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『スター誕生!』(日本テレビ)が47年前に放送開始された日 [芸能]

『スター誕生!』(日本テレビ)が47年前に放送開始された日

『スター誕生!』(1971年10月3日~1983年9月25日、日本テレビ)というテレビ史、芸能史に残るオーディション番組が放送開始された日です。あれから47年たちます。56組がデビューしましたが、今は何組残っているのでしょうか。



1970年代から80年代前半にかけて、『スター誕生!』というオーディション番組が日本テレビ系で放送され、今も活躍する人を含めて多くのタレントがデビューしました。

番組のシステムは、各地域で勝ち抜いた人が、毎週7組(人)ずつ『テレビ予選』に出場。

そこで、会場と審査員の採点で合格した人が決戦大会に進出します。

決戦大会では、歌った出場者が一人ずつお立ち台の前に立ち、そレコード会社やプロダクションのスカウトマンが、その人材をほしければプラカードを挙げるというシステムで始まりました。←後に司会者が代わってルールも多少変更がありました

『スター誕生!』の経緯は、当時の“ナベプロ帝国”から始まります。

“ナベプロ帝国”とは、タレントを何百人も抱え、メディアやレコード会社を牛耳っていた渡辺プロダクションの力を表現したものです。

政財界にも強力なコネクションを持つとされ、批判はタブー視されました。

その巨大オフィスのナベプロがあるとき、日本テレビの人気歌番組『NTV紅白歌のベストテン』に対抗して、同じ曜日と時間帯にNETテレビ(現・テレビ朝日)の『スター・オン・ステージあなたならOK』という競合番組を始めるといい出しました。

しかもナベプロ側は、「(紅白歌のベストテンの)放送時間をずらさないのなら、うちのタレントは出演させない』とまで通告。

売れっ子タレントを抱えるプロダクションの強引さは、どことはいいませんが今も昔も変わりません。

ただ、当時のテレビマンやクリエーターたちが今と違うのは、それに屈せず、「出さないのならそれで結構、ではこちらでタレントを作りましょう」という発想を持ったことです。

そんな経緯からスタートしたタレントスカウト番組が、あの『スター誕生!』なのです。

阿久悠氏の『夢を食った男たち』(文春文庫)という書籍によると、当初は「ノド自慢」感覚で参加する素人に番組関係者はヘキエキしたものの、タイトル通りに番組から次々スターが誕生することで、たんなる番組の成功に留まらず、プロダクションとレコード会社、もしくはプロダクション同士の力関係など、芸能界の秩序や価値観が根底から大きく変化したと振り返っています。

番組が軌道に乗ったのは、デビューした歌手が成功したからで、その点で、森昌子、桜田淳子、山口百恵の『花の中三トリオ』の存在は大きかったのではないでしょうか。







阿久悠氏によると、森昌子は、「小柄というより子どもの体型で、垢抜けない髪型、多少ウェーブのかかったオカッパであったと記憶しているが、似合うも似合わないも、ただ校則に従っているという感じで、そこからスターを予感させるものなどは、何もなかった」そうです。

森昌子
Google検索画面より

ところが、『涙の連絡船』を歌い始めると審査員たちは、「思わず腰を浮かし、一瞬表情を緊張したものに変え、やがて、深い深い溜息をついて微笑で顔を覗き合う状態になるまでいくらも時間がかからなかった」(同)という見事な歌声で、13社のプラカードが上がる初代最優秀賞(グランドチャンピオン)に輝きました。

一方、桜田淳子は、「神がかり的なことを言うようだが、至極平凡な少年少女の輪の中で一人だけ、浮き上がって見える、あるいは、淡い蛍光色に光るように思える少女がいた。演出を心得ているのか、白いベレー風の帽子をかぶっていて目立ったが、大人の興奮が白い帽子で誘われるものではなく、彼女自身が発散している、彼女自身も気づかぬ何かが立ちのぼっているとしか言いようがなかった。/それが桜田淳子だった」(『夢を食った男たち』)

桜田淳子
Google検索画面より

一目でスターの佇まいを感じたそうです。

もうひとつ、やはり萩本欽一と井上れい子の司会も良かったと私はおもいます。

萩本欽一は、「不遇な身の上の人は運が溜まっている」という持論から、母子家庭の山口百恵や清水由貴子に対して期待をしたと後に述べています。

清水由貴子さん

裕福な家庭の子弟が、金やコネを使ってデビューするのではなく、家庭的には恵まれない人が夢を実現していく、というテーマを番組に持たせたことで、当時私も、別に自分が歌手を目指しているわけではなかったのですが、ついチャンネルを合わせて、番組を見て前向きな気持になろうとおもったものです。

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『花の中三トリオ』ももう還暦


ブログの過去記事を振り返ると、『スター誕生!』や『花の中三トリオ』については、こんなに書いていました(汗)

