穂積隆信さんの訃報で、過去に書いた関連記事の参照数が増えています。『積木くずし』自体の関心も高いのだろうと思いますが、一部には穂積隆信への先入観から一方的に否定する意見もあったので、それに対する私の考えを述べておきます。(上の画像は上段がGoogle検索画面より)
穂積隆信関連記事です。
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『積木くずし 最終章』あまりに悲しい積み木の真相
この記事は、So-netブログの、アクセスランキング・デイリー部門で1位になったこともあるので、
『積木くずし』自体に対する関心の高さもあるのだろうと思います。
以前もご紹介しましたが、『アサヒ芸能』(2013.11.7特大号)によると、ドラマ最終回の視聴率ベスト10で、『積木くずし』は第1位なのだとか。
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小川真由美らが語った『積木くずし』など人気ドラマ最終回
一応、視聴率ランキングも引用しますが、
1,積木くずし(TBS)
2.水戸黄門第10部(TBS)
3.半沢直樹(TBS)
4.ビューティフルライフ(TBS)
5.熱中時代(日本テレビ)
5.太陽にほえろ!(日本テレビ)
5.家政婦のミタ(日本テレビ)
8.3年B組金八先生(TBS)
9.ひとつ屋根の下(フジテレビ)
10.GOOD LUCK(TBS)
(以下割愛)
となっています。
その原作である穂積隆信著『積木くずし』ですが、『積み木くずし~親と子の200日戦争』『続・積み木くずし』『積み木くずし崩壊 そして…』『積木くずし 最終章』と、4冊上梓されています。
内容は、自分の家庭の苦悩と崩壊を告白。
書籍は300万部を超えるベストセラーになりました。
ただ、一方で、自分の家族を暴露するとはけしからん、という意見もすでに当時からありました。
それだけでなく、穂積隆信に対する悪印象から、『積木くずし 最終章』にかかれていることなど嘘に決まっている、と決めつける批評もありました。
どういう内容か、4冊の内容を、かいつまんで簡単にご紹介します。
1.穂積隆信の娘・由香里が「不良少女」となった
2.そこからいったんは立ち直るが、書籍のヒットで穂積隆信が講演で全国を走り回るうちに再び覚醒剤生活へ転落した
3.由香里も妻も亡くなったが、妻と借金取りによって財産はすべて持ち逃げされ、穂積隆信には借金だけが残った
4.由香里は、亡くなった妻が借金取りとの間に作った不倫の子だった
5.妻とはロケ先で出会ったが、母親の代から愛人を職業とする女性で、きれいだったため当時から男がいたその人を好きになり、1ヵ月後にその人が手紙をよこしたからといって、ろくに知らないまま結婚してしまった。
6.穂積隆信は再婚したが、新しい妻は脳梗塞で倒れ、高次脳機能障害者となったため介護する生活を余儀なくされた
7.だが、車椅子生活である今の妻との生活でやっと人間らしさを取り戻した、という流れです。
しかし、前妻の悪事や、由香里が不倫の子というのは、穂積隆信の作り話だというレビューが少なくありません。
どうして、穂積隆信の作り話といえるのでしょうか。
たぶんその人たちは、他人に寛容であるがゆえに他人にだまされ、翻弄されるという生き方が理解できないのではないでしょうか。
もちろん、穂積隆信という当事者の書き物である以上、バイアスがかかっていることはあるでしょう。
講演生活で、舞い上がったのも事実かもしれません。
しかし、妻子が亡くなリ、あれほど講演と印税で稼いだはずなのに財産らしきものは見当たらず、再婚妻が車椅子生活となり余生を棒に振ったことなどはすべて事実です。
いずれにしても、あまりにも悲しい“積木の真相”でした。
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三枚目の悪役で人気
俳優としての穂積隆信は、以前はシリアスな二枚目の悪役もあったのですが、いつからか、声を裏返して絶叫したり、下品に笑ったりするコミカルな悪役の仕事が多くなりました。
