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中村雅俊の大往生シーンで『俺たちの旅』など改めてを振り返る [懐かし映画・ドラマ]

中村雅俊の大往生シーンで『俺たちの旅』など改めてを振り返る

中村雅俊演じる仙吉さんが、大往生してしまったNHK連続テレビ小説『半分、青い。』の第118話(16日)。これが大変話題になり、昨日から今日にかけての急上昇トレンドになっています。私は何より、あのゲットアップ先生が大往生の役を演じたことに感無量です。(上の画像は『半分、青い。』『俺たちの旅』)



仙吉さんの大往生シーンについては、検索すると賛否を含めた批評・感想が、ブログ、ツイッター、Facebookなどに続々投稿されています。







私は、そんなに深い議論はできませんが、このツイートと同意見です。




役の年齢は、実年齢より高かったとはいえ、あの泣き虫“ゲットアップ”先生の「沖田俊」が、刑事役の殉職やサスペンスドラマの事件死ではなく、自然死を演じる年齢になっていたなんて……。

同じように思っている人も、実は少なくないからこそ、これだけ盛り上がっているのではないでしょうか。

宮城訛りの残る文学座研究生の中村雅俊が、『太陽にほえろ!』のちょい役出演でデビュー以来、今年で45年です。

1974年には、『われら青春!』(1974年、東宝/NTV)で主役に抜擢。

われら青春.jpeg

中村雅俊が無名であったことや、青春学園ドラマの金字塔とまでいわれた『飛び出せ!青春』の設定を継続したため“二番煎じ”のイメージもあり、このドラマ自体は、あまり視聴率は上がらず終了しました。

しかし、出演者やスタッフの間には、「俊(役名)をスターにしよう」という気持ちが強く、岡田晋吉プロデューサーは、引き続き『つくし誰の子』(1974~75年、NTV)『俺たちの勲章』(1975年、東宝/NTV)『俺たちの旅』(1975~76年、ユニオン映画/NTV)と、たて続けにチャンスを与え、中村雅俊という役者としてのブランディングが確立されていきました。

そこで、自分のものにした当たり役が、『俺たちの旅』だったのです。

俺たちの旅

このブログでも、『俺たちの旅』について書くと、アクセス数が倍以上跳ね上がるほど、いまだに多くの人に関心や余韻を残している青春群像ドラマです。

俺たちの旅、40年前のドラマが今もウケる真相はここにあった

『俺たちの旅』金沢碧の出ない「40年後」の「旅」はもうない!?
『俺たちの旅』など昭和ドラマの「史上最強の最終回」を思い出す
俺たちの旅、40年前のドラマが今もウケる真相はここにあった

「将来のことよりも、その日その日を悔いなく生きる」をモットーに、挫折や葛藤を繰り返しながらも、若者らしく、嘘や打算なしに愚直に生きていくカースケの姿が共感を呼びました。

俺たちの旅


さらに中村雅俊は、そのキャラクターで、まるで設定だけかわった続編であるかのような、『俺たちの祭』(1977~78年、ユニオン映画/NTV)『青春ド真中!』(1978年、ユニオン映画/NTV)『ゆうひが丘の総理大臣』(1978~79年、ユニオン映画/NTV)などに出演。

ゆうひが丘の総理大臣

「愚直だけれども自由奔放な生き方」は、果たしていつまでできるのかと思われましたが、『俺はおまわり君』(1981年、ユニオン映画/NTV)では、派出所交番班長という部下を管理する立場になり、青春物語はそこでいったん幕が引かれました。

『俺はおまわり君』より
『俺はおまわり君』より

中年期の中村雅俊は、債権者に追われる多重債務者を正当な手段で夜逃げ斡旋する『夜逃げ屋本舗』(1992年、NTV)や、



さびれた旅館を再生させる『ふたりのシーソーゲーム』(1996年、TBS)、会社を追われて夫婦仲にも隙間風が吹きながら、自分の前向きな気持を取り戻していった『戦力外通告』(2009年、WOWOW)などに出演。



年もとっておちついては来ましたが、社会の矛盾や闇と向き合い、ときには真正面からぶつかって克服するなど、「愚直なカースケ」の面影が残るような仕事を引き続き積み重ねていました。

では、いよいよ老年期に入った『半分、青い。』ではどうなるのだろう、という興趣がファンにはあったかもしれません。

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「仙吉ロス」ですか?


