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南風洋子、青春学園ドラマを泣かせた母親役の熱演を思い出す

南風洋子、青春学園ドラマを泣かせた母親役の熱演を思い出す

南風洋子(みなかぜようこ、1930年1月22日~2007年8月19日)の命日が19日です。南風洋子は、首席で宝塚歌劇団に入団。同期生の有馬稲子とコンビを組んで男役のノロちゃんとして親しまれ、退団後は新東宝、劇団民藝、映画、テレビなどで活躍しました。(画像は断りのない限り劇中から)



一昨日の記事、中村雅俊の大往生シーンで『俺たちの旅』など改めてを振り返るは、私のブログとしては、大変多くの方に閲覧していただきました。感謝いたします。

ということで、今日の南風洋子も、その関連での記事になります。よろしくおねがいします。

南風洋子
Google検索画面より

南風洋子は、70年代のトレンドドラマのひとつであった青春学園ドラマで重要な役どころを演じています。

それも、『飛び出せ!青春』(1972年2月20日~1973年2月18日、東宝/NTV)『ゆうひが丘の総理大臣』(1978年10月11日~1979年10月10日、ユニオン映画/NTV)という、そのジャンルで人気を二分するドラマです。

いまだに、Facebookの「昭和映画・ドラマ」関連グループでは、1日1度は話題が投稿されるこの2つの人気ドラマですが、大きな違いがあります。

『飛び出せ!青春』は、青春学園ドラマの金字塔といわれていて、熱血教師(村野武範)が生徒たちや同僚教師と織りなす“学園の物語”です。

一方、『ゆうひが丘の総理大臣』は、大岩雄二郎(中村雅俊)という教師をやっている“一人の人間を描く物語”です。

それを踏まえた上でご紹介したいのは、後者の『やさしさって何ですか?』(第36話)

母子家庭だった大岩雄二郎(中村雅俊)は、妹ととともに養護施設に預けられ、母親は姿を消し、妹(山本ゆか里)も養親がすぐらあらわれて、一人ぼっちで子供時代を過ごしました。

ゆうひが丘の総理大臣

その後、単身アメリカに渡り、後輩(神田正輝)が教員をつとめている夕日が丘学園高校で英語教師となりました。

アメリカ時代の友人(戸井田稔)の招きで、生徒たちと北海道へ行った際、実は近くに、雄二郎の母親と思しき女性(南風洋子)が働いているが会ってみないか、といわれます。

南風洋子

雄二郎は、「俺たちを捨てたおふくろなんか会いたいものか」と拒否するくせに、生徒たちを先に帰して滞在を延ばし、チョロチョロ母親を覗きに行きます。

ゆうひが丘の総理大臣

ボヤッと歩いて、走っている車に泥をはねられ、母親から「これで拭きなさい」とタオルをもらったことも。

ゆうひが丘の総理大臣

ゆうひが丘の総理大臣

しかし、結局名乗ることはせず、東京に帰ります。

女性は、自分を訪ねてきた人が雄二郎であることに気づき、走り出す電車の窓から息子の名を呼びますが、

ゆうひが丘の総理大臣

雄二郎は気づかず、ホームを出た電車の車内で、もらったタオルをギュッと握りしめながら「お母さん、さようなら」とつぶやき、涙を流します。

ゆうひが丘の総理大臣

自分を養護施設に置いて去っていった母親が……。許せない⇒でも会いたい⇒許す⇒でも名乗るのはやめよう、というソーリの葛藤が描かれていて切なかったですね。

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大岩雄二郎は室生犀星だった


私はこの話を見た時、室生犀星を思い出しました。

非嫡出子として生まれて、7歳で室生家の養子になるなど不幸な生涯を送ったにもかかわらず、健全に生きようという詩を残しています。

その一方で、

「ふるさとは遠きにありて思ふもの/そして悲しくうたふもの」(「抒情小曲集」)の詩にあるように、

不幸な過去は振り返らないという強い気持ちから、決して故郷には帰らなかったといいます。

室生犀星、大岩雄二郎、35年目の邂逅

大岩雄二郎は、マンガしか読まない設定なのに、なぜか室生犀星の『朝を愛す』の一節を、スラスラと諳んじるシーンが出てくることからも(1979年4月25日放送の『総理先生しっかりして!』)、

