SSブログ

『喜劇婚前旅行』東京長崎間寝台特急『さくら』とちゃんぽんの話 [懐かし映画・ドラマ]

201811040112.png

『喜劇婚前旅行』(1969年、松竹)をご紹介します。なぜなら、11月3日は「ちゃんぽん麺の日」だからです。本作は、東京ー長崎間寝台特急『さくら』の車掌(フランキー堺)と、いきつけのちゃんぽん店の娘(倍賞千恵子)の話です。



11月3日、ちゃんぽん麺は召し上がりましたか。

私がいただいたちゃんぽんは、いつもの、大森イトーヨーカドー、フードコートのリンガーハットでした。

リンガーハットの長崎ちゃんぽん

土曜プラス祭日だったため、フードコートは席を確保するのが大変でした。

イトーヨーカドー大森店3階のフードコート

さて、「ちゃんぽん麺の日」は、長崎の食文化である「ちゃんぽん」をPRしようと、長崎県生麺協同組合が文化の日を記念日に制定したそうです。

「ちゃんぽん」の語源については、2つの説があるとされますが、どちらも中国(福建語)由来です。

1.「吃飯」若しくは「吃飯了」(「飯は食ったか?」)から来ているとの説
2.「混ぜる」を意味する語から来ているとする説


先日、中華の日にちゃんぽんをいただいたところ、ちゃんぽんは中華なのかとのコメントがありましたが、ちゃんぽんは長崎に形成された唐人町を発祥と(いうことに)して、こんにちまで続いている食文化なのかもしれません。

まさに、その頃の長崎を舞台とした時代劇といえば、『長崎犯科帳』(1975年4月6日~9月28日、ユニオン映画/NTV)を思い出します。

『長崎犯科帳』
『長崎犯科帳』22話より

池田一郎脚本、渡辺祐介監督、オープニング・エンディングタイトルバック演出:実相寺昭雄、主演は萬屋錦之介。

この陣容が面白くないはずがありません。

台詞には長崎弁(肥筑方言)が使われていますが、『仁義なき戦い』がそうだったように、方言によるやりとりは様式美なのです。

これはまた、詳しくご紹介できる機会をつくりたいところです。

今日は、長崎のちゃんぽん店を舞台にした、『喜劇婚前旅行』(1969年、松竹)をご紹介します。

スポンサーリンク↓

『喜劇婚前旅行』


『喜劇婚前旅行』(1970年、松竹)は、脚本が舟橋和郎、高羽哲夫が撮影、そして瀬川昌治監督による、『喜劇大安旅行』に続く旅行シリーズ第2弾です。

喜劇婚前旅行

今回のフランキー堺は、東京ー長崎間寝台特急『さくら』の専務車掌です。

父親役の伴淳三郎はまた機関士ですが、今回はあまり出番はなく、乗務のシーンはありません。

今回からは、フランキー堺の息子役で森田健作がシリーズに参加します。

役は、フランキー堺と同じ電車に乗る客室乗務員。

自宅(長崎)近くにある、ちゃんぽん店の姉妹が、倍賞千恵子と江美早苗。

倍賞千恵子

江美早苗

マドンナは野添ひとみです。

野添ひとみ

観光映画であり、鉄道映画でもあり、ラブコメでもあります。

そして何より、本作VHSビデオテープを発売しているAmazonのレビューにもありますが、「彼らの背景に流れる今はなき、『昭和の匂い』に優しく引き込まれ」る作品です。
https://www.amazon.co.jp/%E5%96%9C%E5%8A%87%E3%83%BB%E5%A9%9A%E5%89%8D%E6%97%85%E8%A1%8C-VHS-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%BC%E5%A0%BA/dp/B00005ILV9

圧巻は、伴淳三郎、フランキー堺、森田健作の3人に、家政婦役のミヤコ蝶々を加えた晩御飯で、フランキー堺が漬けたとされる「カブの漬物」を、みんなでおいしく食べながら笑いが絶えない「茶の間」のシーン。

伴淳三郎

当時は、暮らしのありふれた一場面として撮っているはずですが、今それを見る人は、そこに資料的叙情的価値を見出すことでしょう。

これも残念ながらDVD化されていないので、リクエストを出しつつ、CSとBSの番組表と毎月にらめっこです。

劇中画像転載元
https://www.youtube.com/watch?v=v00J7djoavY

喜劇・婚前旅行 [VHS]
喜劇・婚前旅行 [VHS]

長崎犯科帳 VOL.1 [DVD]
長崎犯科帳 VOL.1 [DVD]

イトメン チャンポンめん 5食パック
イトメン チャンポンめん 5食パック

さよなら“さくら” 寝台特急3000キロ 日本縦断の旅 [DVD]

さよなら“さくら” 寝台特急3000キロ 日本縦断の旅 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ビコム株式会社
  • メディア: DVD


nice!(244)  コメント(11) 
共通テーマ:映画

nice! 244

コメント 11

末尾ルコ(アルベール)

『喜劇婚前旅行』東京長崎間寝台特急『さくら』とちゃんぽんの話・・・ちゃんぽんの店に若き日の倍賞千恵子がいらっしゃれば、わらしもきっといきつけたことでだと思います。ちゃんぽんについては分かりませんが、長崎で発達した食べ物には、外国から伝わったものが当地で独自の発展をしたというケースがけっこうありますよね。日本人の舌に合うように、そして手に入る食材と相談しながらアレンジを加えられ、じょじょに定着していったのでしょうね。

