『知子の情報 for Waffle Cell』(テグレット技術開発)という文書型データベースが5月にリリースされていました。この製品は『知子の情報Pro/Mail』の後継バージョンですが、大きな違いは64bit版対応になったこと。私も含めて、ユーザーはやっと64ビットのOSを安心して使うことができるようになりました。
みなさんは、パソコンで作成した文書データをどう管理されていますか。
私は、Windowsの前のOSであるMS-DOS時代から、20年以上にわたって『知子の情報』を使ってきました。
『知子の情報』は、テグレット技術開発から発売されている、非定型文書型データベースです。
起動した画面はエディタです。
が、作成して保存したデータは、
データベースファイルの中に保存されます。
画面はまた普通のエディタに。
そして、またそのデータを使うときに検索して
目的のデータを取り出すことができます。
文書データが増えれば増えるほど、まずそのデータを管理するのも、そこから目的のデータを探すのも大変ですが、このソフトでは文書データとして一括管理し、目的のデータもすぐに見つけることができます。
メインは文書データですが、画像データや音楽データなど、あらゆるデータを索引をつけて保存し、あとから探し出すことができます。
私はMS-DOS時代に、『知子の情報』で書籍のデータベースを作って『Vector』に発表したことがあるのですが、ユーザーから「こういう使い方があるのかと参考になった」とお礼のメールが来て、聞いたことある名前だなあと思ったら、有名な社会学者だったことがありました。
『知子の情報』は、学者、弁護士、ジャーナリストなど、文書データで仕事をしているユーザーが多いソフトなのです。
そしておそらく、ユーザーの多くは、同ソフトに対するこだわりが非常に強いのではないかと思います。
ただ、ソフトは2003年にWindowsXP対応の『知子の情報Pro/Mail』がリリースされたっきり音沙汰なし。
テグレット技術開発からも、64bit版開発の予定はいっこうに発表されませんでした。
というより、もう新バージョン開発はない、といわんばかりに、32bit版でも64bitOSで動く、という話が公式サイトには書かれていました。
そこで、長年のユーザーは私を含めて、
1.64bitOSのマシンで2003年開発の『知子の情報Pro/Mail』を使うか
2.諦めて他の文書データベースソフトに乗り換えるか
3.『知子の情報Pro/Mail』を再優先して使うために、32bitOSのままで我慢するか
の、いずれかを選択してきました。
ただ、1の場合は、マシンのスペックが進歩するほど、フリーズするというユーザーからの報告が多く、少なくとも私は実用には耐えないと思いました。
2ですが、『知子の情報』に換わる適当なソフトはなかなか見当たりません。
ということで、結局3を選択せざるを得ず、「第4世代」と呼ばれる進んだCPUがリリースされているというのに、32bit、それも激速ではない、型落ちクラスのスペックでストレスをためながら動かしていたのです。
しかし、
最近のSo-netブログはあまりにも重い。
私もだいぶくたびれてきました。
そこで、少しでも快速なマシンに換えて自分の環境のストレスだけでも軽減しようと、64bitOSの最新マシンにリプレイスすることを決意。
断腸の思いで、『知子の情報』とお別れすることも覚悟しました。
でも、未練たらしく最後にもう1度だけテグレットのサイトを見たところ……、
何と、20年来のユーザーである私に何の連絡もなく、ちゃっかり64bit版対応の『知子の情報 for Waffle Cell』をリリースしているではありませんかーっ!!
出すなら出すって言ってくれればいいのに。
でもまあ、出てくれるのなら、これからは高速マシンにリプレイスできます。
ということで、『知子の情報』は引き続き使っていくことにしました。
クラウド時代のデータ管理
ところで、今回の『知子の情報 for Waffle Cell』ですが、後ろに付いている「Waffle Cell」という名称。
これは、やはりテグレット技術開発が売っているサーバーソフトのことです。
つまり、会社や自宅でサーバーを構築し、Waffle Cellをはしらせれば、そのクライアントソフトとして知子の情報が使えるということです。
これによって、自宅やオフィスのパソコンからでも、移動先におけるタブレットマシンからでもデータの読み書きができるというものです。
同社は、当初『知子の情報』の後継ソフトとして、Waffle Cellのクライアントソフトである『MemoTDB』を2013年に発売しています。
今回の『知子の情報 for Waffle Cell』と、『MemoTDB』がどう違うのかわかりませんが、『MemoTDB』については、Waffle Cellのクライアントソフトということで、ユーザーの反応がそれほど芳しくなかったのかもしれません。
まあ、クライアント・サーバーシステムは、大きい会社ならもう採り入れているでしょうし、個人ユーザーが自宅サーバーまで構築してソフトを利用するケースは少ないでしょうから。
そこで、従来の熱心なユーザーが待望する『知子の情報』という名称をつけた64bit対応版が急遽開発されたのではないでしょうか。
実質的に同じ役割でも、『MemoTDB』ではなく、『知子の情報』64bit版をリリースしてよかったのではないかと私は思います。
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