船戸順、岩井友見と結婚前は『奇々怪々俺は誰だ?!』など東宝映画で活躍 [東宝昭和喜劇]
船戸順さん(ふなとじゅん、1938年11月26日~)の誕生日です。13歳年下の岩井友見とはおしどり夫婦であるといわれ、夫婦共演で長らくキャベジンのCMに出演していました。映画時代は東宝の俳優として、テレビに活動の場を移してからは主に悪役として活躍しています。
ネットで「船戸順」を検索すると、「岩井友見の夫」として、「おしどり夫婦」であることの理由が芸能人トレンドアフィリブログで説明されています。
岩井友見が、撮影中の落馬事故で左目を失明。
舞台では、共演者の船戸順がサポートしてくれたことがきっかけで結婚したと。
実はそれだけでなく、船戸順は1度病気で倒れているのです。
以来、仕事をセーブして養生できたのは、日本舞踊正統岩井流宗家である岩井友見の経済力があってこそ、ということで、お互い助け合って「おしどり夫婦」といわれるようになったのでしょう。
何年か前に見たワイドショーの「お宅拝見」では、大田区池上本門寺の近くのマンションの1階の部屋を全部買って、ぶち抜いて使っていましたね。
私も何度も実物を拝見しましたが、あのへんはまさに一等地ですから、掛け値なしの億ションです。
さて、船戸順は、もともと東宝の映画俳優でしたが、そのときに、谷啓主演の『奇々怪々 俺は誰だ?!』(1969年、東宝)に出演しています。
労働組合の代表として谷啓社長と渡り合う
『奇々怪々 俺は誰だ?!』は、東宝のクレージー映画において、古澤憲吾監督と共にメイン監督として活躍した坪島孝監督の作品です。
古澤憲吾監督が、ややタカ派的で破天荒な演出を好みましたが、坪島孝監督は、どちらかというと反体制な、“東宝の山田洋次”と名付けたくなるような作り方でした。
特撮ファンには、クレクレタコラの監督としておなじみです。
Google検索画面より
その坪島孝監督は、クレージーキャッツの中では谷啓がお好みのようで、谷啓主演でファンタスティックコメディーを、本作含めて3作撮っています。
その三部作の最終作が、『奇々怪々 俺は誰だ?!』でした。
どこにでもいる平凡なサラリーマン・鈴木太郎(谷啓)には、ある日突然、鈴木太郎を名乗る別の人物(犬塚弘)が現れ、会社だけでなく家庭で妻(横山道代)までもが、別の人物の方を鈴木太郎と認識しているため居場所を失います。
自殺しようとした時、知り合った女性(吉田日出子)に励まされながら、
『奇々怪々 俺は誰だ?!』(1969年、東宝・渡辺プロ)より
自分探しの旅をしているうちに、頭のおかしな鈴木次郎、殺し屋の鈴木三郎、鈴木太郎が勤めていた会社の重役である鈴木四郎などにされてしまいます。
その鈴木四郎は社長になるのですが、太郎であることを否定された腹いせに、社内にモーレツな労働強化を課し、文句を言いに来る労働組合の役員が船戸順です。
『奇々怪々 俺は誰だ?!』(1969年、東宝・渡辺プロ)より
若い頃は、ちょっと二枚目の演技もしっかりした役者でしたね。
『三部作』の他の二作は……
ちなみに、その三部作の、他の二作ですが、ひとつは『クレージーだよ奇想天外』(1966年、東宝)。
『クレージーだよ奇想天外』より
これは当時、東宝の興行収入や観客動員の新記録を打ち立てたそうですが、けだし、文句無しの傑作でした。
宇宙人(谷啓)が、地球人の事故にあった人(桜井センリ)に乗り移って、地球人としての生活をします。
『クレージーだよ奇想天外』より
マドンナは、星由里子です。
『クレージーだよ奇想天外』より
乗り移ったという点では、邦画版の『天国から来たチャンピオン』(1978年、アメリカ)のようなものですが、
作られたのは『奇想天外』の方が先です。
もうひとつは、『空想天国』(1968年、東宝)です。
自分の部屋にある、カエルのぬいぐるみと会話することで、自分自身の判断を決めるような気の弱いうだつの上がらないサラリーマン(谷啓)が、空想と現実を行き来しながら、自己実現を果たす話です。
『空想天国』より
マドンナは酒井和歌子です。
『空想天国』より。この泣き顔がすばらしいのです
ファンタスティックと言うと、子ども向けの「魔法」や「変身」ものをイメージしがちですが、大人向けのファンタスティックコメディとはどんなものかを、この三部作は見せてくれています。
未見の方は、ぜひ機会がありましたらご覧ください。
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船戸順、岩井友見と結婚前は『奇々怪々俺は誰だ?!』など東宝映画で活躍・・・船戸順はあまり記憶にないのですが、岩井友見はテレビドラマでよく観てまして、いまだに印象に残っているのが、何のドラマかは忘れましたが(笑)、「もう、おばあちゃんだよお」という台詞です。その台詞を言う岩井友見がぜんぜん「おばあちゃん」じゃなくて、しかもはにかみながら言ったものですから、ドラマの内容はぜんぜん覚えてないのに、そのシーンだけはしっかりツボとして記憶しているのです。だからその頃の岩井友見はわたしにとってかなりツボの女優だったのは間違いありません。
『クレクレタコラ』って、わたし、名前は子どもの頃から知っておりましたが、このような造形だったとは、記憶になかったです。フジテレビで5分間番組だったのですね。高知では放送してなかったと思います。子供向け雑誌か何かで知ったのでしょうね。わたし、こういうの大好きですから、観ていたらハマったこと間違いなしです。アニメよりも着ぐるみの実写の方がウケる確率が、個人的には高いのです。
『クレージーだよ奇想天外』は傑作なのですね!それはぜひ観たいです。谷啓も単独で大スターだったのですね。それにしても星由里子の綺麗なこと!!!非の打ち所がないお顔立ちですね~~。う~ん(←感無量 笑)。
ウォーレン・ベイティって、日本での人気はイマイチなのですが、米国を含め世界的には『天国から来たチャンピオン』がとてつもないヒットをして、それ以来ハリウッドでの立場や発言権が飛躍的に伸びたということですね。確かに大人の上質なコメディでした。
『空想天国』・・・う~ん(←酒井和歌子のお写真を見て、感無量 笑)。何と言いますかこう、星由里子にしても酒井和歌子にしても、この当時の二人が現在の芸能界にいたら、ぶっちぎりですね!酒井和歌子のこのヘアスタイルがいいんですよね~。しかもこのように泣かれでもしたら、「君の涙をぬぐうためなら、厚さ100mの鋼鉄だってぶち破ってみせるよ!」とか、できもしないことを(笑)口走ってしまいそうです。
>ATG映画を指定作品
わたしも高校時代にATGの存在を知りましたが、こうした映画の世界があることを知っているだけでも違いますよね。人間的、精神的な自由度が上がると言いますか、映画に限らず、芸術関係の大きな役割はそこだと思います。
>いきなり昔の映画や昔の女優から入るというのはちょっとむずかしいのでは?
ですよね~(笑)。わたしちょいちょい極端な方向へ走る時がありますので、ご指摘でハッとさせていただきました。映画自体を観ない人にいきなり小津安二郎は、それこそその人のトラウマになってしまうかもしれません(笑)。知らない人に薦める時の順序とか段階についてはもっとフレキシブルに考えてみたいと思います。
>今週はムカつく奴のことが頭から出ていかずに不調でした。
そういうの、ありますよね。最近は多少少なくなりましたが、わたしも生涯ムカつくヤツがいきなり心の中で浮上することしばしばで、夜もなかなか眠られなくなりました。よく「嫌な人間に対する本当の復讐は、そいつを忘れることだ」とか言われますが、そう簡単にはそんな心境にはなれませんでした。かと言って、本当に何らかの復讐を考えるのも(笑)馬鹿馬鹿しいし、もちろん法に触れることはできないですし、けれどそいつらには幸福な人生を送ってほしくないし、だからと言って、現在は完ぺきに没交渉になっているので、現状どうなっているか知る機会もないし・・・とまあ、「ムカつき」だけは生々しくて、それに対して何もできないのがジレンマですよね。いまだに中高時代にムカついた奴らに対する感覚も生々しいですし。その時代のムカつきに対しては、当時は自分もまったく未熟だったので、まるで上手く対処できなかったということを、どう考えても詮無いのですが、(あの時、こう対応しておれば)とか想像してしまいます。こうした負の経験や感情は、創作物にして昇華させるのがとても有効だと思うのですが、それが簡単にできたら世話ないわけで(笑)、悩ましいところです。 RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2018-11-26 02:36)
キャベジンのCMに出てた人なんすか?これっぽっちも記憶に無い(^_^;)
むかしのCMって出てた人と記憶の中の人が違う事がたまにありません?
by pn (2018-11-26 06:18)
キャベジンのCMかすかに記憶にあります。もう忘れてましたね。
by ヤマカゼ (2018-11-26 06:25)
おはようございます!
谷啓さんは横浜市内の出身でしたか?
by Take-Zee (2018-11-26 06:41)
おはようございます!
谷啓さんは小学校から横浜へ移り六浦尋常小学校へ通う[2]。1945年4月に旧制逗子開成に。
調べ直しました。 小学校は私の母校です。
by Take-Zee (2018-11-26 06:44)
三部作、昭和感に溢れていてどれもおもしろそうですね^m^
by Rinko (2018-11-26 07:50)
船戸順さん、テレビで顔は見たことありますが、芸名さえも知らない程度です。すみません。
谷啓さんの映画、どれも観てみたいですね(^^)
by なかちゃん (2018-11-26 08:33)
おはようございます。
拝見させていただいている記事でいつも思うのは、いっぷくさんの作品や出演者の方々などへの強い想いです。
しかし、残念ながら、今回の記事では私は谷啓さんしかわかりませんでした。
最近の映画などで「〇部作」という作品が世に出ていますが、こういうのって昔からあったことなのですね。
by チナリ (2018-11-26 09:15)
岩井友見さんといえば、仁科亜季子さんのお姉さんですよね。記事を拝見して、姉妹で夫婦生活は対照的のように思えました^^;
by えくりぷす (2018-11-26 09:20)
「クレクレタコラ」、インパクトのあるキャラクターですね。釘付けになってしまいます。
by ナベちはる (2018-11-27 00:28)