SSブログ

高輪虎屋、名物の茶釜型建物を『クレージー黄金作戦』で思い出す [東宝昭和喜劇]

高輪虎屋という、先ごろ惜しまれながら休業した和菓子店があります。茶釜をイメージした建物は、47年前には映画『クレージー黄金作戦』の舞台にも使われ、昭和の懐かしい雰囲気にあふれた高輪白金の象徴ともいえました。今や平成26年。すっかり様変わりした街並みの中で、お店は休業しても建物だけはしっかり残っていました。

今回は映画のロケ地訪問です。

過去に制作された映画やドラマのロケ地の現在を確認する、という試みは、マニアのサイトによく見かけます。

でもそれは、作品をアナが空くほどじっくり観察し、ちょっとした手がかりをヒントに推理を重ねていろいろな場所を探しまわるので、かなりエネルギーを消耗します。

ただ、今回は場所が簡単に割り出せたことと、他のマニアブログで訪問記事を見かけないこと、すでに建物の中のお店が休業しているために、建物が「消える前に散策を」(『東宝昭和の爆笑喜劇Vol.5』で泉麻人氏)と書かれていたことなどから、久しぶりに「ロケ地訪問」をしてみました。

場所は東京港区高輪の、和菓子処・高輪虎屋があった建物です。休業しましたが、『食べログ』には今もレビューが残っています。

作品は『クレージー黄金作戦』(1967年、東宝)。

クレージー黄金作戦

クレージーキャッツの7人が、ラスベガスの大通りを5分間、いっさいの通行をストップさせて歌って踊りました。

ラスベガスで踊るクレージーキャッツ

東宝35周年記念映画として制作され、のべ293万人を全国で動員したそうです。

作品については、評価が芳しくない批評者もいます。

まあたしかに消化不良なところもありますが、ラスベガスシーンはあるし、マニアなら皆知っている東宝のバイプレーヤーも数多く出演して盛り上げているしで、見どころはあります。

で、今回のロケ地ですが、舞台は国会議員・板垣重金演じるハナ肇の実家。代々続く「こがねや」という煎餅店の設定です。

板垣家には由緒ある茶釜があるのですが、重金は外遊の費用を捻出するためそれを売り飛ばそうと持ち出し、母親(飯田蝶子)に「やめてくれ」と追いかけられます。

そのシーンでバックに茶釜をイメージした独特の建物がうつっています。

こがね煎餅

で、現在の「こがねや」は、こうなっていました。

高輪虎屋全景

屋根の色が、映画と現在とでは違うのですが、これは緑青でしょう。

左側の木造家屋はすでに壊されて更地になっています。右側の建物はまだあります。

虎屋全景少し右に

虎屋の真ん前にあるのは、東海大学情報通信学部と東海大高輪台高校です。

東海大学情報通信学部と東海大高輪台高校

虎屋を挟んだ道は意外に狭いなあと思いました。

道は意外と狭い

映画で見ると、もう少し広い感じがしたのですが。まあ47年前なので、建物もごちゃごちゃしてなくて本当に広かったのかもしれません。

スポンサードリンク↓

ほかにはこんなものも……


高輪といえば、こちらが港区名物、コミュニティバス「ちぃばす」。文字通り、民営のバスよりも小さめの車体ということになっているのですが、撮影したのは車椅子も乗降できる中型バスです。

ちぃばす車両

東京都港区が、富士急行系列のフジエクスプレスに運行を委託した公共事業だそうで、小学生以上100円均一で8路線を利用できます。

停留所です。

ちぃばす

同じ目的地に行くのなら安い方を利用するでしょうから、民営バスにとってありがたくない路線だと思うのですが、ただこのちぃばすは、都営バス廃止に伴ってできたもので、区も赤字だそうです。

高輪虎屋の建物は、国道1号線(第二京浜国道)の上り車線から、明治学院大学前の交差点を右折。天神坂を上ったところにあります。

天神坂1.png

画像は比較的なだらかなところから撮っていますが、坂全体はもっと急勾配な印象があります。

天神坂2.png

近くには、芝公園もあります。

芝公園

ということは、東京タワーもあるのですが、次の用事があってそれだけは撮影できませんでした。

いつも「雑記ブログ」と標榜しているので、あまりマニアックな記事もどうかとは思うのですが、たまにはこんなこともやっていきたいと思います。

クレージー黄金作戦 [DVD]

クレージー黄金作戦 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD


nice!(313) 
共通テーマ:映画

nice! 313

Facebook コメント

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます