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原ひさ子など「お婆ちゃん役の名脇役」を思い出す [懐かし映画・ドラマ]

原ひさ子など「お婆ちゃん役の名脇役」を思い出す

原ひさ子(はらひさこ、1909年8月6日~2005年12月4日)といえば、いつもにこにこ笑っているお婆ちゃん役として、1960~90年代のテレビ・映画で活躍しました。その原ひさ子の生まれた日が6日です。今日は「お婆ちゃん役の名脇役」について思い出してみます。(画像は断りのない限りGoogle検索画面より)



原ひさ子は1933年、「何もできないところが素直でよかった」(Wiki)という理由で、前進座の座員に合格。

女優生活が始まります。

原ひさ子

以来東宝、日活、そしてテレビドラマと幅広く活躍しました。

そのほとんどは、脇を固める役でしたが、小柄でいつもニコニコして物静かですべてを悟ったような表情をした、典型的な「お婆ちゃん」として貢献しました。

今もWeb掲示板で話題になるのは、『ゆうひが丘の総理大臣』第16話(1979年1月31日放送)の『友情って何でしょう?』という話です。

ゆうひが丘の総理大臣
劇中より

生徒の山川(清水昭博)が、病気がちの母を見送って以来元気がなかったのが、急にアルバイトなどをするようになりました。

いつも行動をともにしているクラスメート(井上純一ら)にも理由を言わなかったのですが、それは、知り合った独居の老婆(原ひさ子)のお世話をするためでした。

ちょっとやんちゃで、生前母親に心配ばかりかけていたことを後悔していたので、せめて知り合った老婆のためになりたいと思ったからでしたが、山川の気持ちを知ったクラスメートらもそれを手伝ったという話です。

こういう場合、助けてあげたくなるような「可愛げのあるお婆ちゃん」でありたいですが、原ひさ子はたしかに適役だったとおもいます。

歳をとっている女優なら誰でもいい、というわけにはいかないでしょう。

逆に「余計なことすんな」と居丈高に叱り飛ばしそうな「お婆ちゃん」もいます。

考えてみると、お婆ちゃん役の女優にも、いろいろなキャラクターがいます。

思いついた何人かを枚挙してみます。

お婆ちゃん役女優を思い出してみた


なお、ここでいう「お婆ちゃん役女優」とは、お婆ちゃん役が当たり役になった女優ということで、杉村春子や沢村貞子など、年齢相応の実績のある人はのぞいています。

北林谷栄(きたばやしたにえ、1911年5月21日~2010年4月27日)


北林谷栄

劇団民藝の創設者で、30代から老婆役を演じてきた超大物です。

田舎の第一次産業に携わり、生活の苦しみを衣装や佇まいで表現する老婆は、この方を超える人はいないといわれるほどです。

『白い巨塔』(1978年、フジテレビ)で、奈良の十津川村の集団検診で見つかった胃がんを治して元気に社会復帰する老婆役が印象に残ります。

賀原夏子(1921年1月3日~1991年2月20日)


賀原夏子

文学座⇒劇団NLTと、一貫してフランス喜劇を得意とされてきた方です。

ハイカラな祖母役が多く、ときには庶民的な下宿のおばさんまで、芸域は広い方でした。

私の世代ですと『チャコちゃん』シリーズの祖母、あとはずっと新しくなって、『俺はご先祖さま』の石坂浩二の下宿のおばさんの役が印象に残ります。

風見章子(1921年7月23日~2016年9月28日)


風見章子

木下恵介アワーの『オヤジ太鼓』で、カミナリオヤジ・進藤英太郎の妻を演じて以来、夫に仕える妻の役が多かったとおもいます。

『特捜最前線』で大滝秀治演じるノンキャリ刑事を見守りながら病死する妻、ケンちゃんシリーズの祖母役(ただし洗濯屋編を除く)など、もういろいろな役でお馴染みです

以前も書きましたが、この方と加藤治子は、歳を取ることで一層魅力が出て、私の中では「デートしたいおばあちゃん」の一番手でした。

風見章子
『ゆうひが丘の総理大臣』第26話より

原泉(1905年2月11日~1989年5月21日)


原泉

インテリ、意地悪、偏執狂的、さらには妖気漂う不気味な役など、もっともキャラクターの立つ役といえはこの人でした。

リアルではガッチガチの左翼で、プロレタリア作家・文学者の中野重治の妻です。

宇野重吉の芸名は、そこから2文字名前を頂いたという話もあります。

中野重治の盟友、小田切秀雄の話なので、どこまで本当かはわかりませんが。

いずれにしても、キャラも立つわけです。

浦辺粂子(1902年10月5日~1989年10月26日)