>観光映画であり、鉄道映画でもあり、ラブコメでもあります。

観光映画、鉄道映画と呼ぶべきジャンルも見当たらなくなりましたね。ラブコメはありますが、ほとんどが漫画を原作とした女子中高生向け。特に地方では、大人の男性が映画を観ないのです。昭和の時代から淀川長治さんが、「日本の大人の男は映画を観ない」と嘆いていたのですが、もっともっと映画を観て、センスを磨いてほしいですよね。特にこうしていっぷく様がご紹介してくださる作品のレヴューを呼んだ方は、即刻鑑賞の段取りをしていただきたいところです。このように一流のスタッフ・キャストによる喜劇映画からは、約90分間笑って愉しみながら、実にいろいろなものを学べるのですよね。本当に、「映画を観ない人たち」はもったいない人生を送っていると思います。

>伴淳三郎、フランキー堺、森田健作の3人に、家政婦役のミヤコ蝶々

素晴らしいですね~。いつもながらの分厚いキャスト。比べると(笑)、今の日本映画、力のない若手に偏ったキャストの作品が多いです。豊穣な過去作品と比べると、どうにも貧しいのですよね。それは制作費の問題だけではないのだと思います。

>本人も棒読みがわかっているらしく

わたしは、『澪つくし』は観てなかったのですが、件の(笑)『竹取物語』が衝撃的で、市川崑ともあろう監督がしかも大作で主演沢口靖子とは・・・まあ東宝の方針だったのだから仕方ないのでしょうが。ラストででっかいUFOは出てくるし、まああれはあれで青春の1ページだったのかもしれませんね(笑)。ただ沢口靖子は、棒読みに関しては衆目の一致するところでしたが、「やたらと美人」という評価もありましたよね。まあ確かに普段周囲では見かけないほどの整った顔立ちではありましたが、色香とかはまったくで、しかも棒読みの声が甲高いんですよね。

>どう感情を込めればいいかわからないときは、つっけんどんに強く言い放つ

なるほどです。まあ当時の後藤久美子と比べれば、現在の広瀬すずらの方が、美貌でも演技でも力があるのではという気はします。

江波杏子が亡くなりましたね。この人の若い頃の出演作はあまり観てないのですが、やはり中年以降のイメージとはまったく違いますね。妖しい美貌が際立っております。「妖しさ」という要素も今の俳優たち、そして作品自体にも欠けている部分なので、江波杏子の若き日の出演作にも大いに興味があります。渡哲也も闘病が大変で、長男がいろいろ世話をしていると報道されておりますが、この人も比較的若い頃から重い病に悩まされており、弟の渡瀬恒彦は先に亡くなりましたし、それこそかつての名優たちがいなくなっていくのは寂しいものです。「大女優」だけでなく、「名優」という言葉も、当て嵌まる俳優がこの先どれだけ出てくるのか・・・。こうした言葉をできるだけ使わせないという雰囲気、いわば、「上のものを引き摺り下ろしたい」社会的意識の強さも感じます。   RUKO


by 末尾ルコ(アルベール) (2018-11-04 02:29) 

犬眉母

伴淳三郎、フランキー堺、森田健作で、親子孫三代は
ちょっと年が近いかもしれませんね。
by 犬眉母 (2018-11-04 02:44) 

こんちゃん

ちゃんぽんの日とは知りませんでした。
昔の映画やドラマって主役は綺麗な女優さんなんですが男は今のようなイケメンって訳ではないですね。
by こんちゃん (2018-11-04 08:15) 

pn

まかないみたいな感じだったってどこかで聞いたから1の説が有力だね間違いない(笑)
それは置いといて、「お茶の間」での「食事」ですかぁ。
寺内貫太郎みたいに畳の上でみんなで飯食うなんて事してる家庭はもう無いんでしょうね。
by pn (2018-11-04 10:29) 

Take-Zee

こんにちは!
過日、この年になって初めてリンガーハットに
寄って見ました。 美味しかったですね。

by Take-Zee (2018-11-04 15:11) 

ヨッシーパパ

普通車両の夜行列車には、スキーに行くときに乗ったことがありますが、寝台特急は、まだ、乗ったことがありません。
寝台特急もどんどん少なくなってしまっていますので、1度は乗ってみたい物です。
by ヨッシーパパ (2018-11-04 18:51) 

ヤマカゼ

ちゃんぽんの日があるなんて知りませんでした。
by ヤマカゼ (2018-11-04 20:10) 

ナベちはる

ちゃんぽんの日があることも知りませんでしたが、その「ちゃんぽん」の由来として2つ説があって、その両方が共に中国語から来ているというのも知りませんでした。
by ナベちはる (2018-11-05 00:30) 

うつ夫

伴淳さんのポットに昭和を感じます。
by うつ夫 (2018-11-05 01:32) 

hagemaizo

なんと豪華なブログに出会えたのでしょう。
幸せ楽しくて、涙が滲みます。
ラーァメン、ほらワンタンワンタンチャーシューメン、フランキーさんのホームベース笑顔がはっきり出てきました。
ありがとう。
by hagemaizo (2018-11-05 07:11) 

Rinko

11月3日はちゃんぽん麺の日なんですね!
食べたくなってきましたー^m^
by Rinko (2018-11-05 08:09) 

Facebook コメント

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます