岡田可愛、青影、浅野真弓、水沢有美、早瀬久美……。いろいろな人が登場しています。今日発売の『週刊現代』(5月10・17日号)は「創刊55周年」企画の記事が出ていますが、その中の一つが『あの有名人55人の「いま」』。スポーツや芸能の世界でかつて名前を聞いた人たちの「あの人は、今」です。近頃の週刊誌記事としては異例の14ページ。それでも55人ともなると駆け足の紹介になっています。
トップは『おれは男だ!』(1971~1972年、松竹、日本テレビ)のヨシカワクンこと早瀬久美。かつては、「あの『おれは男だ!』のヒロインの早瀬さんです」と紹介されることに抵抗があったものの、「いまでは、私にとってかけがえのない、名前みたいな作品だと思えるようになりました」とコメントしています。
『飛び出せ!青春』(1972~1973年、東宝、日本テレビ)の、片桐くんこと剛たつひともインタビューで同じような話をしていますね。
当時は、役のイメージが強烈すぎて、他の仕事がしにくかったものの、その役があってこそ俳優としてずっと覚えていてもらえることの喜びを、時間がたった今、感じているのでしょう。
かつてのヒロインは引退した人も
この世代のヒロインはほかに、岡田可愛、水沢有美、浅野真弓、ホーン・ユキ、鮎川いずみなどが登場します。
といっても、すでにアパレル会社を起業している岡田可愛さんと、引退した浅野真弓さん、ホーン・ユキさんなどは本人ではなく、本人の近況を知る人の談話になっています。
『雑居時代』(1972~1973年、ユニオン映画、日本テレビ)のデコちゃん。「芸能界のカムバックはあり得ない」とのこと。これは要するに、今回の「あの人は今」のような企画にも出ません、ということでしょう。残念ですが、ご本人が決めたことですから仕方ないでしょう。
水沢有美さんは、先日、「
あべ静江“秘蔵写真”で『青春ド真中!』ヒロイン2人を思い出す」で書いたように、ツイッターでご本人からリプライもいただくので、現在のご活躍も存じています。
岡田可愛さんは、息子さんの幼稚園時代に「送り迎えするお母さんが着られる服を作りたい」と思い立ち、キッズエンジェルという会社を立ち上げたことを、10年ぐらい前に直接ご本人からうかがったことがあります。
事業の話を私の妻がインタビューしたのですが、70年代ドラマオタクの私は、当時の話を知りたくてノコノコついていきました。
岡田可愛さんからは、『青春とはなんだ』(1966年、東宝、日本テレビ)『サインはV』(1969~1970年、東宝、TBS)『大江戸捜査網』(1970年、日活、東京12チャンネル)『おひかえあそばせ』(1971年、ユニオン映画、日本テレビ)の4作品が思い出深い、当時の青春学園ドラマの生徒役の人たちは今も仲が良いが、とくに加山雄三夫人の松本めぐみさんと仲が良かった、といった話を伺いました。
岡田可愛さんから「私のオタクじゃないの?」といわれた公認フリーク(笑)の私としては、『となりのとなり』(1974年、日本テレビ)というドラマの嫁さん役がよかったですね。
小鹿みきが火野正平とのスキャンダルで途中降板した代役だったのですが、いつも笑顔のクヨクヨしない役柄で、ああ、こういうお母さんが家庭を切り盛りしていたら家族は健やかな気持ちになれるだろうなあと思ったものです。
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七曲署の刑事たちも……
『太陽にほえろ!』(1972~1986年、東宝、日本テレビ)の刑事たち、露口茂、宮内淳、木之元亮なども登場。露口茂については、このブログの「
あの人はいま、80年代に輝いていた露口茂、新田恵利など」ですでに書きました。
元プロ野球選手も年金暮らし
スポーツ界では、元プロ野球選手が外国人を含めて多数登場しています。ジョージ・アルトマン、工藤幹夫、木田勇、ジョン・シピン、鈴木康二朗、吉岡悟、今井雄太郎……。タイトル獲得など記録に残る人たちばかりなので所属球団は略します。
その多くが、もう仕事はリタイヤしていることに、改めて年月の流れを感じました。
たとえば、吉岡悟は太平洋クラブライオンズ(今の西武ライオンズ)時代に、彗星の如く現れて首位打者をとったのですが、その頃毎週熱心に読んでいた『ベースボールマガジン』には、レギュラーだった基満男が「まだ若いものには負けない」というようなことが書いてあったのを覚えています。その「若いもの」が定年ですからね……。
人生とは価値観で決まる
以前夕刊紙にも登場しましたが、『仮面の忍者 赤影』(1967~1968年、東映、関西テレビ)の青影役だった金子吉延さんのインタビューがいちばん印象に残りました。
子役として成功したため学校には行けずにオール1。それが、芸能界の人間関係に嫌気が差して24歳で廃業。空調工事業に従事して「今も職人として働いて」いるものの生活に余裕はなく、そればかりか肉体労働のため腰を痛めて仕事も限られ結婚もしていない。でも本人曰く、
「でも、十分楽しくしていますよ。だいじょ~ぶ~」
普通に学校に行って普通に就職したら、より高い生涯賃金を得て、今頃マイホームで孫に囲まれていたかもしれない。でも天才子役の芸能人時代もお金で買えないいい経験だったでしょう。
どちらがいいか。それはもう価値観の問題ですね。人生は他人がソロバンで評価するものではありません。
そんな、かつての人気者たちのいろいろな生き方や考え方を知ることができる企画です。
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