【2010年~2012年】
戦後史上3番目にレコードを売った山口百恵
山口百恵・三浦友和、32年目も「記念日」が騒がれるのか
『スター誕生!』と桜田淳子の40年
山口百恵と桜田淳子、萩本欽一が40年ぶりに激白

【2013年】
70年代アイドル、トップを飾ったスタ誕3人娘
「若い人」ヒロインの桜田淳子の主題歌がリリースされた日
山口百恵は40年前に『としごろ』でデビューした
桜田淳子、一夜限りのステージ復帰で振り返る“青い鳥”の軌跡
山口百恵、引退33年目の近況写真が話題に
桜田淳子、突然復帰の理由は……

【2014年】
山口百恵に復帰してほしいですか?

正直申し上げると、『花の中三トリオ』の個々の歌手に特別な思い入れはないのですが、やはり私の世代では、その存在自体に重要な意味があったのかもしれません。

ちなみに今年還暦を迎える3名の近況は、山口百恵こと三浦百恵さんは義両親献身介護、桜田淳子は芸能活動再開に意欲的、森昌子は個人事務所で再ブレークだそうです(『日刊ゲンダイ』2018年5月17日付)

『日刊ゲンダイ』2018年5月17日付
山口百恵さんは義父母献身介護、還暦『花の中三トリオ』の近況

もちろん、『花の中三トリオ』以降も多くの歌手がデビューし、とくにピンクレディーは、レコードセールス生涯通算1位の金字塔を打ち立てました。

ピンクレディー
Google検索画面より

今は、テレビ番組の求めるタレント像が変わってきているので、このような番組はもう作れないと言われていますが、それだけに、デビューした人たちにはいつまでも頑張っていただきたいものです。

画像転載元
森昌子 https://www.daily.co.jp/gossip/2017/07/19/0010384965.shtml
桜田淳子 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/223233
山口百恵 https://ameblo.jp/fkearth/entry-12016735721.html
藤正樹 https://www.youtube.com/watch?v=nxUdOwyTh_w
城みちる https://balooninthesky.tokyo/archives/776
伊藤咲子 https://blogs.yahoo.co.jp/nsrpp579/62562954.html
片平なぎさ https://torendo-ebacyan.com/haiyu-jyoyu/9197/
岩崎宏美 https://芸能人の子供情報.com/
新沼謙治 https://c799eb2b0cad47596bf7b1e050e83426.cdnext.stream.ne.jp/img/article/000/207/132/a79eb3ac04100ed99f9f129312310caf20170609133035058.jpg
萩本欽一 https://www.asagei.com/

夢を食った男たち―「スター誕生」と黄金の70年代 (道草文庫)
夢を食った男たち―「スター誕生」と黄金の70年代 (道草文庫)

小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム 名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏

小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム 名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏

  • 作者: 萩本 欽一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/01/24
  • メディア: 単行本


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コメント 15

犬眉母

思わぬ人が、「あ、この人もスタ誕出身?」ということもありましたね。
by 犬眉母 (2018-10-03 01:54) 

末尾ルコ(アルベール)

『スター誕生!』(日本テレビ)が47年前に放送開始された日・・・同番組で最も印象的だったのは、ブログ記事へも書きましたが、ピンクレディーのデビューでした。「見せてもいい下着」という概念がなかった時代でしたので、ひじょーに刺激的でしたです。そして山口百恵とマッハ文朱のエピソードは、番組で観たかどうかは記憶にありませんが、漫画とかにもなってましたから、よく知っておりました。マッハ文朱はすごくメジャーでしたよね。

>批判はタブー視されました。

これはもう本当に困りますよね。

>当時のテレビマンやクリエーターたちが今と違うのは

やはり現在とはまったく違うのですね。こういうことは若い人たちももっともっと知るべきですね。現在のテレビがいかに酷い状況なのか。まあマスメディアのレベルは国民レベルの反映でもありますから、それだけ国民レベルも下がってしまったことを自覚すべきなのかもしれませんね。もちろん「かつて」よりも「今」の方がよくなっている要素も少なからずありますが、「人間の自力」は明らかにレベルが下がっています。
ところでこしてあらためて『花の中三トリオ』の姿を見せていただいて、わたしがこのアイドルにまったく興味が持てなかった大きな理由の一つが明確になりました!三人ともヘアスタイルがわたしの好みとかけ離れております(笑)!三人とも妙に髪の量が多過ぎて、しかもゴワゴワ感が!この点においてこの3人は、わたしの中で(かつての 笑)キューティクルが輝きまくる岩崎宏美に大差をつけられていたのです。

RIZINのサイトを見ると、おののかなどは「メインキャスター」として掲載されているのですが、やっていたことは放送中に「キャー、キャー」言うだけ。まさしく「視聴者を舐めている」といったところです。