以前もご紹介しましたが、中村雅俊は歌も歌っていて、どれか一曲というと、まあたいていの人は『ふれあい』を選ぶでしょう。

ふれあい.jpg
50代の人は修学旅行で歌いませんでしたか(笑)

が、私は『続・さそり座の神話』という歌を挙げたいとおもいます。

http://recochoku.jp/album/A34064133/

視聴もできます

『辛子色のアルバム』に入っている歌です。

辛子色のアルバム

一般にはあまり知られていないかもしれませんが、中村雅俊のファンには、評判のいい歌なのです。

月桂冠のCMで使われたことがあります。

中村雅俊が、グラスで月桂冠をちびちびやりながら、「『アラビアのロレンス』は良かったなあ」とつぶやいて夜空を見上げる、というような内容でした。

私個人としては、中村雅俊には、桑田佳祐の世界を歌わせるよりも、こういう軽い歌を歌わせたほうがいいような気がします。

ネットでは、「仙吉ロス」などという言葉が踊っていますが、みなさんの感想はいかがですか。

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扶侶夢

中村雅俊さんに関してはちょっとした思い出があります。
四十年近くも昔の事ですけれど、渋谷のNHK放送センターの社員食堂でアルバイトしていた事があって、当時大河ドラマに高杉晋作役で出演していた中村さんが撮影の合間にカレーを食べに来たときの事です。私はカウンターで盛りつけをしていて手渡そうとしたら申し訳なさそうに「ここのカレーが大好きなんだ。もう少し多めにかけてくれないかなぁ」と子供っぽくおねだりされました。大きな体の迫力とは不釣り合いな飾らない気さくな人柄に好感をもったものです。
余談ですが、同じく大河ドラマに出演していた松本ちえこや林寛子もよく食堂に来ていました(ちなみにこの二人は大の親友でした)彼女たちも無邪気に注文するのですがワガママで手を焼きました(苦笑)
by 扶侶夢 (2018-08-17 10:57) 

pn

背中のー夢にー、は俺たちの旅でしたっけ?あれが好き。
by pn (2018-08-17 12:01) 

末尾ルコ(アルベール)

中村雅俊の大往生シーンで『俺たちの旅』など改めてを振り返る・・・『半分、青い。』は番組開始当初おもしろそうだと思って、そうですね、2か月くらい観たでしょうか。主人公の性格や恋愛エピソードなどがあまりと言えばあまりという展開になり視聴完全リタイア(笑)して現在に至っております。なのでこのシーンも観てないのですが、実際の中村雅俊は67歳ですから、90歳まで23年ありますね。
わたしも中村雅俊の青春物はよく観ておりました。ただ自分史の中では徐々に離れていったですね。ロック、そしてパンクを聴き始める頃には、「存在がロック(パンク)か否か」というこだわりが重要になり、中村雅俊はそうしたものからほど遠いという印象で、興味の対象外となってしまったのです。こうした捉え方が若気の至りだということは今ではよく分かりますし、いっぷく様がよくお取り上げになっているのを拝読させていただくことで、本当の中村雅俊の価値というものを再認識させていただいております。
また機会があればぜひ『俺たちの旅』も観てみたいものですが、こうしてあらためて振り返ってみれば、いかにも70年代らしい世界観がありましたね。アメリカン・ニューシネマ的な要素も取り入れながら、しかし中村雅俊の育ちのよさそうな雰囲気がお茶の間にとてもしっくり来ていたのではないかと思います。中村雅俊自身が「新しい俳優のスタイル」を創り上げたと言えるかもしれません。青春ドラマは中村雅俊以前にもありましたが、スケール感が違いますよね。中村雅俊はスケールが大きい。「青春の巨匠」森田健作でも俳優としてこんなスケール感はありませんでした。ドラマの流れとしても、とても鷹揚な感じで、「身を委ねる」という言葉が合いそうな雰囲気でした。
月桂冠のCMは覚えておりませんが、『アラビアのロレンス』を台詞に入れているのがいいですね。あのような雄大なスペクタクル性とハードな歴史や政治が入り混じった映画が多くの視聴者に共通認識されていた時代だったということですね。中村雅俊作品、映画も含めて今後は意識して観てみたいと思います。

今朝フランス人の友人に件の「生産性」発言の意見を聴いたのですが、「まず発言の目的が何かが問題」としながらも、フランスの政治家がこのような発言をしたら「アウト」だと言っておりました。医大の「点数問題」に対しても非常に厳しい意見でした。
そもそも「生産性」という言葉にしても、まるで煮詰めずに使う人が、しかも政権与党の中にも存在するのが今の日本社会ですね。さらに同性愛は「趣味のようなもの」とか言ったりして、炎上と同時にマイノリティを嫌っている人たちの反応を見ながら支持を集めようとしているようにも感じます。

ケロヨンではないですが、わたし、アニメは今一つ観る気になれないのですが、着ぐるみはけっこう好きなのです。着ぐるみと人間の俳優が混じって芝居する間抜け感が大好きで、『ドラえもん』なども着ぐるみと人間で30分枠なら観るのになあと。昔の『ロバ君』みたいな感じですよね(笑)。プロレスの『ハッスル』で『ケロロ軍曹』の着ぐるみがプロレスしたことがあるんですが、あれはおもしろかった。何度もやるとダメなんでしょうけどね。

前澤社長の「不平不満ばかり述べているネットの~云々」という発言ですが、あまり深く考えた言葉のようには思えません。まあさほどよく知らないので軽々なことは言えませんが、商才には極めて長けているのでしょうが、人生哲学とかそういった芯は感じませんですね。それとホリエモンなどもそうなのですが、こうした人たちが提唱している「新しい働き方」的なものを何度か読んでみたのですが、どうも「世間」のことが分かっているようには思えないのです。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-08-17 13:58) 

poko

私も昨日の仙吉さんの最後を見てました。
そんな急に・・・って思っちゃったんですけどね。
可愛いおじいちゃんだったので最後までいてほしかったなぁ。
by poko (2018-08-17 16:13) 

mau

高校の恩師の教え子だとかで、授業中によく話をしてくれました。みんなからは「がしゅん」と呼ばれていたそうです。
懐かしいなぁ
by mau (2018-08-17 21:24) 

ナベちはる

大往生シーン、トレンド入りとはかなりの話題になりましたね。
見ている人がそれだけ多いという証明ですし、同時に心を撃たれた人がそれだけいたということにもなりますね。
by ナベちはる (2018-08-18 01:11) 

いっぷく

みなさん、コメントありがとうございます。

>同じく大河ドラマに出演していた松本ちえこや林寛子もよく食堂に来ていました(ちなみにこの二人は大の親友でした)彼女たちも無邪気に注文するのですがワガママで手を焼きました(苦笑)

それは興味深いエピソードですね。松本ちえこは、『しのぶ』というドラマで朝から夕方まで一緒にいましたが、マネージャーもつかずに1人だったせいもあっておとなしなったのです。が、きっとそれが林寛子だと状況は変わったのかもしれません。
散々わがままを言って、「だって仕方ないでしょ。あなたは私のことステキだとおもってるんだから」ぐらいのことをいいそうで(笑)
by いっぷく (2018-08-18 03:09) 

ヤマカゼ

いくつか見ていたドラマありますね。
やはり皆さん見ていたんですね。
by ヤマカゼ (2018-08-18 06:30) 

kiki

朝ドラを見てないのですが、
おじいさん役をするようになっていたのですね。
『俺たちの旅』は観た覚えがあります。
by kiki (2018-08-18 06:54) 

えくりぷす

たまたま見ました。最近のNHKドラマは、ナレ死ばかりのようだったので、ちゃんと亡くなるシーンがかえって新鮮な感じがしました。
『ふれあい』が大ヒットしたので、『われら青春!』も大人気だったと思っていましたが、そうではなかったのですか。こういうのは、詳しい方に教えて頂かないとわからないもんですねぇ。
by えくりぷす (2018-08-18 09:33) 

kyon

ゆうひが丘、見てました。
再放送ですが、小学校の放課後、こっそりみんなで教室のテレビつけてました^^
by kyon (2018-08-18 16:23) 

そらへい

中村雅俊、一学年上の同い年です。
いつも青春の彼ですが、「半分青い」で
おじいちゃん役初めてだったらしいですね。
何とも言えずほんわかとした味を出していました。
戦争世代なのにフォーク好きというのは違和感ありましたが、番組中の弾き語りシーン
同世代としては嬉しかったですね。
by そらへい (2018-08-18 20:19) 

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