馬込文士村をご存知ですか。閑静な住宅地である東京都大田区の山王・馬込一帯は、かつて日本近代史に名を残した作家や芸術家たち43人が移り住み、交流を深めたといわれています。馬込文士村の入り口にある山王八景天祖神社は、訪問者が参拝したり休憩したりしています。
JR大森駅西口を出ると、田園調布と並ぶ高級住宅街・山王へ続く、八景坂と呼ばれる坂を上る階段があります。
その階段の横には、文学史上に名を残した文士たちの似顔や説明が刻まれたプレートが並んでいます。
大森から山王、中央、馬込にかけての一帯を馬込文士村と呼んでいます。その入口というわけです。
近代文学史上の有力な作家や詩人、哲学者、さらには画家がその一帯に移り住み交流を深めたそうです。
現在もその場所にはそれぞれの記念館や案内板などモニュメントがたっているため、公式サイトでは、それらをまわれる3~5時間程度の散策コースが4通り紹介されています。
今年は『花子とアン』が放送されていることで、日本に「赤毛のアン」を紹介した村岡花子の書斎だった「
赤毛のアン記念館」を見に来る人が増えているのではないでしょうか。
このブログでは、2012年8月22日の記事、「
室生犀星、大岩雄二郎、35年目の邂逅」で、馬込文士村の室生犀星の案内版をご紹介しました。
かつての人気青春学園ドラマ『ゆうひが丘の総理大臣』(1978~1979年、ユニオン映画、日本テレビ)で、中村雅俊演じるソーリは、漫画しか読まないはずなのに、なぜか室生犀星の『朝を愛す』の一節をスラスラと諳んじるシーンが出てきます(1979年4月25日放送の『総理先生しっかりして!』)。
ゆうひが丘の総理大臣『総理先生しっかりして!』より
その回は、ソーリが自分の生き方に悩みながらも、今を一生懸命生きるしかないということに気づくストーリーですが、不幸な生い立ちでも常に前を向いて生きる、という室生犀星の生き方に重なるものがありました。
きっと脚本家はそれをいいたかったから、ソーリが室生犀星を諳んじたのだろう、ということを最初の放送から35年もたってから私は確認した、という話です。
馬込文士村の入り口には神社があります。
大田区のタウン誌『おとなりさん』には「天祖神社」、社号は「八景天祖神社」、神社内の印刷物には「山王天祖神社」と書かれていますが、ここでは山王八景天祖神社と表記します。
山王八景天祖神社では、16日と17日が例大祭というので、こちらにも寄ってみました。
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日本一静かなお祭り?
山王八景天祖神社に来ましたが、見事なほど静かです。
急な坂の途中にあるところで、露店はもともと入れないところではありますが、それにしても、人も全くいません。
日にちを間違えたんじゃないかと思いましたが、神輿もあるし旗もたっています。
この撮影をした3時間前の12時に式典があったため、それが済んだのでみなさん帰ってしまったのでしょう。
お祭りは、やはり露店の存在が大きいんですね。
あした17日10時からの子供みこしと山車が出て、14時から大人の神輿が出るそうなので、近くにお住まいの方は、その時間に合わせてご覧になってはいかがでしょうか。
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