漫画チックな三枚目は、『男はつらいよ 寅次郎恋歌』(1971年、松竹)で、博(前田吟)の兄を演じたときが契機になっているのかもしれません。
寅次郎に「はい、笑って」といわれて、喪服で墓の前で笑ってしまったシーンがあります。
プライム・ビデオより
博は三男で、もうひとり兄(梅野泰靖)がいたにもかかわらず、穂積隆信のほうがその役を演じたのです。
そして翌年、当たり役と言われた、『
飛び出せ!青春』(1972年2月20日~1973年2月18日、NTV、東宝、テアトル・プロ/NTV)の教頭役を演じました。
日テレプラスより
もっとも、三枚目的悪役は、「根は悪い人ではない」というキャラクターになっています。
忌み嫌っていた不良生徒のサッカー部の試合を見に来て、最初は悪口を言っていたのに、
日テレプラスより
石橋正次が決勝のシュートを成功すると、地面に突っ伏して嬉し泣きしていました。
日テレプラスより
この穂積隆信・柳生博コンビは当時大ウケで、『
われら青春!』や、坂口良子版『サインはV』にも出演しています。
穂積隆信さんは生前、「医学の発展のため、(遺体は)献体してほしい」と希望しており、大学病院で献体に回されたそうです。
穂積隆信さんの生前のご遺徳をお偲び申し上げます。
積木くずし 最終章
男はつらいよ 寅次郎恋歌 HDリマスター版(第8作)
名作ドラマBDシリーズ 飛び出せ! 青春 Blu-ray-BOX(5枚組 全43話収録)
>車椅子生活である今の妻の生活でやっと人間らしさを取り戻した
果たして、気の毒なのかいいことなのか。
by 犬眉母 (2018-10-21 02:40)
穂積隆信さん、妻子は亡くなリ再婚妻は高次脳機能障害だった・・・俳優としての穂積隆信は、いろいろ出演作を観ていると思うのですが、やはり絶大なインパクトだったのはテレビドラ『積み木くずし』。わたしも全話観たと思います。後の「ニャンニャン写真」の件はさて置いて、あのドラマの高部知子の演技は秀逸でした。今ではああいうドラマはなかなか作れないし、あのような演技もなかなかできないでしょうね。当時一部では高部知子を大竹しのぶの再来的に語る向きもあったと記憶しております。エディット・ピアフは歌ってませんでしたが(笑)。高部知子は「わらべ」のメンバーでもありましたね。「ニャンニャン写真」の後、テレビへ出られなくなった期間に欽ちゃん番組で電話をかけて、当人が涙ながらに何か語ったことも思い出しました。そしてさらに思い出しましたが、映画版は渡辺典子でしたよね。渡辺典子の路線も大迷走中だった印象です。
穂積隆信の私生活についての記事はあまり詳しく読んだことありませんでしたので、(いろいろ言われてるなあ)というくらいの印象でした。今回リンクしてくださっている過去のお記事も拝読させていただきました。
>嘘に決まっている、と決めつける批評もありました。
わたしは今夜のお記事を拝読するまで詳しいことを知りませんでしたので判断はできませんが、自分の気に入らないことは「嘘」と決めつける人たちが多くおりますよね。そして自分の気に入らない人や物事に対しては、根拠もなしにいくらでも貶めまくるという頭の悪い人たちの、三浦瑠璃(←テレビへ出過ぎが気に入りませんが 笑)言うところの「人民裁判」の対象となってしまった俳優の一人だとも言えるかもしれません。
俳優として穂積隆信については、これまた主役級以外の俳優にフォーカスできていなかったわたしの過去の偏った鑑賞癖のゆえに、「この作品のこの演技が」とすぐには語れないのです。しかし今後過去作品を鑑賞している時にまた穂積隆信に出会うことも多々あるでしょうから、しっかりとその姿を観ていきたいと思います。
あべ静江についてお書きになっておられる過去のお記事、拝読いたしました。『青春ド真中!』ってしかし、「青春もの」の中でもすごいタイトルですね(笑)。『青春とはなんだ』であれば、いささか哲学的響きがございますが、『青春ド真中!』となると、(いったい、どういう状態なのだ!)と想像してしまいます。しかもそれがドラマのタイトルであれば、(ここまで断言するからには、余程すさまじい青春に違いない!)と、特に子供時代なら想像が膨らみますね。
