SSブログ

なべおさみ、新刊本で“のせ上手”のノウハウを開陳するか? [芸能]

なべおさみ。若い人には、なべやかんの父親といった方がわかりやすいでしょう。そのなべおさみが5月9日に書籍を上梓するというので、『日刊ゲンダイ』(2014年4月28日付)が一面使ってインタビュー記事を掲載しています。かねてからいわれている“のせ上手”のノウハウを知ることができるかどうかに興味があります。

日刊ゲンダイ・なべおさみ.png

なべおさみは東京・大森区、今の大田区の出身です。

大田区が、大森区と蒲田区の合併でできたという歴史ぐらいは知っていますが、それは1947年のこと。

小さい時からテレビで見慣れているタレントですから、同世代ではなくても“近い人”というイメージがあります。改めて大田区になる以前の人であるという事実を知ると、ひと時代前の“昔の人”なんだなあと、今更ながらちょっと驚きです。

なべおさみの出身高校は地元の都立大森高校。「田中実さんを思い出しながら元同級生との関係を考える」で書いた、私の出身中学とは道を隔てて隣同士です。ちなみに、毒蝮三太夫もその高校の出身です。

毒蝮三太夫はそこからニチゲイ、日大芸術学部に進みましたが、なべおさみは明治大学演劇科へ。驚くべきは、現役大学生の時に、すでに現役の放送作家であったことです。

にもかかわらず、渡辺プロに入って水原弘の付き人になり雑巾がけから始めます。そして、水原弘が退社しても独り立ちせず今度はハナ肇の付き人に。その間、大学の授業料は渡辺プロ持ちだったといいます。

スポンサードリンク↓

谷啓が一目置いた「のせ芸」


その頃思い出すのは『シャボン玉ホリデー』のコント。

シャボン玉ホリデーのなべおさみ.png

今にして思えば、古澤憲吾監督(東宝クレージー映画のメイン監督)のパロディと思えるエキセントリックな監督役で、すでに人気者になっていたクレージーキャッツの一員である安田伸を、ポカポカメガホンで叩いていた男。私は子供心に「何者だろう」と思っていました。
「ああ、安田(伸)さんとのアレね。収録の合間だったか、ボクがお遊びで映画監督のコントをやったんですよ。“強きを助け弱気をくじく”みたいな。そしたら秋元(近史プロデューサー、引用者注)さんが『なべ、それ面白いな~。毎週、台本書け!』って。ちょうど植木等さんの『お呼びでない……』が浸透し尽くしちゃって、秋元さんも新しいコントを作らなきゃと考えてたときでした。
 ハンチングをかぶったボクが映画監督で、安田さんは助監督の役。映画の撮影風景を題材にしたコントなんですけど、最後に必ず『やすだぁ~!!』と怒鳴って、メガホンでポカリとやる。師匠であるハナ肇さんの仲間ですから、いわば叔父貴分ですよ。その人をポカリとやるわけだから、そりゃあ気分よかったです。
 安田さんも快く引き受けてくださって、今でも感謝してます。竹腰美代子さんに会うと、『いつもウチの主人を気安く殴っていただいて、ありがとうございます』な~んて、チクリチクリ言われましたけどね、フフフ」(『日刊ゲンダイ』2014年4月28日付)
この頃、メンバーの谷啓が、なべおさみの「のせ芸」に着目しています。曰く、なべおさみのような人間が近くにいると気分が良くなると(『シャボン玉ホリデーースターダストを、もう一度』五歩一勇著、日本テレビ放送網)。

その後、渡辺プロとは正式にタレントとして契約。ところが、恩人であるはずの渡辺普社長と揉め、師匠であるハナ肇とも袂を分かつ形でレギュラー番組もすべて降板。すると、今度は森繁久彌の付き人になってそこからカムバックを果たしました。

その後は、なべやかんの明大替え玉受験事件や自動車事故などがあり、テレビからはフェードアウト。

何年かぶりでテレビに出たとき、のちのインタビューで、「(久々にテレビが声をかけてくれたのは)ありがたかったし、楽しかった」という感想が印象に残りました。

たかり芸で豪華な結婚式?


その時の話では、仕事がなくて装飾品を売り払って暮らしているという話だったのですが、先日のなべやかんの結婚式はやたら豪華で、ビートたけしもびっくり。
なべやかんが8歳年下の元DJと19日に結婚式をしたんで、一応、オレの弟子だから行ったんだ。おとっつぁんのなべおさみさんが相変わらずだった。おさみさんの知り合いは広島県の納税額ナンバーワンだとか、誰が見ても大金持ちぽっかりで、いかにもたかって生きてるんだろうなーって思ったぜ。結婚式から何からカネを出してもらってる感じで、おかしくてしょうがなかった。あのおとっつぁんはすごい。ああなると、たかりが芸だね。(『東京スポーツ』4月22日付)
渡辺プロに大学の授業料を払わせたのも、谷啓が言うところの「のせ芸」も、ビートたけしの言う「たかりが芸」というのも、軌を一にしたものだと思います。

こうした、なべおさみの生き方を振り返ると、漠然とですが

1.どん底に落ちても這い上がってくる
2.自分の立場や地位を捨てることにためらいがない

ことがわかります。

その生き様を貫けるキーワードが「のせ芸」、ないしは「たかり芸」なんでしょう。
  ′
私自身が真似できるかどうか、真似したいかどうかは別として、すでに第一線からフェードアウトした「昭和のタレント」が、いかにして「広島県の納税額ナンバーワン」からカネを引っ張れたのか、興味はあります。

でも、過去の著作を調べても、そういうテーマでは上梓していないようです。

今回、5月9日に、『やくざと芸能と 私の愛した日本人』(イースト・プレス)というタイトルで本を出すそうですが、もしかしたら、そのヒントになることが書かれているかもしれません。

やくざと芸能と 私の愛した日本人

やくざと芸能と 私の愛した日本人

  • 作者: なべおさみ
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2014/05/09
  • メディア: 単行本


nice!(326) 
共通テーマ:芸能

nice! 326

Facebook コメント

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます