が結婚したきっかけは、このドラマの打ち上げだそうです。

番組の打ち上げで、石坂浩二が浅丘ルリ子に膝枕して「もう会えなくなるのは寂しい、寂しい」と泣いて甘えていたのを、森光子にまたがって指圧をしながら倉本聰が見ていたという、なんだか楽屋裏が楽しそうなドラマです。

倉本聰は、その光景によほど感動したんでしょう。

離婚している2人を、『帯ドラマ劇場・やすらぎの郷』(2017年、テレビ朝日)で共演させてしまったのですから。

それはともかく、このときは赤い鳥が歌っていて、女性の平山泰代と新居潤子(山本潤子)がリード・ボーカルです。

ドラマが放送されていたのは、日本テレビ土曜日21時の“グランド劇場”という枠です。

思い起こすと、珠玉のドラマがたくさん出てくる素晴らしい枠でしたが、以後もこの歌は、挿入歌や主題歌に使われました。

その1年後に同枠で放送された『さよなら・今日は』では、朝倉理恵による挿入歌として使われました。

『さよなら・今日は』(土曜グランド劇場)





『さよなら・今日は』(1973年10月6日~1974年3月30日、NTV)は、日本テレビ開局20周年と銘打たれた、なかなか豪華なキャステングでした。

さよなら・今日は

浅丘ルリ子、山村聡、原田大二郎、小鹿みき、中野良子、栗田ひろみ、緒形拳、山口崇、林隆三、水野久美、原田芳雄、大原麗子、加東大介、山田五十鈴、藤村俊二、団次郎、名和真由美、緑魔子、森繁久彌、森光子、中村是好、織田あきら、近藤準、土井かつえ……

中野良子、栗田ひろみ、大原麗子など、当時上昇株の女優が勢揃いしていましたが、主役は浅丘ルリ子でした。

中野良子、栗田ひろみ、大原麗子

順位付けが苦手な私ですが、土曜グランド劇場枠でどれが一番かと聞かれると、この『さよなら・今日は』かなという気がします。

朝倉理恵

その1年後、やはり同枠で放送された、『二丁目の未亡人はやせダンプといわれる凄い子連れママ』の主題歌に起用され、伝書鳩が歌いました。

ちなみに、「二丁目の未亡人」はやはり浅丘ルリ子です。

『渚の女』





『渚の女』(1980年1月10日~1980年3月27日、よみうりテレビ)は、毎週木曜22時から放送されていた読売テレビ制作枠で、主題歌は山本達彦の『アゲイン』でした。

山本達彦の『アゲイン』

またしても浅丘ルリ子が主演です。

今度は双生児の二役で頑張ってました。

双生児の姉夫婦(山本學・浅丘ルリ子)が殺害され、遺産を手にした妹夫婦(古谷一行・浅丘ルリ子)の夫が、双生児を利用して、姉妹の入れ替わりがあったのではないかと、疑惑を抱く(日本テレビドラマ史より)サスペンス・ドラマです。

姉夫婦の殺害という設定以外に切った張ったシーンはなく、静かに淡々と進むストーリーで、「ああ、大人のドラマなんだな」と思いながら毎週観ていました。

『アゲイン』はオープニングではなく、ドラマが終わってエンドロールのバックで歌われていたのですが、切ない心や光景を、 ノスタルジックなメロディで静かに包み込んでくれる、叙情的な心温まるいい歌だなあと思いました。

このドラマの終了をもって“ドラマ木10”の枠自体が終了になり、木曜ゴールデンドラマという2時間ドラマが編成されました。

その意味で、古き良き1970年代の終焉を象徴する枠でした。

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ドラマ史上に残る作品に曲を提供


坂田晃一は、日本テレビ系専属というわけではなく、NHK大河ドラマ『おんな太閤記』(1981年1月11日~12月20日)や『春日局』(1989年1月1日~12月17日)、連続テレビ小説『おしん』(1983年4月4日~1984年3月31日)などドラマ史上に残る作品に曲を提供しています。

こうしてみると坂田晃一の主題歌なくしては、日本のドラマは成立しなかったと言っても過言ではありません。

それとともに、浅丘ルリ子がテレビドラマ史に貢献していることも改めてわかりました。

坂田晃一さんの作品で、印象に残るものはありますか。

坂田晃一 テレビドラマ・テーマトラックス - テレビ主題歌
坂田晃一 テレビドラマ・テーマトラックス - テレビ主題歌

アゲイン
アゲイン

あの時、この歌 ソングアルバム(1)

あの時、この歌 ソングアルバム(1)

  • 作者: 坂田 晃一
  • 出版社/メーカー: 全音楽譜出版社
  • 発売日: 1998/12/10
  • メディア: 楽譜


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コメント 11

犬眉母

アゲイン、いい歌でした。
by 犬眉母 (2019-02-10 02:15) 

末尾ルコ(アルベール)