年を重ねるにつれて「顔が変わる」という現実を人間は受け入れていくべきなのですが、特に芸能人だとあまりに変わってしまったらツラいものがありますね。年を重ねて「顔がよくなる」場合もありますし、今後の人類(笑)そうした方向で進んでいくべきであると、得意の大風呂敷ですが(笑)、わたしはそう望んでおります。もちろんそれは、「美魔女」とかいう浅薄なものではなくてという感じで。
そう言えば山本富士子ですが、YouTubeに次のような動画(静止画?)があって、こういうのを作るのもどうかとは思いますが、山本富士子といえば、もんのすごく(笑)美しい大女優の一人というイメージなので、さすがに(う~ん)という感じは否めません。

https://www.youtube.com/watch?v=wKvu-z57nT4

山本富士子はわたしが子どもの頃はまったく知らず、若き日の映画を観始めたのは比較的最近で、(こんな美しい女優が!)と驚いただけに、やや物悲しいところはあります。中村玉緒なんかも「変わった」女優の一人だと思いますが、若き日とバラエティ番組中心になってからとはもう「別人」という感じですよね。声まであんなに変わるかなあと、不思議なところはありました。
ただフランスの例を出せば、シモーヌ・シニョレや、特にジャンヌ・モローは、若き日の魔性の女そのものの美貌が失われたのは早めだったのですが、その後も長きに渡って大女優として君臨し続けまして、日本にもこんな人が出てほしいのですが。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-10-03 03:02) 

ヤマカゼ

自分の年を感じさせます。中学の時、この番組にでた女子同級生がデビューするかどうかまでいったのですが、結局デビューせず。なつかしいですね。
by ヤマカゼ (2018-10-03 06:21) 

pn

ひでぇなナベプロ。
屈しなかったテレビマンは今をどう見ているのだろう。
by pn (2018-10-03 07:39) 

すーさん

前記事にあったチャンネル12ですが
ワタスのチューナーではダメみたいでした><;。
面白そうなDVDの放送だったのに〜^^;。。
も少ししたら今の回線やめる予定なので
そのときに再チャレンジしてみま〜す。
by すーさん (2018-10-03 08:07) 

Rinko

スター誕生、懐かしですね~^^80年代前半をよく覚えています♪ 
こんな裏話があったとは全く知りませんでした。
by Rinko (2018-10-03 08:17) 

えくりぷす

『スター誕生!』の成功話は、経営戦略の専門家・楠木建教授の『戦略読書日記』でも1番に取り上げられています。いっぷくさんも以前の記事で取り上げられている井原高忠氏は、テレビ業界における稀代の戦略家と言えるのではないでしょうか。
そういえば、去年の24時間テレビドラマ『阿久悠物語』でも、スタ誕の話がヤマになっていましたね。
by えくりぷす (2018-10-03 13:47) 

ヨッシーパパ

10週勝ち抜くとプロになれる番組とは、違いましたか?
by ヨッシーパパ (2018-10-03 18:45) 

kou

桜田淳子さんは同郷で比較的近くに住んでいました。今でも綺麗でびっくりです。
でも、何故統一教会に入ってしまったのか・・・疑問です。
by kou (2018-10-03 18:47) 

Take-Zee

こんばんは!
スター誕生・・もうそんな昔の番組なんですね。
あのプラカードが上がる瞬間が見ものでした!
 森昌子さんがすっかりおばさんですものね・・

by Take-Zee (2018-10-03 18:47) 

coco030705

こんばんは。
スター誕生の番組はよく覚えていないのですが、百恵ちゃんが、ほんとに普通の女の子なのに、それがどんどんきれいになっていくのが、不思議で凄いと思っていました。

by coco030705 (2018-10-03 19:09) 

poko

懐かしい番組ですね。
始まったのが47年前になるんですね。
毎週のように見てたし、同級生で地域の予選に出た人もいました。
残念ながらテレビには出ませんでしたけど。
この番組でデビューした人たちも
おばさんとおじさんになってしまいましたね。
私もですけど(^^;
by poko (2018-10-03 22:18) 

kiki

スター誕生という番組を観た事なかったです。
20台と30台の前半ですから、興味がなかったのでしょうね。
何かの折に、場面が放送されてるのを観たことがあります。
若かったアイドルも、還暦とは面白いですね。
by kiki (2018-10-03 23:11) 

ナベちはる

この番組から出て未だに活躍される方、多いように思います。

by ナベちはる (2018-10-04 00:16) 

ゆうのすけ

懐かしいですよね!^^
私は若気の至りで 何度かオーディションに行きました。
お恥ずかしいっ。。。
あ!今こんな風に線路歩いてたら 大問題になっちゃいますよね!^^;
by ゆうのすけ (2018-10-04 00:58) 

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