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『春だドリフだ全員集合!!』三遊亭圓生と柳家小さんの共演 [懐かし映画・ドラマ]

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『春だドリフだ全員集合!!』(1971年、松竹)をご紹介します。ドリフの全員集合!!シリーズ(全16作)中の8作目です。出演者の中には、三遊亭圓生、柳家小さん、小柳ルミ子、ゴールデンハーフ、そして今日が命日の佐山俊二さんも出演しています。(画像は劇中から)



佐山俊二とは誰だ


佐山俊二さん(1918年9月13日~1984年1月30日)については、私は晩年しかわかりません。

佐山俊二さん

先日ご紹介した、由利徹、南利明、八波むと志の脱線トリオのうち、八波むと志が抜けたため、その代わりに入りましたが、トリオは間もなく解散しました。

映画『男はつらいよ』では、とらやのある商店街の越後屋で「相変わらずバカか」と寅次郎に言われて怒る役や、テキヤ仲間の役だったこともありました

ただ、テレビや映画より、舞台でうけた方のようです。

というのは、この方の得意芸は、今風に言うと、放屁カラオケだったのです。

テレビでは披露しづらいですね。

でも、1度だけ見たことがあります。

その佐山俊二が、日本舞踊の家元役で出演したのが、『春だドリフだ 全員集合!!』です。

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『春だドリフだ 全員集合!!』


『春だドリフだ 全員集合!!』は、なかなか真打ちになれない落語家(いかりや長介)が、今川焼き店夫妻(高木ブー、春川ますみ)の2階に、真打ちでもないのに抱えている内弟子(加藤茶)とともに居候。隣に住む今風に言うとプータロー(荒井注)の妹(長山藍子)に惚れてしまうことから起こるドタバタを描いています。

いかりや長介

池内淳子がマドンナだった『男はつらいよ寅次郎恋歌』との二本立て上映でした。

映画の『全員集合』シリーズは、松竹だけで16本作られていますが、その8本目です。

この話から、いかりや長介が主演、加藤茶が助演というスタイルが完全に確立します。

いかりや長介と加藤茶

2人が、時には親子であったり、時には師弟であったり、また時には親方と使用人であったりします。

テレビの『全員集合』が終わってから、いかりや長介は俳優として活躍しますが、その素地はこのシリーズで培われたのではないかと思います。

同じ「全員集合」でも、テレビの方とは違うストーリーものですが、志村けんが入る前のドリフが見られて、貴重なシリーズだと思います。

ドリフ

ただ、これもDVD化されていません。

昨年暮れにBS11で放送されたので、近いうちにまた放送されるかもしれません。

本作は、レコード大賞新人賞をとった小柳ルミ子が、2曲歌を披露。

小柳ルミ子

ゴールデンハーフも出演しています。

ゴールデンハーフ

時代を感じますね。

圧巻は、6代目三遊亭圓生と、5代目柳家小さんが共演していること。

6代目三遊亭圓生と、5代目柳家小さんが共演

これは、プロレスに例えるとBI砲(馬場と猪木)のようなものです。

なぜかというと、その後、この2人の考え方の違いで、落語協会から円楽系圓生一門が脱退しました。

柳家小さんは、人間国宝になりましたが、この映画は、いかりや長介の師匠役だった圓生のほうが出番が多く、また芝居も巧い。

圓生

映画を離れて、人間的な興趣も圓生の方がありそうですが、人間国宝に悪いかな。

落語ファンの方は、圓生と小さん、どちらに軍配を上げますか。

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末尾ルコ(アルベール)

『春だドリフだ全員集合!!』三遊亭圓生と柳家小さんの共演・・・落語にはまったく明るくないのですが、柳家小さんは味噌汁の「あさげ」のCMでよく見ておりました。もちろんどれだけ凄い人かは知らずですが、あの小唄のようなCMソングはすぐに覚えました。三遊亭圓生の方は残念ながら、まったく存じません。
ドリフの映画は最近数本鑑賞したしました。わたしが知らない頃のドリフを観ているというのが実に感慨深いです。考えてみたら、テレビの『全員集合』を観ていた期間はさほど長くなかったと思うのですが(比較的早く『刑事コロンボ』→プロレスと移行いたしました)、加藤茶のギャグにハマった印象はいまだ強烈です。当時の加藤茶の映像、今観てもなかなかおもしろいし、スターとしてのカリスマがありましたね。

