『男女7人夏物語』トレンディドラマの先駆けとなった恋愛群像劇 [懐かし映画・ドラマ]
『男女7人夏物語』(1986年7月25日~9月26日、TBS)が、18日からCSの映画チャンネルNECOで放送開始されます。結婚適齢期を迎えた男女7人が、合コンを機会に波瀾に富んだ恋愛模様を繰り広げる話です。合コンシーンに出てくるブーツ型ビアグラスや、登場人物の職業・ファッション・住居など、まさにトレンディドラマブームをテレビ界に起こした作品です。
『男女7人夏物語』より
トレンディドラマとは、Wikiによると、「都会に生きる男女(ヤッピー)の恋愛やトレンドを描いた現代ドラマ」で、「ヤッピー」とは「若手で都市住民たるエリートサラリーマン」だそうです。
そして、Wikiはトレンディドラマの作られた時期を「1988年から1990年」としています。
が、実はそれより2年前に作られた、この『男女7人夏物語』こそ、まさに定義ピッタリのトレンディドラマです。
そして、私が原作が好きだった『東京ラブストーリー』(1991年1月7日~3月18日、フジ)も、時期的な定義から外れていますが、トレンディドラマの王道だと思います。
ですから、Wikiもあてにならないですね。何でも鵜呑みは禁物。知りたいことは自分でトコトン調べることです。
それはともかく、TBSドラマである『男女7人夏物語』が、映画チャンネルNECOで放送されるというのは意外でした。
映画チャンネルNECOはもともと日活系の映画を中心に放送していましたが、最近は他社の映画も放送するようになり、とうとうCSチャンネルを2つももつ民放キー局の有名なドラマも放送するのですね。
ツアコンの今井良介(明石家さんま)、商社マンの野上君章(奥田瑛二)、結婚式場フロア・マネージャーの大沢貞九郎(片岡鶴太郎)は大学時代の同級生。
フリーライターの神崎桃子(大竹しのぶ)、カストマディーラーの浅倉千明(池上季実子)、ライトマン(照明技師)アシスタントの沢田香里(賀来千香子)、ウグイス嬢の椎名美和子(小川みどり)は元キャンギャルつながり。
みんな職業にカタカナがついています。
昨日の『どですかでん』の世界とは対照的に、何とも華やかな人びとだと思いませんか。
服も着せ替え人形のようにいろいろなものが出てきて、まゆをくっきりさせる化粧はもう思いっきり80年代。
私はこの頃、この出演者たちより少し若いのに、結核でくすぶっていたので、こういうドラマはまぶしかったです。
その7人が合コンをするのですが、その前に、大竹しのぶは酔いつぶれて明石家さんまのマンションに泊まってしまったことから物語は始まっています。
合コンに出てきたブーツ型ビアグラス。私は経験しませんでしたが、流行ったらしですね。
つま先を下にしないとうまく飲めないようにできていて、コポッとこぼしてしまうのは片岡鶴太郎の役どころでした。
その後、7人は、一応グループ交際としての関係は残しつつ、個別にもいろいろあり、明石家さんまを大竹しのぶと池上季実子が好きで、片岡鶴太郎は池上季実子に片思いで、奥田瑛二と賀来千香子は奥田瑛二が逃げ腰ながらも関係が続く、という展開です。
そして、池上季実子が降りて、明石家さんまの相手は大竹しのぶになったと思ったら、大竹しのぶはノンフィクションライターになりたいからマイケル・ジャクソンの取材にアメリカに長期の取材に行くことになり、最後は空港でお別れするラストです。
ドラマの舞台になった東京・清洲橋
大竹しのぶがアメリカに行きたいと言い出した時、明石家さんまは快く送り出すことにしたのですが、池上季実子は猛烈に反対するのです。
池上季実子にとっては、好きなのに諦めた。だから、2人には関係を大事にしてほしい。
これは誰でも想像がつきます。
でも、それだけでなくて、実はもう少し深い意味が込められていたのかもしれません。
大竹しのぶがアメリカに行かなければ、大竹しのぶを通じて今後も明石家さんまと引き続き接点が持てるから反対だったのではないかと。
好きなのに諦めた立場というのは、そういう心理も働くのではないでしょうか。
みなさんもそういうことってありませんか。
池上季実子は、生い立ちが原因で、本気で人を好きになれないという設定だったのですが、これほど泥臭い愛情表現はないですよね。
こんなデリケートな恋愛感情を書いたのは鎌田敏夫氏です。
この物語は、『男女7人秋物語』に続きます。
同作は、『男女7人夏物語』に比べてぐっと重く、だけれども私の好きな作品です。
このブログでもずいぶん記事を書きました。
・東京ガス・ワンダーシップ環境エネルギー館と荒三丸
・男女7人秋物語、“理不尽”ストーリーとシャカタクのBGM再び
・『男女7人秋物語』“がまんごっこ”の川崎球場は今……
・『男女7人秋物語』京急大師線旧六郷橋駅前で「戦後最高」の恋愛場面
『男女7人夏物語』は、登場人物のキャラクターが、演者にきわめて近いことが当時から言われました。
・池上季実子&岩崎宏美、明石家さんま&大竹しのぶの“本当の話”暴露
池上季実子は、インタビューでも、演者ながら次回はどうなるのだろうとワクワクしたと当時を振り返っていますね。
今はもう、『男女7人夏物語』が放送された頃はまだ生まれていなかった世代が社会に出ています。