坂田晃一、切ない心を優しく包み込むドラマ主題歌・挿入歌の作曲・・・リンクしてくださっている歌、視聴させていただきました。わたしは聴いたことなかったです。71年というと、わたしはまだ変身物などの方に興味が強く、大人向けのドラマとかは観てなかったのだと思います。それ以上に、まだ祖父母も同居しておりましたから、彼らはドラマは観てなかったと思いますね。父は概ね祖父母の言いなりで、母は内心大きな不満を持っていた時期だったと思います。そうした状況だったことを知ったのは、もうずっと後になってからのことですけれど。わたしはまだ幼かったので、それが普通と感じてました。テレビ視聴時間も、徐々に伸ばしてもらいましたが、「夜7時まで、8時まで、9時まで」と、9時の壁はけっこう厚かったです。祖父母が亡くなった後も、「人間(テレビ)ドラマ」というものには、父はほとんど興味なかったですし、どちらかと言えば避けておりました。母は当時は低血圧もあって、仕事(小学校教員)から帰り、食事をしたら、すぐ眠くなっておりましたので、ドラマを一緒に観たとかいうこともあまりなかったです。今は母はやや高血圧気味ですが。

>膝枕して「もう会えなくなるのは寂しい、寂しい」と泣いて甘えていた

へえ~(笑)、石坂浩二はそういう技(笑)を使うタイプなのですね。男と女はある程度甘え合うところがあっていいと思いますが、わたしはここまでのことはやりたくないタイプです(笑)。どこかこう、ハードボイルドな部分は残しておきたいのですね。まあ単に、わたしの好みですが。

>なかなか豪華なキャステング

すごいメンバーですね~。またまた今のテレビドラマが子ども用のおもちゃに感じられますね~。原田大二郎もこの頃はこれだけのキャストの中で堂々と名前を連ねていたのですね。後年はお笑い番組ばかり出ていた印象になってしまいました。
坂田晃一のキャリアをチェックしてみましたが、杉田かおるの「鳥の詩」はよく覚えております。『池中玄太80キロ』や『高校聖夫婦』の音楽も担当していますね。ただ、どんな音楽だったかは覚えてないのです~(笑)。こちらも音楽は覚えてないのですが、坂田晃一が担当して作品の中の『愛の嵐』という、映画で同タイトルの作品は、シャーロット・ランプリングの出世作なのですが、日本のテレビドラマでも何か覚えがあるなとチェックしましたら、何と昼帯寺までして、「谷本重美」と名乗っていた時代の小川範子が出演していたのでした(笑)。また一つ曖昧な記憶がクリアになった瞬間でした。


>ジャニーズのカレンダーは作らせないというあれデスね。

今は加えて、「秋元関係、撤退するぞ~」という圧力がかなり強くありそうです。これは類推の域ではありますが、乃木坂なんたらの写真集が大ヒットとか、コンビニで並んでいる雑誌や漫画誌の表紙やグラビアをちらっと見ただけでも、売り上げに秋元関係グループが大きな影響力を持っているのは明らかです。秋元関係はNHKにもしっかり根付いていますので、タチが悪いです。RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-02-10 03:21) 

ヤマカゼ

主題歌、挿入歌を聴くと、あの番組、映画があったなとすぐ頭に浮かばますね。
大事なパートですね。
by ヤマカゼ (2019-02-10 07:33) 

kou

懐かしいですね~。
主題歌ってドラマの顔だと思ってますので、とても大事ですね。内容は忘れても、主題歌はしっかり覚えているドラマがたくさんありますからね。

by kou (2019-02-10 07:41) 

pn

何気で浅丘ルリ子テレビに出てたんだなぁ、どうしても映画のイメージが(^_^;)
by pn (2019-02-10 07:55) 

扶侶夢

『2丁目3番地』は毎回観ていました。石坂浩二・浅丘ルリ子ご両人がフジテレビの『ラブラブショー』に登場した時に交際の切っ掛けはこの番組だった事を聞いたような気がします。主題歌も懐かしく思い出しました。
by 扶侶夢 (2019-02-10 12:43) 

caveruna

ドラマは、知りませんが、
山本達彦さんのふぁんだったので、
この曲は知ってます♪
懐かしい…久しぶりに聴こうかな^_^
by caveruna (2019-02-10 14:30) 

Take-Zee

こんにちは!
大雪の予報、外れてホッとしています。

by Take-Zee (2019-02-10 15:02) 

ヨッシーパパ

『さよなら・今日は』は、私の中学時代ですが、その頃は、ドラマは見ていなかったのか、記憶にありません。
by ヨッシーパパ (2019-02-10 19:14) 

なかちゃん

『目覚めた時には晴れていた』は、大好きでした。今でも歌詞カードがあれば歌えると思います。
あのドラマは大好きでした。
ただ、今から思うと難しいことは分からない年齢だったんですけどね(^^;


by なかちゃん (2019-02-10 22:04) 

hana2019

「2丁目3番地」のドラマは覚えていないのですが、赤い鳥が歌った「目覚めた時には晴れていた」は思い出せました。
赤い鳥の山本俊彦と潤子は「ハイファイセット」に。
奇麗な歌声で日本各地の子守唄、また70年代には数々のヒット曲を世に出し続けました。
平山泰代は後藤と「紙ふうせん」を、「冬が来る前に」もスゴク懐かしい一曲です。
ビリーバンバンの「さよならをするために」は長く歌い続けられる名曲ながら、菅原兄の方が病気で倒れたこともあり、現在の歌唱はちょっと聴いていられない辛いものがあります。
石坂浩二と浅丘ルリ子の結婚については、彼女が利用され捨てられたような、実際どうかはわかりませんけど。
石坂浩二は子供が欲しかったのでしょうか。だったら最初から女優との結婚など考えなかったら良かったのにと思ってしまいました。
by hana2019 (2019-02-11 00:19) 

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