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『おひかえあそばせ』次回映画チャンネルNECOの石立鉄男枠で放送 [懐かし映画・ドラマ]

『おひかえあそばせ』が、来る12月25日からCSの映画チャンネルNECOで放送されます。もちろん、同局が週1度用意している「石立鉄男枠」。石立鉄男が主演したドラマを順繰り放送しているのですが、この作品はその第一弾にあたります。1971年に全13話放送されました。

おひかえあそばせ
映画チャンネルNECOより

石立鉄男マニアなら、おそらくはもう数えきれいほど見たでしょう。

いわゆる石立鉄男シリーズとは、ドラマ全盛時代の1971年~1978年まで、水曜、もしくは日曜8時に8作放送された、松木ひろし脚本、石立鉄男主演のホームコメディドラマをさします。

そのほとんどがユニオン映画という、日本テレビ系の制作会社によって手がけられ、現在は映画チャンネルNECOで繰り返し放送されています。

おひかえあそばせ(1971年4月7日~1971年9月22日、全13話)川崎
気になる嫁さん(1971年10月6日~1972年9月20日、全40話)成城学園
パパと呼ばないで(1972年10月4日~1973年9月19日、全40話)佃島
雑居時代(1973年10月3日~1974年3月27日、全26話)成城学園
水もれ甲介(1974年10月13日~1975年3月30日、全25話)豊島・鬼子母神
おふくろさん(1975年4月6日~1975年9月28日、全21話)世田谷・赤堤※この作品のみ日本テレビ製作
気まぐれ天使(1976年10月6日~1977年10月19日、全43話)早稲田
気まぐれ本格派(1977年10月26日~1978年9月20日、全38話)神楽坂

今でこそ、石立鉄男やこのシリーズが評価されていますが、リアル放送時は、下請け制作会社による低予算な雨傘(野球中継のないときの)番組で、視聴率もそれほど高くありませんでした。

それが夕方4時の繰り返しの再放送で、世代を超えて支持されるようになったようです。

実在の町を舞台に、ロケをふんだんに採り入れて、石井ふく子的なホームドラマとは逆張りで、少しひねった家族や兄弟愛を描きました。

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メインの脚本家は松木ひろし。東宝クレージー映画の記念すべき第一作目である『ニッポン無責任時代』(1963年、東宝)でも脚本に名を連ねています。

植木等のような、ウェットではない2枚目のコメディーを作りたかったそうですが、そんな松木ひろしの構想に、石立鉄男はぴったりだったのでしょう。

千野皓司や手銭弘喜など、日活時代は実力派と目されながらなかなか大きなチャンスがなかった演出家も、このシリーズで全面開花しました。

石立鉄男シリーズとは、下請け会社による「プログラムピクチャー」だけれども、良質な演者やスタッフで評価を高めていった実在の町を舞台にした作品。

これって、昨日も書いた、東京映画が作った「喜劇駅前シリーズ」と似ていますね。

同作は、6人の娘を男手一つで育てた定年前のサラリーマン(大坂志郎)が、子どもの部屋だけは残すという条件で、渡仏するヴァイオリニスト(十朱久雄)から豪邸を格安で購入します。

子供の名前は「薫」だったので、てっきり娘と思って安心していたのに、実は男(石立鉄男)。女所帯に他人の息子が同居するドタバタを13回にわたって描いています。

6人の娘たちは、冨士眞奈美、宮本信子、嘉手納清美、岡田可愛、鳥居恵子、津山登志子。

30年経って、現在の本業のアパレル関係のことで岡田可愛さんに話を伺える機会があったのですが、『おひかえあそばせ』のことも話してくれました。
岡田可愛 日本テレビの隠れた人気ドラマなんですけど「おひかえあそばせ」。これ、なかなか人気番組でね。私を知っている人は、結構その番組を評価してくれます。石立鉄男さんとか、宮本信子さんとか出てて……4姉妹……5姉妹か。
いっぷく 6人。
岡田可愛 えーとね。(指折り数えて)冨士眞奈美さんでしょ、宮本信子、嘉手納清美、私……、あ、6人だ。よくご存じ。私のオタクじゃないの。ひょっとしたら(笑)
「おひかえあそばせ」はそんなに長くなかったんだけど……
いっぷく 13回
岡田可愛 13回でしたっけ? アレ。ねえ、あれも面白かったんだけどねえ。なんか途中で終わっちゃったみたいで。
いっぷく 野球のない時だけの放送でしたからね。
岡田可愛 そう、雨傘番組だったからねえ。だから回数は……。でも、知る人ぞ知る、なかなかの番組なんですよ

「なんか途中で終わっちゃったみたい」というのはまさにその通りで、宮本信子と岡田可愛が石立鉄男を想い、石立鉄男は宮本信子を想っているようなのですが、石立鉄男が仕事で外国に行ってしまってドラマは終了しています。

今はワンクール10回が当たり前ですが、当時のドラマのスピードでは、全13回では物足りなかったのかもしれません。

第1回は昭和40年代中頃の新宿が、そして毎回出てくる川崎北部や多摩川が時代を感じさせます。

株でいうと、キャピタルゲインではなくインカムゲイン型の人気作品、石立鉄男シリーズをまだご存じない方は、ぜひ25日からの放送をご覧ください。

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