2014FIFAワールドカップブラジル大会が、6月12日に開幕します。『実話BUNKAタブー』(7月号)では、「高額な放映権料でボロ儲け!サッカーワールドカップの利権を牛耳る黒幕電通の正体」という記事を、今月号の読み物ページのトップに掲載しています。内容は、ワールドカップなど我が国の話題のイベントやブームは、いつも広告代理店の電通が仕掛け、それによって巨額の利益を得ている、という話です。
2014FIFAワールドカップブラジル大会。
正直なところ、嫌な季節だなあ、と私は思っています。
といっても、出場する選手にもサッカーにも何の怨みもないし、以前からサッカーが好きで、ビッグイベントを心待ちにしている人を否定するつもりも全くありません。
私がいいたいのは、とくに関心もなかった国民が、ふだんコバカにしている「マスゴミ」に踊らされて、また“そのときだけ”浮つくんだろうなあ、と思うと憂鬱になるのです。
その人たちが楽しむだけでなく、浮つかない人間は非国民であるかのような雰囲気は嫌ですね。
それでいて、一過性で、時間が経つと忘れてしまう(苦笑)
結局、マスコミが儲かるだけ。
ただ、よく考えると、今回は時差のある海外の大会。
中継で稼げるはずのテレビ局も、それほどの利益は期待できないような気がします。
となると、いちばんおいしい思いをしているのは?
『実話BUNKAタブー』の記事は、30年も前から、W杯のスポンサー権やテレビ放映権料の窓口になっている、電通こそが「がっぽり儲けている」といいます。
2002年のW杯日韓共催大会の際は、1000億の利益を得たと見ています。
今回の放映権料は、前回大会の200億円から400億円に倍増したそうです。
電通はW杯だけでなく、オリンピックの窓口にもなり、五輪マークの使用料、日本人選手の肖像権ビジネスまで仕切っていることも同誌は明らかにしています。
スポーツイベントで、国民が簡単に「勇気をもらった」と“感動”しているとき、電通は「カネをもらった」とウハウハなのです。
スポーツイベントだけではありません。
あのAKB48。誰が作ったか、といわれればおそらく大抵の人が秋元康氏というでしょうが、同誌はそれを否定。
彼女たちのブームを仕掛けたのは電通だと指摘しています。
韓流ドラマやK-POPの仕掛けは今更言うに及びませんが、電通が韓国を売り込んだ理由について、その時期が2002年の日韓W杯を「成功」させた翌年からということも踏み込んで分析しています。
ただ、テレビ局は経営が悪化しているから、電通は今後も放映権料ビジネスを続けるのはむずかしいのではないか、と同誌は分析して結んでいます。
いつも懐疑的・批判的でいるためには……
私はこのような記事を好んで取り上げ、国民総興奮にはいつも冷ややかなのですが、そんな私に、以前このような反論がありました。
曰く、
誰の仕掛けだろうが、楽しいことを楽しんで何が悪いんだ。お前だって映画会社が仕掛けた映画作品に感動するブログ記事を書いているじゃないか。
それで日本が明るくなって、経済が活性化すればいいだろう。
自分の意志で作品を選んで鑑賞して自分の意見として感動することと、広告代理店が主要メディアを抑えて国民に横並びの「感動」報道を押し付けがましくばらまくこととは、同じ「感動」でも全く意味が違いますよね。
イベントが巨大になればなるほど、仕掛ける側にとってそれは金儲けなのです。
なんでそんな人のために踊らされなきゃなんないの? 感動させられなきゃなんないの? と私は思うわけです。
その金が、国民に還元されるならいいでしょう。
もちろん、そんなことはない。
イベントを仕掛けて、国民を利用して企業から金を引っ張っているだけです。
つまり、広告屋さんの商行為にすぎないのです。
お金だけの問題だけではありません。
広告代理店の仕掛け方一つで、社会的問題やその見方が変わってしまう。
情報操作や国民の価値観の支配につながる、ということです。
メディアに対しては、十分に気をつけなければなりません。
といっても、人間は間違い得る存在ですから、思い込みや欲得で、「正体」を見抜けず引っかかってしまうことあると思います。
もとより、メディアを牛耳る広告代理店が、綿密にこしらえた仕掛けに一庶民があらがいきれるか、というとそれもなかなかむずかしい。
ではどうやって懐疑や批判の視点を持つようにしたらいいのか。
カストリ雑誌とかバカにしないで、同誌のような批判的意見をつねに気にかけておくことです。
『朝日新聞』は権威があるから信用するが、『アサヒ芸能』はヘアヌードが出てるから信用しない、なんて思ってたらダメです。
ノーベル賞学者が間違い、便所の落書きが正しいことだってあるのです。
私は、個人的に叩かれたこともあるのに、今もよく2ちゃんねるなどのネット掲示板を見ます。
くだらない書き込みの中に、もしかしたら真実が紛れているかもしれないからです。
大半はゴミでしょうけどね。
でも、真実を見抜くというのは、本来骨の折れる作業です。
簡単にあてがわれる情報は真実ではない、と思ったほうがいいでしょう。
最近は、真っ向から懐疑や批判の記事を掲載する雑誌も減ってきましたから、同誌は今や貴重な批判誌だと思います。
毀誉褒貶はあるでしょうけどね。
興味のある方は一度手に取られるといいと思います。
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