不当交通取締り。ドラマや映画の世界だけではないようです。インターネットで検索すると、実際に経験した人の悩みや怒りのページを見ることができます。交通取り締まり問題に熱心な『週刊大衆』の今週号(4月21日号)は、春と秋に行われる交通安全運動(今年の春は4月6日~15日)が、重点的な取り締まりの時期であるとして、「優良ドライバーのための不当取締まり完全撃退マニュアル」というタイトルの記事を掲載しています。
私は昨年11月に、反則5点の状態でまる1年経過して、免停寸前のところをなんとかクリアしました。
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交通違反、免許停止寸前で知った・思った1年間
執行猶予明けを待つ人の心境ってこんなもんなんだろうなあ、なんて思いながらの1年でした。
違反自体は自分に非があるのですが、ただ、20年以上無違反だったのに、一昨年秋に短期間に3回続けて違反をとられたため、一体どうしたのだろうと気持ち悪くなりましたが、「交通安全運動」の最中だったんですね。
思えば、車も人もほとんど通らない裏道の一時停止のところで、普段なら絶対にいない警官が待機していて違反を取られたことありました。
「えー、そんなのあり?」という感じでしたが、まあ違反してしまったのは事実ですから仕方ありません。
今年も、昨日から15日までが、またそういう週間というわけです。
今日はクルマに乗る用事があったのですが、小心な私は“アツモノに懲りてナマスを吹く”で、バスを利用しました。
冒頭にご紹介した『週刊大衆』(4月21日号)にもこう書かれています。
交通ジャーナリストの今井亮一氏はこう指摘する。
「警察にとって、交通安全運動の期間中は違反摘発の“稼ぎ時”なわけです。違反をしたドライバーから、いかに“効率よく”反則金を徴収するか。本音を言えば、それこそが彼らにとっては大事なんですよ。
反則金はいったん国庫に納められてから、交通安全対策特別交付金として都道府県・市町村に交付される貴重な“財源”ですからね」
さらに続けて、
「交通違反を摘発し、キップを切ることが、交通課や地域課の警察官のノルマになっていることは、いまや公然の秘密と言ってもいい。
部下の成績が悪いと、上司の責任になるので、上司も部下にハッパをかける。勢い、理不尽な取締りが増えるわけです」
同誌は、違反キップを切られたからといって、警官の言い分がいつもに正しいとは限らない。取り締まる側にも失敗や不十分な点もあるし、不当な取り締まりには言いなりになる必要はない、と指摘しています。
そこで思い出されるのは、一昨年7月に発覚した、栃木県警の4136件にも及ぶスピード違反取締りの誤摘発。スピード違反誤摘発の背景にある速度測定装置(レーダー)の取り扱いミスで、処分は全て取り消し。赤キップを切られ有罪となったドライバーに無罪が言い渡されています。
また、昨年2月に千葉県警と警視庁は、「止まれ」の標識が外されていたのに一時停止違反の青キップを交付。計300万円の反則金を納めさせていたことを認めて謝罪しました。
頭の片隅に覚えておきたい7ヶ条
同誌が「『不当取り締まり』防衛7ヶ条」として挙げているのは次のことです。
違反内容を確認する
まあこれは当然ですね。ただ、取り締まりのための取り締まりであったとしても、そのほとんどは違反の事実があって、本人もそれを認識しているので、さらに居直るかのように「確認」はしにくい、というところはあるかもしれません。
納得できなければサインしない
これもそのとおりだと思います。しかし、もめて時間と手間を掛けるより、反則金で済ませたほうがいいや、という考えもあります。真実の追求よりも、それにかかるコストを避ける方を選択したいという考えも「あり」だと私は思います。ここはその人の価値判断でしょう。
免許証の取り扱いに注意!
免許証を取り上げて、サインすることを返すことの条件にする警官もいるそうです。そういうケースなら、「真実の追求」を目指しているわけでなくても、一言抗議していいのではないでしょうか。
強要や脅しに屈しない
最初から居丈高に来る警官もいれば、こちらの意思を尊重する人もいるので、これは警官の当たり外れもあると思います。
訂正要求はハッキリと!
供述調書の訂正や、文末に「以下余白」と書くことを勧めています。これだけメディアがうるさいと、警察もたいていはきちんとしていますが、まれに強引なケースもあるかもしれませんから、そういう場合のために覚えておきたいことではあります。
言いたくないことは言わなくてよい
刑事訴訟法198条では、取り調べる人は「被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない」と書かれています。でも中には告げないこともあるとか。
安易にパトカーに乗車しない
監禁というのは大げさかもしれませんが、パトカーは中から開けられませんし、乗ってしまったら精神的にも追い込まれた状態になってしまうことを懸念しています。「嫌です」とはっきり言い難くても、「乗らなければダメですか」ぐらいの返しはした方がいいかもしれません。
科学者のナントカ細胞と同じで、功を焦るあまり、警官にも誤った摘発があり得る。さすれば、確率的には稀かもしれませんが、自分の違反も冷静に捉えましょう、ということです。
同誌はさらに、「警察が“誘導”する交通違反」や「地域で偏りのある取り締まり件数」など、警察も無謬ではないことを実証的に示しています。このへんも興味深いですね。
ドライバーなら知っておいた方がいいことがいろいろ書かれています。関心のある方は同誌を手に取られることをおすすめします。
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