ゆうひが丘の総理大臣『総理先生しっかりして!』より
ゆうひが丘の総理大臣『総理先生しっかりして!』より


制作側は、室生犀星をモデルとしているのだと、ここで確信めいたものを感じました。

南風洋子は、もうひとつの人気青春学園ドラマ『飛び出せ!青春』では、生徒・石橋正次の母親役でした。

飛び出せ!青春

ともに青春学園ドラマとはいえ、スタッフも制作会社もストーリーも違うドラマで、母親役でキャスティングされるということは、南風洋子が母親としての優しさを演じられる女優ということではないでしょうか。

南風洋子―涙を真珠にかえて…
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ゆうひが丘の総理大臣 VOL.7 [DVD]
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名作ドラマBDシリーズ 飛び出せ! 青春 Blu-ray-BOX(5枚組 全43話収録)
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えくりぷす

南風洋子さん、「母親としての優しさが演じられる」女優さんというのが画像からも伝わってきます。いまの宝塚男役出身の方のイメージとは全然違うような…。
それにしても、40年前のドラマの1話をこんなに詳しく解説されるとは…いっぷくさん凄すぎる。
by えくりぷす (2018-08-19 10:36) 

pn

俺も帰る事は無いだろうなぁ、葬式に呼ばれるかどうかも分からんし。
by pn (2018-08-19 11:34) 

末尾ルコ(アルベール)

南風洋子、青春学園ドラマを泣かせた母親役の熱演を思い出す・・・当然「よく観ていた」女優さんのはずですが、お名前を含めてまったく覚えておりません(とほほ)。どうもわたしは特に子どもの頃は、自分の気になった俳優以外は眼中になかったのかもしれません。それにつけても、いっぷく様の丁寧なご鑑賞姿勢・・・これは演じている俳優さんたちにとっても「俳優冥利に尽きる」というところだと思います。
本日のエピソードを拝読させていただきながら、「普遍的な人間の感情」という言葉が頭に浮かびました。親子関係、家族関係はおのおのの事情によって千差万別で一概には言えませんが、その根底には太古より共通する「感情」が流れているのではないか、それはもちろん「家」などという頑迷な社会システムを超越して共通している部分なのではないか、などということです。
南風洋子は石橋正次のは早くもやっているのですね。石橋正次、『トラック野郎 御意見無用』では一瞬の出演でしたが、男気溢れる顔は目を惹きました。

かつやが『感謝祭』なのでお弁当でいただく・・・このお弁当の価格は魅力的ですね。「完食できない」という理由でかつやは避けておりましたが、ちょっと検討してみたくなりました。この夏は冷凍炒飯ないしピラフを復活させまして、味や具材にアレンジを加えながらメニューにバラエティ(笑)をつけております。

中村雅俊についてはずっとわたしにとって、「10代の頃限定の俳優」でありまして、それが実に心の狭い思い込みだったことは、いっぷく様のお記事で教えていただきました。
宮内洋はずっと忘れていましたが(笑)、最近『悪魔が来りて笛を吹く』で目撃いたしまして、(暑苦しい顔してるなあ)と、ある意味感心いたしました(笑)。思いますに中村雅俊と逆で、「担ぎたくならない人格」だったのではないかと。中学時代の同学年で、ちょっと似た感じの勘違い男がおりまして、ついそいつを連想してしまうんです。
勝野洋は沢尻エリカ主演ドラマ『1リットルの涙』ではよかったです。錦戸亮の父親役だったのですが、このドラマは主演二人も抜群によくて、多分これ以上の作品には今後も恵まれないのではと。

野川由美子の『肉体の門』は鈴木清純監督なのですね。鈴木清純監督の映画も未鑑賞のものが多く、この作品もぜひ観たいものです。五社監督作品も愉しみましたが、完成度という点からは必ずしも大満足とはいきませんでした。それにしても何度も映画化されているこの小説、それだけの魅力があるということなのですが、これまた現在では到底映画化されそうな内容ではありませんね。この作品に相応しい女優はいないし、そもそも観たがる観客がいません。こうしてどんどん文化的に貧しくなっていく一方なのですが、そんなことを少しでも気にしている政治家など皆無ですよね。
かたせ梨乃は、そこそこの体型が好みのティーンのわたしにとってはあまりに肉体の圧力が強過ぎて(笑)対象外でした。高橋洋子とか、坂口良子とか、もっと後なら菊池桃子とかの体型くらいがよかったです。『パンツの穴』は観に行きませんでしたが(笑)。でもいささか黒歴史としては、松田聖子の『野菊の墓』は映画館で観ちゃったんですよね。さすがにまともな映画という感じはしませんでしたが、松田聖子は体型とかはよろしくないのですが、色気はありましたね。

菅原文太はモデル出身なのですね!『御意見無用』でそのウエストや脚のラインの細さに驚いたのですが、モデル出身ならむべなるかなです。

わたしは菅原文太に関して長年にわたって漠然としたイメージを持っておりまして、そのイメージの文太像では確かに、梅宮辰夫、山城新伍、松方弘樹、北大路欣也、千葉真一らとは異質な薫りです。ただこの5人の中で、梅宮辰夫、山城新伍はあまりにトーク、バラエティ番組に出過ぎてそちらのイメージが強かったです。菅原文太は任侠系で「高倉健に次ぐ大スター」というイメージでした。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-08-19 13:06) 

ミムラネェ

こんにちは
「ゆうひが丘の総理大臣」は覚えていないのですが、
『やさしさって何ですか?』(第36話)の概略を見ていても
切なくてキュンときてしまいました。
名乗り合える事はなかったけど、お互いの愛情を感じ
これからの人生を応援したい気持ちになるストーリーですね
by ミムラネェ (2018-08-19 13:54) 

ヨッシーパパ

豚カツが旨そうです。
職場の近くの弁当屋の豚カツが大好きなのですが、8月2日に行ったら臨時休業でがっかりしました。
8月23日に行って、買って来ます。
また、ソースカツ丼かな?
by ヨッシーパパ (2018-08-19 19:07) 

そらへい

20歳頃から東京で一人暮らしをしだして
テレビを持たない生活をしていたので
この時代のドラマはほとんど見ていないのが
残念です。
by そらへい (2018-08-19 20:02) 

ちゅんちゅんちゅん

こんばんは!
ドラマをあまり見ないので
中村さんも「歌手」のイメージが強いです。
「次週を待て」がどうも苦手で(せっかち?)
今は完結してからまとめて観ることが多いです。
なので
タイムラグが かなりあります・・・。
by ちゅんちゅんちゅん (2018-08-19 21:25) 

kyon

なんて切ないお話でしょう。
母と子を描いた作品はたくさんありますが、印象的なのは「人間の証明」「八日目の蝉」「東京タワー」でしょうか。
by kyon (2018-08-19 22:27) 

t-yahiro

この時間なのに炭水化物とタンパク質が恋しくなりました。
by t-yahiro (2018-08-20 00:05) 

ナベちはる

1週間というのは短いですが、それでも150円引きは大きいですね。
by ナベちはる (2018-08-20 00:27) 

Rinko

久しぶりにカツ丼を食べたくなりました^m^
by Rinko (2018-08-20 08:36) 

うつ夫

女の子の泣き顔に説得力があります。
by うつ夫 (2018-08-22 02:05) 

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