その方々にとっては、自分の両親が若かった80年代はどんな文化や価値観だったのかを知ることもできるでしょう。
かなり有名なドラマですが、まだご覧になっていない方はおすすめいたします。
『男女7人夏物語』より
トレンディドラマとは、Wikiによると、「都会に生きる男女(ヤッピー)の恋愛やトレンドを描いた現代ドラマ」で、「ヤッピー」とは「若手で都市住民たるエリートサラリーマン」だそうです。
そして、Wikiはトレンディドラマの作られた時期を「1988年から1990年」としています。
が、実はそれより2年前に作られた、この『男女7人夏物語』こそ、まさに定義ピッタリのトレンディドラマです。
そして、私が原作が好きだった『東京ラブストーリー』(1991年1月7日~3月18日、フジ)も、時期的な定義から外れていますが、トレンディドラマの王道だと思います。
ですから、Wikiもあてにならないですね。何でも鵜呑みは禁物。知りたいことは自分でトコトン調べることです。
それはともかく、TBSドラマである『男女7人夏物語』が、映画チャンネルNECOで放送されるというのは意外でした。
映画チャンネルNECOはもともと日活系の映画を中心に放送していましたが、最近は他社の映画も放送するようになり、とうとうCSチャンネルを2つももつ民放キー局の有名なドラマも放送するのですね。
今更ネタバレ御免のあらすじ
ツアコンの今井良介(明石家さんま)、商社マンの野上君章(奥田瑛二)、結婚式場フロア・マネージャーの大沢貞九郎(片岡鶴太郎)は大学時代の同級生。
フリーライターの神崎桃子(大竹しのぶ)、カストマディーラーの浅倉千明(池上季実子)、ライトマン(照明技師)アシスタントの沢田香里(賀来千香子)、ウグイス嬢の椎名美和子(小川みどり)は元キャンギャルつながり。
みんな職業にカタカナがついています。
昨日の『どですかでん』の世界とは対照的に、何とも華やかな人びとだと思いませんか。
服も着せ替え人形のようにいろいろなものが出てきて、まゆをくっきりさせる化粧はもう思いっきり80年代。
私はこの頃、この出演者たちより少し若いのに、結核でくすぶっていたので、こういうドラマはまぶしかったです。
その7人が合コンをするのですが、その前に、大竹しのぶは酔いつぶれて明石家さんまのマンションに泊まってしまったことから物語は始まっています。
合コンに出てきたブーツ型ビアグラス。私は経験しませんでしたが、流行ったらしですね。
つま先を下にしないとうまく飲めないようにできていて、コポッとこぼしてしまうのは片岡鶴太郎の役どころでした。
その後、7人は、一応グループ交際としての関係は残しつつ、個別にもいろいろあり、明石家さんまを大竹しのぶと池上季実子が好きで、片岡鶴太郎は池上季実子に片思いで、奥田瑛二と賀来千香子は奥田瑛二が逃げ腰ながらも関係が続く、という展開です。
そして、池上季実子が降りて、明石家さんまの相手は大竹しのぶになったと思ったら、大竹しのぶはノンフィクションライターになりたいからマイケル・ジャクソンの取材にアメリカに長期の取材に行くことになり、最後は空港でお別れするラストです。
ドラマの舞台になった東京・清洲橋
池上季実子が反対した本当の理由は?
大竹しのぶがアメリカに行きたいと言い出した時、明石家さんまは快く送り出すことにしたのですが、池上季実子は猛烈に反対するのです。
池上季実子にとっては、好きなのに諦めた。だから、2人には関係を大事にしてほしい。
これは誰でも想像がつきます。
でも、それだけでなくて、実はもう少し深い意味が込められていたのかもしれません。
大竹しのぶがアメリカに行かなければ、大竹しのぶを通じて今後も明石家さんまと引き続き接点が持てるから反対だったのではないかと。
好きなのに諦めた立場というのは、そういう心理も働くのではないでしょうか。
みなさんもそういうことってありませんか。
池上季実子は、生い立ちが原因で、本気で人を好きになれないという設定だったのですが、これほど泥臭い愛情表現はないですよね。
こんなデリケートな恋愛感情を書いたのは鎌田敏夫氏です。
この物語は、『男女7人秋物語』に続きます。
同作は、『男女7人夏物語』に比べてぐっと重く、だけれども私の好きな作品です。
このブログでもずいぶん記事を書きました。
・東京ガス・ワンダーシップ環境エネルギー館と荒三丸
・男女7人秋物語、“理不尽”ストーリーとシャカタクのBGM再び
・『男女7人秋物語』“がまんごっこ”の川崎球場は今……
・『男女7人秋物語』京急大師線旧六郷橋駅前で「戦後最高」の恋愛場面
『男女7人夏物語』は、登場人物のキャラクターが、演者にきわめて近いことが当時から言われました。
・池上季実子&岩崎宏美、明石家さんま&大竹しのぶの“本当の話”暴露
池上季実子は、インタビューでも、演者ながら次回はどうなるのだろうとワクワクしたと当時を振り返っていますね。
今はもう、『男女7人夏物語』が放送された頃はまだ生まれていなかった世代が社会に出ています。
その方々にとっては、自分の両親が若かった80年代はどんな文化や価値観だったのかを知ることもできるでしょう。
かなり有名なドラマですが、まだご覧になっていない方はおすすめいたします。
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