浦辺粂子
ちょっと偏屈で、上の人達に比べるともっとも庶民的な役が多かったようにおもいます。

東宝のクレージー映画では谷啓の母親役をよく演じていました。

テレビドラマ『気になる嫁さん』(1971年10月6日~1972年9月27日、ユニオン映画/日本テレビ)では、使用人なのに家族に悪態をつく役でした。

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ほかには


さらに、「お婆ちゃん役」というより、姑としてのキャラクターが際立った女優には、菅井きん、初井言榮などがいます。

菅井きん
初井言榮

千石規子という人もいますが、この方の黒澤明作品時代を考えると、とても「お婆ちゃん役」ではくくれない華やかな時代があったので、これも除外します。




みなさんは、お婆ちゃん役女優と言うと、どんな人を連想しますか。

ばばさまの俳句は日記つれづれに
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ナベちはる

お婆ちゃん役の女優、市原悦子さんや野際陽子さんなどの有名どころの女優さんしか思い浮かびませんでした…
by ナベちはる (2018-08-07 00:37) 

うつ夫

確かに。
世代によって変わってきますね。

by うつ夫 (2018-08-07 00:56) 

末尾ルコ(アルベール)

原ひさ子など「お婆ちゃん役の名脇役」を思い出す・・・このテーマですぐに思い出すのは樹木希林です。ただこの人は、シリアスなお婆ちゃん役はあまりなかったのでしょうか。現在は主演級の売れっ子映画女優になっているという稀有な存在ですね。こうしたケースは樹木希林以外いないかもしれません。
お記事で取り上げてくださっている女優の中では、北林谷栄は画面に出るだけで凄味が伝わってきます。
浦辺粂子はお婆ちゃん役でしか知りませんでしたが、3つ目のモノクロ画像は大正時代の美人女流文学者のような風情ですね。この姿はお婆ちゃん役から知った者には想像もつかないものです。
菅井きんや初井言榮は大好きでした。この二人も見惚れましたね。菅井きんって、社会党のマドンナブームの時に戯れに土井たか子の物真似してたんですが、これが似ていてウケました。初井言榮は大映ドラマなんかでも、その芸で愉しませてくれましたね。
名前を拝見してもピンと来ない人も何人かおりますが、間違いなく出演作はいろいろ観ているはずで、またチェックしつつ作品鑑賞を深めたいと思います。

真木よう子はわたしもまったく妄想は・・・(笑)。尾野真千子なんかもそうですが、妄想という観点からは非常に物足りないこと甚だしいですね。でもこの二人、女優としても物足りない部分が多いです。モチベーションは高いと思うのですが、女優としての色気も妄想対象としての色気も今一つ、二つ、三つ、四つ・・・(笑)。宮崎あおいなんかも、女優としての実績は飛び抜けたものがありますが、妄想という観点(笑)からは今一つ。わたしとしては若手女優の中では有村架純を推したいところです。
こうした高邁な(笑)観点からすれば、坂口良子の魅力は極めて高いですね。あのふっくらしていながら、ふっくらし過ぎない顔立ちと、「垂れ目」というほどではなくほどよく垂れ気味の大きな目、そしてありそうで滅多にない「適度に見事なプロポーション」ですよね。あとまあ、少年にとっては林寛子もポイント高かったです。それにしてもパノラマのように坂口良子の出演シーンの数々ををご記憶で、羨ましい限りです。わたしなんぞは、『池中玄太~』で観ていたことは覚えておりますが、『犬神家の一族』にしても、「うぎゃ~~!」と叫んでぶっ倒れるところくらいしか記憶になくて、だからこそ今回の『獄門島』の坂口良子が新鮮に感じたのだと思います。
そう言えば、『犬神家~』のリメイクでは坂口良子の役を深田恭子が演じていたと思うのですが、深田恭子、割と好きなのですけれど、妄想対象というのとはちょっと違います。個人的感想ですが(笑)。
しかしお約束とは言え『獄門島』、前もって金田一耕助が乗り込んでいるのに、その後できっちりと起こるべき連続殺人事件が起こるという・・・もちろん警察も乗り込んでいて、しかも獄門島という狭い範囲内なのに犯行を防げないという、推理小説も大変だなあと(笑)あらためて感じました。
水沢アキって、わたしもけっこう(いいな)と思っていた時期があったのですが、今となっては何を観てそう思ったのかまったく分かりません(笑)。その後、ワイドショーネタ化してしまったので、(いいな)という気持ちが雲散霧消したことはよく覚えております。

