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『秘密のデカちゃん』石立鉄男と大場久美子主演の“昭和ドラマ” [懐かし映画・ドラマ]

秘密のデカちゃん

『秘密のデカちゃん』(1981年~1982年、大映テレビ、TBS)というコメディタッチのドラマが、15日からTBSチャンネル2で始まるそうです。主演は石立鉄男と大場久美子。刑事ドラマの設定になっていますが、犯人を追う緊張感よりも、主人公の「秘密」をめぐるスリルを面白おかしく描いた、大映ドラマらしいコメディです。(画像はTBSチャンネル2より)



11日にこのブログ「戦後史の激動」では、「『なんたって18歳!』岡崎友紀主演大映ドラマ第2弾ライトコメディ」を書きました。

今回の『秘密のデカちゃん』は、『なんたって18歳!』の前に放送されていた『おくさまは18歳』の設定を変えた焼き直しといっていいと思います。

日暮庄助刑事(石立鉄男)は、松岡刑事課長(峰岸徹)と同期でありながら、上司と部下の関係にまで差を付けられた万年ヒラ刑事。

出世を妨げてきた人の良さから、詐欺事件に巻き込まれて自殺を図った男の娘・祥子(大場久美子)の面倒を見ることに。

そして、祥子も婦人警官になり同じ署に配属されますが、庄助は「娘が20歳になったら結婚してくれ」という、男の遺言まで律儀に守って祥子と夫婦になってしまいます。

ドラマによると、日暮庄助は祥子を引き取った時点で戸籍に入れていますが、自分の養女にしてしまうと法律上結婚できなくなるので、自分の両親の「養女」、つまり「妹」にします。

このへん、コメディでも現実(民法734条1項のただし書)に辻褄を合わせています。

署長(名古屋章)は、2人が別れてくれることを内心願いながら、署内では2人の関係はあくまでも「父娘」であり、「夫婦」であることを隠すように命令します。

しかし、2人とも署内ではモテて何かと付きまとわれるため、同僚にバレそうになるヒヤヒヤシーンが毎回続出。

でも結局はバレずに最終回までいってしまうのは、『おくさまは18歳』と同じです。

ドラマでは、秋野太作や鈴木ヒロミツなどの同僚刑事が、2人のアパートまで行くのですが、部屋にはどう見ても夫婦が使っているとしか思えないダブルベッドがあります。

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でもそこで気づくとドラマは終わってしまうので、気づかないようにしなければなりません。

そういうわざとらしい展開を上手に進めるには、役者同士の呼吸や信頼関係や演技力も大切です。

石立鉄男とは、年齢も近く共演作品も多い、峰岸徹や秋野太作、鈴木ヒロミツなどが起用されたのはそういう理由があるのでしょう。

ベテランの名古屋章のほかにも、谷幹一や由紀さおりなども出演しています。

由紀さおりといえば、今や国際的歌手ですが、『秘密のデカちゃん』では、石立鉄男はもちろん、他の男性刑事にかたっぱしからモーションを掛ける、かなり“イタ面白い”役柄を演じています。

もともと、ドリフの番組でも「長さんのバカ…」というギャグを得意としていましたし、媒体は失念しましたが、インタビューで、またコメディの仕事をしたいと言っていたので、『秘密のデカちゃん』は自分でもノッていたのではないでしょうか。

それにしても、未成年を主たるターゲットとした30分ドラマの『おくさまは18歳』のストーリーを、10年もたってからゴールデンタイムのど真ん中である(毎週)午後8時の1時間ドラマに持ってくるというのは、当時としてもかなり思い切った企画かもしれません。

1981年といえば、単発2時間ドラマが各局で制作され始めましたが、まだレギュラーの1時間ドラマが主たるコンテンツの時代でした。

「水曜8時」にほぼ10年出ずっぱりで実績を作ってきた石立鉄男と、これまた子供向けのドラマ『コメットさん』(1978年~1979年、国際放映、TBS)があたって、ドラマの数字も見込める大場久美子を主演にしたので、編成もOKを出したのでしょう。

最終回の、石立鉄男と大場久美子のやりとりで、続編があるかのような会話がかわされていますが、結局続編はなし。

やはり、古き良き時代の“昭和ドラマ”だったのでしょう。

オープニングは、まるで番宣のようなレギュラー陣のやりとりに、松崎しげるの歌(『JAKAJAKA』)が入ります。

今日は久しぶりにオープニングを見ようとYoutubeにアクセスしましたが、なぜかありません。

サジェストワードには出てくるので、削除したのかされたのかしたのでしょう。

まあ、明日からの放送を楽しみにします。

大映テレビの研究

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  • 作者: 竹内 義和
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