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『泣いてたまるか』渥美清演じる不器用な男の泣き笑い人情ドラマ [懐かし映画・ドラマ]

泣いてたまるか
『泣いてたまるか』(1966年4月17日~1968年3月31日、国際放映/TBS)という往年の人気ドラマが、無料衛星放送のTwellV(ワールド・ハイビジョン・チャンネル)で10日~31日まで毎週放送されています。主演は渥美清。1話完結で毎回異なる設定のストーリーです。(画像はTwellVより)



この作品は10年前にDVDが出ていますが、HDリマスター版がテレビで放送されるのは初めてだそうですね。

途中で、青島幸男や中村嘉葎雄(萬屋錦之介の弟)と1週おきの主演になったこともありましたが、やはりこのドラマは渥美清の作品という印象が強い。

渥美清が歌う主題歌は、映画館で『男はつらいよ』を上映する時、休憩時間中に流されていたので、放送が終わっても忘れることなく口ずさむことができました。

『泣いてたまるか』の内容は、毎回全く設定もストーリーもスタッフも異なる1話完結。渥美清以外の出演者も毎回変わります。

共通しているのは、不器用で気のいい中年男の笑って泣ける人情ドラマということです。

といっても、なにか大きな自己実現があってハッピーエンドというわけではなく、「こんな人がいて、こんなことがあって、でも相変わらずこんなふうに暮らしています」という地味な物語です。

リアルでは日曜日の20時に放送されていて、昔の子どもにとってはそろそろ寝る時間だったわけですが、なんとなく覚えています。

今見ると、有名な俳優がたくさん出ていて、いいスタッフといい役者で、ちゃんとしたドラマが作られていたんだなあということが改めてわかります。

関連掲示板でも放送を喜んでいることがわかります。

泣いてたまるか、渥美清編が選りすぐり放送

TwellV公式サイトでは放送予定が発表されていますが、私は24日に放送された『やじろべえ夫婦』(DVD第1巻に収録)が良かったですね。

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世渡りベタの渥美清と気立ての良い妻の曽我町子


おもちゃの製販一体会社につとめる渥美清と、叔父(伊志井寛)の反対を押し切って一緒に暮らしている曽我町子の夫婦の話です。

『泣いてたまるか・やじろべえ夫婦』より
『泣いてたまるか・やじろべえ夫婦』より

渥美清はおもちゃを作るのが大好き。

安月給を家賃が払えなくなるまで開発に投資しているのですが、ヒット商品を作り出すことができません。

そのため、開発から下請けまわりの営業に配置転換されますが、請負工賃の値上げ闘争に巻き込まれて不当解雇されてしまいます。

しかし、時代がそうだったのか、そういう人柄だったのか、大人しく引き下がります。

そして、今度は幼稚園に住み込み用務員で働きます。

ところがここも、「お勉強系幼稚園の園庭に遊具を作って子どもたちが遊んでばかりになってしまった」という、これまた無茶な理由で解雇されます。

失意の渥美清は、河川敷の打ちっぱなしゴルフ場から飛んでくるロストボールを拾ってお金にするホームレスの仲間になりますが、ここでおもちゃづくりの腕がやっと開花。

川に落ちたボールを吸い上げるマシンを作ったり、病気で寝ているホームレス仲間の子どもを喜ばせる新しいおもちゃを作ったりして喜ばれ、自信を取り戻します。

幼稚園は単身赴任だったために伊志井寛のもとに帰っていた曽我町子ですが、渥美清は、おもちゃで特許をとってマンション住んでいるから迎えに来たと伊志井寛に嘘をつき、曽我町子を連れて帰ります。

それは伊志井寛の孫の四方晴美に見つかってバレるのですが、自信を取り戻した渥美清はもう振り返りません。2人は船を漕いで川を渡り遠くに逃げてしまいます。

曽我町子の妻がサイコー


見どころはなんといっても曽我町子。当時は『オバケのQ太郎』の声の人です。

少し前でいうと、『ドラえもん』の大山のぶ代と同じで、いったいこの声はどんな“男の人”なんだろうと子ども視聴者は思っていたわけですが、実際のルックスとのあまりの違いにびっくり。

曽我町子
Google検索画面より

いや、美人という意味です。私は大人になってもファンレター出してましたから(笑)

しかも、作品で演じるのは、こういう人と結婚できたらそれだけで人生勝ち組だよな、なんて思えるような男からみてサイコーの妻なのです。

安月給はちんどん屋のバイトでしのぎ、営業に回されると聞くと会社の人に食って掛かり、結婚記念日祝いのためのへそくりを取れもしない特許申請費用に黙ってくすねられても、ダンゴ大食いの賞金で補填。伊志井寛に「別れちゃいなさい」と言われても絶対に別れないのです。

あとは伊志井寛の孫娘役である四方晴美。

当時チャコちゃんで一世を風靡しました。

この時期、四方晴美、上原ゆかり、松井八知栄と3人の女子子役がいて、私は松井八知栄のファンだったのですが、四方晴美はたしかに脚本の意味を理解してきちんと演じていますね。

渥美清は結局特許をとったわけではないのですが、それだけに親近感もわいて感情移入できるのかもしれません。

社会の荒波にうまく乗れない愚直な男が、世捨て人との関わりで自信を取り戻した、という展開は観ていて気持ちが前向きになりますよね。

1話完結なので45分で決着します。気分転換に見て元気が出るあったかいドラマです。

渥美清の泣いてたまるか DVD-BOX1

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