>放屁カラオケだったのです。

これ、よく分かりませんが(笑)、すごそうですね。『春だドリフだ全員集合!!』はまだ観ておりませんが、今までに鑑賞したドリフ映画の大雑把な印象は、実に無駄のない濃密な構成、ドリフのおもしろさだけに頼るのではなく、映画としての魅惑も存分に愉しめる、ドリフはテレビで観るよりも、生々しくアクが強く、目が離せない・・・などです。比較すれば、テレビで大人気の時代はやはり、キャラクター化して、子どもの分かりやすくなっていたのだなと感じました。
小柳ルミ子はこうして見ると、若い頃からややクセのある顔をしておりますね。今はサッカー解説やってますよね(笑)。南沙織と天地真理の3人が強力なアイドルだったことはよく記憶しておりますが、わたしはこの3人のファンにはならず、麻丘めぐみ、そして少し後には林寛子へと向かいました。小柳、天地は子どものわたしには大人過ぎて見えていたのかもしれません。ゴールデンハーフのメンバーは、当時から「エバ」しか名前を覚えませんでした。思えば、不思議ですね。でも「エバ」は周囲の子どもたちもよく話題にしておりました。人気ありましたね。
というわけで、落語界の巨匠お二人への軍配は、不肖わたくしには不可能であると纏めさせていただきます(笑)。


>倍賞千恵子に対して「美人」という評価はしていなかった

それは何となく分かるような気がします。わたしも子どもの頃からずっと最近まで、「美人」とか「きれい」とかの言葉は倍賞千恵子に対して出てきませんでした。そうした言葉はやはり、松坂慶子や大原麗子、夏目雅子らに対してですよね。あと、池上季実子とか(笑)。

>すべて表現しているので

う~ん・・・。これは凄いお褒めのお言葉だと思います。確かに「深い作品・深い演技」ばかり毎日は観てられないですよね。私は今でも基本的に、ヘヴィーな作品の次は少々お軽い作品を観るようにしております。そういう時に昨今の中高生向けラブコメ映画とか観たりして、余計にストレスが溜まることもありますが(笑)。ヘヴィーな作品の次にはハリウッド製のお馬鹿アクションやお馬鹿ホラーがしっくり来ることが多いです。
倍賞千恵子にお話を戻しますと、深い信頼関係のある山田洋次こそ、その実力はもちろん、その美しさも初期の段階で理解していたのかなと・・・まあこれはまだ『男はつらいよ』にも未見作があるわたしが語ったりするのは僭越すぎますが、ぱっと見の派手さがないだけに、その美しさはより深く、謎めいて見えると、このところ凄く感じます。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-01-30 03:03) 

ヤマカゼ

どちらの師匠もなつかしいですね。
by ヤマカゼ (2019-01-30 06:28) 

pn

覚えてるのは小さん師匠っすねやっぱ。永谷園の味噌汁でしたっけCMは?あれの印象が(笑)
by pn (2019-01-30 07:21) 

えくりぷす

六代目圓生と五代目小さんでしたら、芸としては圧倒的に圓生師匠が好きです。ネタが多くて、至る所で笑えますし、人情噺にはほろっとさせられます。小さん師匠は滑稽話がお得意だったですが、あんまり笑った覚えはないかな。圓生師匠にも初めて天皇陛下の前で、御前落語を演じたという勲章があります。
ただ、小さん師匠は、若い頃から人格的にたいへん優れた方だったようで、弟子に限らず、感銘を受けたという話は聞きます。反対に圓生師匠は、芸に厳しすぎるあまり、軋轢も多かったようですね。
by えくりぷす (2019-01-30 10:03) 

kohtyan

懐かしい顔が出てきますね。
50年前でしょうか、青春時代でした。
by kohtyan (2019-01-30 11:19) 

Take-Zee

こんにちは!
圓生に小さん・・すべてが名人を思わせる
立ち振る舞いでしたね。 懐かしいなあ!

by Take-Zee (2019-01-30 16:38) 

ヨッシーパパ

ドリフの映画は、よく見ていました。
ゴールデンハーフの黄色いさくらんぼ、懐かしく思い出しました。
by ヨッシーパパ (2019-01-30 17:28) 

なかちゃん

佐山俊二さん、いったい誰?なんて思ったんだけど、寅さんで見ましたね。
食堂の親父とかで寅さんも登もお金がなくて、もしかして食い逃げ??みたいになったシーンかな???
それ以外にも出ておられるかもしれませんね。

by なかちゃん (2019-01-30 18:18) 

そらへい

ドリフの映画、「男はつらいよ」と
二本立てだったとは知りませんでした。
by そらへい (2019-01-30 20:41) 

足立sunny

人間性とか他のことはわかりませんが、落語だけでしたら三遊亭圓生に軍配が上がるというか、自分は圓生のほうが好きですね。もちろん、好みの問題でしょうけれど。
by 足立sunny (2019-01-31 00:16) 

ナベちはる

ドリフと「男はつらいよ」の二本立て、意外に感じました。
by ナベちはる (2019-01-31 00:34) 

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