しかし当時のあべ静江が女教師というのは既にそれだけで反則攻撃ですよね(笑)。こんな女教師が存在したら、マクロン大統領のように猛烈アプローチ、そして自分が成人した暁にはめでたく・・・なんてこと、10代のわたしができるわけないですが(笑)。それにしても比較的早く美貌が失われたのは残念でした。しかも現在、「ゲームをやりたいので眠る時間が惜しい」とか言ってますし、あまり知的とは言い難い方のようで(笑)。あべ静江の年齢でそこまでゲームにはまるっていうのも少々珍しいのかなと思います。
>由美かおるは、歴代12人の青春学園ドラマに出てきた女教師の中で、もっとも存在感のないどうでもいい人でした。
へえ~、それは意外ですね。由美かおるが教師という設定だけでもワクワクするのですが、青春ものに合わなかったのでしょうか。そう言えば、緩やかにお気に入りの有村架純が『中学聖日記』(笑)で教師を演じておりますが、まったく教師には見えません(笑)。 RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2018-10-21 03:37)
ドラマでは前田吟が穂積隆信役でしたよね?その前田吟のお兄ちゃん役をやっていたとは何かちょっと面白い。
しかし何をもってして嘘と決めつけるのかねぇ、猿岩石なんて嘘をつかされてたのにさも本当の如く書かされた挙句暴露されてさぞ辛かっただろうに。
by pn (2018-10-21 07:46)
こんにちは(^-^*)/
憎々しい役の多い役者さんでしたね。
つみきくづしが記憶に残っています。
by Take-Zee (2018-10-21 08:22)
名優が次々と旅立たれて、昭和も遠くなりました。
by kohtyan (2018-10-21 09:44)
『飛び出せ青春』は憶えています。『男はつらいよ』は『恋歌』ではなくて、『口笛を吹く寅次郎』で、やはり博の兄役で出ておられたのを憶えています。
積木くずしは見てませんが、壮絶なラストだったんですね。
by なかちゃん (2018-10-21 13:19)
『積み木崩し』一歩間違えれば、
当事者となりかねない世界だと思います。
大ぴらに批判する人は余程の自信があるのでしょうね。
by kiki (2018-10-21 14:36)
みなさん、コメントありがとうございます。
>果たして、気の毒なのかいいことなのか。
>by 犬眉母 (2018-10-21 02:40)
気の毒だけどいいこと、なんでしょうね。
脳障害の介護は大変なんです。
でも、この生活が悪く書かれていないので
前妻との生活(悪い妻だった)の記述にリアリティを感じました。
穂積隆信さんの本を疑う人は、論より証拠で
是非高次脳機能脳障害の人の介護を経験してください。
by いっぷく (2018-10-21 15:13)
穂積隆信さんと穂積ぺぺさんと混同している時期がありました。
by ヨッシーパパ (2018-10-21 16:15)
娘の転落は穂積隆信が悪いと一方的にいわれますが、「夫」だけに責任を押し付けるのはいかがなものかと。
by うつ夫 (2018-10-21 17:06)
みなさん、関心があるのですね。
ランキング1位、凄いです…
by ナベちはる (2018-10-22 00:20)
こちらの記事を読むまで、穂積隆信氏の死を知りませんでした。とても残念です。「積み木くずし」は有名ですが、暗いイメージなので、ボクはドラマも本も見たことはありません。穂積氏といえば、やはり「飛び出せ!青春」の教頭先生ですが、忘れがたいのは、「われら行動派」というドラマです。当時、アフロヘアでこのドラマに出演していた中村雅俊さんのマネをして、パーマをかけたものでした。中村雅俊さん役の岩倉ちゃんが下宿する家の大家さん役が、穂積隆信氏でした。「町をきれいに」と背中に書いたトレーナーを着て、頑張っている元気なオジサン役でありました。
by レインボーゴブリンズ (2018-10-22 22:16)