『究極の内部対策 WebコンテンツSEO』(日本実業出版社)という書籍を読みました。著者は鈴木将司氏と芳川充氏。SEOというと、リンクの数やキーワードの入れ方などの“裏ワザ”で操作する方法が喧伝されてきましたが、Googleのアルゴリズムが進化して、最近は記事内容が重視されているといわれています。そこで同書は、コンテンツSEOという、これまであまりいわれてこなかった新しいSEOを提案しています。
鈴木将司氏といえば、全日本SEO協会の代表理事を名乗るこの世界では有名な人で、私も鈴木将司氏のセミナーは何度か拝聴しています。
芳川充氏は、その協会の会員。つい半月前、別の書籍についてこのブログの「
『人の心を操作するブラックマーケティング』ステマはどこに潜むか」で取り上げました。
パンダ・ペンギンアップデート後はコンテンツSEOの時代
このブログで何度も記事にしましたが、簡単に述べますと、SEOというのは、サイト(ブログ)を検索エンジンで上位に検索されるように体裁を整えることです。
たとえば、「ペット」のサイトを調べようと検索したら、たくさんの「ペット」関係のサイトが検索結果に表示されます。その表示順位をより上にしましょう、という対策のことです。
SEOというのは、サイトを人間に例えるなら、身だしなみといっていいと思います。
以前の検索エンジンは、いうなれば「押出しの良いサイト(ブログ)」が高く評価されていました。
具体的には、リンクされる数とか、キーワードの多さなどで評価されていました。
ですから、SEOといいますと、そうした対策のことを指していました。
ところが、「押出しの良いサイト(ブログ)」至上主義では、サイト(ブログ)の中身の記事が大した内容でなくても、リンクを増やしたりキーワードを増やしたりといった「厚化粧」で、「よい押出し」のサイトさえ作れば上位表示されてしまいます。
それでは正しいサイト(ブログ)の評価にならないということで、近年の検索エンジンは、サイト(ブログ)の記事内容を見ることになったのです。
コンテンツ重視ですね。
検索エンジンは、2012年~2013年にかけて、パンダアップデート、ペンギンアップデートという、サイト評価のアルゴリズム変更と、それにともなうページランクの更新などを行ってきました。
人間にたとえますと、「見かけ」で選ぶことから、「人間性」重視へアップデートしたのです。
検索エンジンも、おとなになったわけです。
いずれにしても、コンテンツ=人間性、SEO=身だしなみということで、いずれもサイト評価の因子ですが、それぞれ別のものとして考えられていたわけです。
ところが、今回の『究極の内部対策 WebコンテンツSEO』は、タイトル通り、「コンテンツSEO」という両因子を合わせた提案をしています。
これは、人間にたとえたら、
素敵な人間性を評価されるようにする
という感じでしょうか。
では、具体的にそれはどういうことでしょうか。
個人サイト(ブログ)にも使えるノウハウ
同書は、主に企業や商店のサイトを対象にしていますが、個人サイト(ブログ)にも使えるノウハウが多々含まれています。
私が読みながらメモを取ったノウハウについてご紹介します。
昨今のサイトは幅はYahoo!Japan並みの950pxが望ましい。リキッドタイプも選択肢に。
リキッドタイプというのは、ブラウザのサイズによってサイトの横幅が変わるレイアウトです。
So-netブログは、標準でリキッドタイプのレイアウトが用意されていますね。
フェイスブックをコンテンツの一部に
これは私がもっとも苦手というか、匿名性とのブログと折り合いをつまくつけることができていません。
だからかもしれませんが、このブログ「戦後史の激動」の閲覧者の訪問源泉を比較すると、
検索エンジン>Twitter>Facebook
ですね。今のところ。
記事の下にある「いいね!」ボタンを通してしかFacebookには伝わらないのですが、「いいね!」が100を超えた時ですら、アクセス数はとくに伸びた様子はありませんでした。
このブログが今よりもアクセス数が増えるかどうかは、Facebookページをいかにうまく使いか、ということにかかっているかもしれません。
ユーザー(閲覧者)にとって使いやすいサイトにする
同書に書かれているのは
1.全ページ統一感あるデザインに
2.全ページ同様のメニューに
3.パンくずリストを入れてトップページにリンクする
コンテンツは100記事以上
1記事500字以上
最低でも月に1度の更新
といったところです。
もちろん、「月に1度」というのはまさに「最低ライン」で、パワーサイトは1日複数回更新しています。
リライトと引用でコンテンツを増やす
コンテンツは量も質も向上させる。量というのは、記事の数とともに、1つの記事の文字数も。
しかし、書くことがない、200字ぐらいで終わってしまった、ということもありますよね。
そういう場合には、他のサイトをヒントにして記事を書き足そう。とくに質問掲示板の質問を参考にしようと書かれています。
その際、内容を参考にした「リライト」か、そのまま拝借する「引用」をすることになりますが、
リライトは
1.言葉の置き換え
2.付け加え
3.順番を変える
などを行って独自の表現にする。そして引用なら
1.引用部分を明確に
2.出典を入れる
3.自分の文章が主で引用が従
といったことを解説しています。
推敲
これも私の苦手なところです(汗)
同書は、
書いたものは時間をおいてチェックする
他の人に見てもらう
などを薦めています。
タイトルはSEOを考える
これは、これまでのSEOでもいわれてきた「内部最適化」といわれるものです。
たとえば、ニュース記事の意見を書くブログを運営していたとしましょう。
楽天で鯨肉の販売を禁じたり、仕入れをやめる飲食店が出始めたりしている、という記事について書くのなら、
×今日のニュース
ではなく、
○鯨食が楽天でも販売禁止に!その背景は?
という書き方にしよう、ということが書かれています。
つまり、検索エンジンに高く評価されるネットの記事は、少なくともタイトルは、紙媒体では評価される技芸である比喩や抽象的表現よりも、具体的、直裁的、個別的なものが良いということです。
記事の内容が一目でわかるタイトルにしましょう、ということです。
……などなど、日々の記事更新に役立つことが書かれていますので、企業・商店のサイト運営者はもちろん、個人でもブログ運営であれば、この『究極の内部対策 WebコンテンツSEO』。1度目を通されてはいかがでしょうか。
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