>自分が金田一なら、そのまま連れて帰って一緒に暮らすかも

同感でございます(笑)。この際、犬神家の争いなんて放っておきますよね(笑)。坂口良子ほど妄想を掻き立ててくれる人はそうそうおりませんから。

>いやでも存在しないタイトルを保持しているようにいうのはどうなんでしょう。

これって、アナウンサーはもちろん、「こう言え」と指示されたのだと思いますが(自分で考えつくとは思えませんので 笑)、「こんなタイトルないけど、こう言ってくれ」と指示されたのか、アナウンサー自体を「本当にチャンピオンだよ」と騙したのか、興味があるところです。
でもプロレスに限らず、情弱相手の「騙し報道」って、今でも日本では少なからずあります。卓球で張本が水谷に勝った時だったと思うのですが、「世界が震撼」なんていう見出しの記事がありました。卓球の試合結果で「世界が震撼」することは、時代を超えてあり得ないのですが(笑)。「日本の卓球ファンの一部が震撼」くらいが正確な情報と言えます。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-08-07 01:25) 

pn

確かに原ひさ子なら面倒見たくなる(笑)
野良犬が懐かしいです、劇中の25オートは実銃のはず。
by pn (2018-08-07 06:18) 

ヤマカゼ

ずいぶん懐かしい方々が、掲載されてますね。
by ヤマカゼ (2018-08-07 06:28) 

チャー

原ひさ子さん、可愛いお婆ちゃまでした
お声も優しく
by チャー (2018-08-07 07:01) 

Rinko

懐かしい面々ですね~!
原ひさ子さんは何でも受け入れてくれるような、そんな優しい雰囲気のあるおばあちゃん役でしたね。
浦辺粂子さんのお若い頃、めちゃめちゃキレイですね~。
by Rinko (2018-08-07 07:41) 

Take-Zee

おはようございます!
いっぷくさんの提供してくれる話題は
毎回懐かしく思い出しながら拝見しています。
今回はお婆ちゃん俳優、みんな懐かしい。
 暑いですから熱中症に注意してくださいね!
by Take-Zee (2018-08-07 07:56) 

こんちゃん

ここに登場する女優さんは全員好きでした。
北林谷栄さんは若い時から老け役で、手に年齢が出るから汚しを入れたり手袋でごまかしたりしていたと聞いたことあります。
by こんちゃん (2018-08-07 08:15) 

ようこくん

懐かしいお顔がならんでいますね。
高校時代浦辺粂子さんのマネが流行りました(笑)
by ようこくん (2018-08-07 09:09) 

斗夢

懐かしい顔がいっぱい!
TVにかじりついて見ていたんですね。
by 斗夢 (2018-08-07 10:21) 

なかちゃん

『ちゅらさん』でおばあの役を演じておられた、平良とみさんが記憶に残ります(^^)

by なかちゃん (2018-08-07 11:59) 

ちょろっとぶぅ

ゆうひが丘。。。
毎回最後泣いちゃうから、恥ずかしくて
誰もいない部屋のTVで一人見てたのを思い出しました(^^;
by ちょろっとぶぅ (2018-08-07 14:02) 

ミムラネェ

こんにちは
浦部さんが 私の亡くなった祖母に似ていて思い出されます
ちょっと偏屈で ハッキリものを言い、でも憎めない(笑)
最近は樹木希林さんがずいぶんとおばあちゃん役が増えましたね^^
by ミムラネェ (2018-08-07 14:40) 

ヨッシーパパ

樹木希林の「ひでき〜」かな?
by ヨッシーパパ (2018-08-07 19:09) 

kou

昭和ですね・・・。
一番良い時代でした。
by kou (2018-08-07 19:16) 

そらへい

どのおばあちゃん役の女優さんも印象に残っていますが、
一人上げるとすれば、「橋のない川」の北林谷江さんですね。田舎の貧しい農村の老婆を見事に演じていました。
by そらへい (2018-08-07 20:42) 

little_me

原ひさ子さん、かわいらしいおばあちゃんでしたね^^
右下の写真の初井言榮さん、「ヤヌスの鏡」の怖いお婆さんだ!と
懐かしくなりググったら、61歳でお亡くなりになっていて
ヤヌス当時はまだ56,7歳くらいとかで驚きました。
by little_me (2018-08-07 21:44) 

犬眉母

原ひさ子さん。
お婆ちゃんらしいお婆ちゃんでしたね。
by 犬眉母 (2018-08-09 19:39) 

レインボーゴブリンズ

ドリフの全員集合で、幽霊役のおばあちゃんの名前がようやく分かりました。原泉さんですね(^^♪
by レインボーゴブリンズ (2018-08-13 22:16) 

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