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Google検索順位、「信頼できる人物の執筆重視」に対する懸念 [パソコン・ネット]

Googleといえば、ポータルサイトにおける検索エンジンのシェアが、我が国では90%を超えるといわれています。要するに、Googleの検索順位は、わたしたちのサイトのアクセス数に決定的な影響をあたえるわけですが、このほど同社品質管理チームの責任者・マット・カッツ(Matt Cutts)氏が、「信頼できる人物の執筆を重視する」と新しい価値観を発表し、話題になっています。

ネットを使ったことのある方なら、GoogleやYahoo! JAPANの画面上部にある窓から、調べたい文字列を入力し、関連するサイトを調べたことのない人はいないでしょう。

グーグル画面.png

ヤフー画面.png

これは、どちらもGoogleの検索エンジンを採用しています。

利用者が検索し、表示されるサイトの順位は、Googleが独自の計算で決めています。

自分のサイトがたくさんのサイトから選ばれて読んでもらうためには、ライバルサイトより上位に表示されなければなりません。

いったいどんな計算方法で表示順位を決めるのか、気になります。

Googleは、その計算は200以上の項目から行うとしていますが、これまで私たちが明らかにコントロール出来ていたのは、被リンク(バックリンク)と呼ばれるものです。

被リンク(バックリンク)とは、ヨソのサイトから、自分のサイトにリンクをしてもらうことです。Googleはリンクを人気投票と見て、他所のサイトからリンクをより多くもらっているサイトは、多くの人に支持されている価値の高いサイトとみなされていました。

そこで、とくに商用サイトのオーナーや、その管理を請け負っている業者などは、目的のサイトにリンクをするためだけに、サテライトサイトといわれる形だけのサイトを量産。そこから自作自演のリンクを作り、被リンクを増やして目的のサイトの評価を高めていました。

サテライトサイトは、まさにリンクのためだけに作ったサイトですから、コンテンツの中身はたいていおざなりです。

これによって、多くの人から支持されたわけでもないサイトが上位表示されるだけでなく、中身のないゴミのようなサイトが量産され、検索上位の裏技を標榜する怪しげな情報商材や塾が流行しました。

これでは、検索窓の利用者のためにもなりません。

そこでGoogleは、コンテンツやリンクの質の低いものをチェックする検索アルゴリズムの変更を行いました。パンダアップデートやペンギンアップデートといわれるものです。

さらに、今回(5月11日)、Google品質管理チームの責任者・マット・カッツ(Matt Cutts)氏が自ら出演して、YOUTUBEに動画を公開。新たな方針を発表しています。

Will backlinks lose their importance in ranking?


もちろん英語で話しています。動画は日本語字幕も選択できます。

が、話している単語の順番に訳しているだけなので、日本語の文章になっていません。

自分で何度も聞き直して判断したほうが結果的に早くて正しいかもしれません。英会話に自信がなくてもチャレンジしてみましょう(汗)

内容は、私の解釈ですと、パンダ・ペンギンアップデートを経て、Googleは検索順位についてこれまでのバックリンクから別の価値観へ移行するのか、という問いに対して、マット・カッツ氏は、被リンクが「少し少なめに重要になる」(要するに今までほどの価値の重きは置かない)一方で、信頼できる人物が執筆したかどうかを重視し、解析してオーサーランクをはじき出すと話しています。

現在でも、自作自演のリンク効果や、ペラサイト(1ページで完結しているサイト)の安定的な順位維持が難しくなっており、Googleは内容の濃いコンテンツを求めてきていることは、SEOに携わるいろいろな人から言われていました。

この動画は、そこからさらに踏み込んで、コンテンツそのものだけではなく、書き手自身の価値が検索順位に含まれると述べている点が新機軸です。

著者の評価の仕方について詳細は語られていませんが、要するに、信用できるかどうかわからない人物の投稿など検索結果には載せませんよ、ということかもしれません。

これ、どうなんでしょうね。

専門家の専門的な書き物が無謬・万能というわけではない


たしかに、ネットの情報は玉石混交です。

その中で、より信頼できる情報を紹介したいというGoogleの考え方もわかります。

しかし、しょせん人間というのは間違いうるものです。

ノーベル賞をとった学者が間違って、便所の落書きが正しいことだってあり得ます。

つまり、肩書のすごい専門家の、専門用語を散りばめた記事がいつも正しいとは限らないし、むしろ在野の「便所の落書き」に刺激を受けて、より高次な判断に進められるということだってあるはずです。

その意味で、本物を見つけ出すのに時間はかかるかもしれないけれど、だれでもみな平等のところでスタートする仕組みのままの方がいいのではないかと思います。

もとより、ネットの可能性というのは、本来そういう自由なところにあるのではないでしょうか。

もうひとつは、あまりにも専門家主義になってしまうことで、ある文字列の検索順位が、いつも著名な学者やエンジニアやジャーナリストなどの“内容の濃いコンテンツ”ばかり並び、他愛ない個人ブログが下に沈んでしまうかもしれない、という問題もあります。

日常生活の疑問や確認に、個人ブログの日常的な記事を参考にさせていただく機会は少なくありません。

たとえば、「さて、今日のお昼は何にしようか」とネットを調べたいとき、著名な医師や栄養学者の、栄養や健康面からの“内容の濃いコンテンツ”がゾロゾロでてきても、こっちはちっともありがたくありません。

まわりくどい論考ではなく、個人ブログの「今日の昼飯の○○はうまかった」という記事を見たいわけです。

ラーメンライス.jpg

そう。書き手の肩書重視によって、ユーザービリティそのものが損なわれる懸念もあるのです。

もちろん、Googleともあろう大組織が、私ごときの懸念などとっくに気づかれているでしょうが、いずれにしても利用者は自分のニーズや価値観でサイトを探しているのだ、ということは忘れないでいただきたいと思います。

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