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『気になる嫁さん』で小田急線・ロマンスカーの狂言回しを楽しむ [懐かし映画・ドラマ]

『気になる嫁さん』が20日から、チャンネルNECOの「石立鉄男主演作品」放送枠(20時)で放送されます。松木ひろし脚本・石立鉄男主演シリーズの第2弾です。今回のヒロインは榊原るみ。佐野周二、浦辺粂子なども登場する伝説のホームコメディーは、小田急線・ロマンスカーの警笛が狂言回しになっている洒落たドラマです。

石立鉄男さん7回忌に合わせてスタートした、現在放送中の『パパと呼ばないで』。すでにこのブログ「『パパと呼ばないで』江守徹が語った“内田さん”降板の真相」のときにご紹介しましたが、今週は第39回を放送(1週間のうち再放送3回で合計4回放送)中で、来週がいよいよ最終回。

その後番組として放送されるのが『気になる嫁さん』です。7人家族に、末っ子の婚約者が同居することで起こる様々な出来事でドラマが展開するホームコメディーです。

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チャンネルNECOより

本放送時は逆で、『気になる嫁さん』(1971年10月6日~1972年9月20日)の後番組が『パパと呼ばないで』(1972年10月4日~1973年9月19日、いずれもユニオン映画、日本テレビ)でした。

スタジオドラマと違い、16ミリフィルムを使った撮影て実在する家屋や町並みがロケに使われており、本作の舞台は成城。

ストーリーの節目や登場人物の心理状況を表すときにしばしば、小田急ロマンスカーの警笛音がなります。

ナレーションのような「説明」とは違い、文芸的なセンスの高さを感じるドラマです。

石立鉄男シリーズの思い出


今やすっかりメジャーになってしまった「石立鉄男の世界」。

1970年~1978年にかけて、日本テレビの水曜、または日曜20時に放送されていた、メイン脚本家が松木ひろし、主演が石立鉄男、ユニオン映画が制作して日本テレビで放送された数作のドラマがありました。

それらは現在、チャンネルNecoで月曜日20時を放送枠にして順次放送されています。

以前の記事にも書いたように、少ない制作費で決して高い視聴率ではないうえに、石立鉄男が番宣に積極的でなかったので、本放送の時はそれほど注目されなかった番組ばかりです。

それが、シリーズ化することと再放送を繰り返すことで、次第に評価が高くなってきたインカムゲイン型の典型のようなドラマシリーズです。

具体的な作品名は、『おひかえあそばせ』『気になる嫁さん』『パパと呼ばないで』『雑居時代』『水もれ甲介』『おふくろさん』(←これだけ日本テレビ制作)『気まぐれ天使』『気まぐれ本格派』など。

松木ひろし、石立鉄男コンビではこの前後に、『S・Hは恋のイニシァル』『玉ねぎむいたら』『シンデレラの財布』など他局でも作品があります。

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ネットを見ていると、シリーズの中では『パパと呼ばないで』と『雑居時代』の評判がいいのですが、私は『水もれ甲介』と『気まぐれ本格派』をベストワークに上げたいと思います。

石立鉄男自身も一番に『水もれ甲介』を挙げています。

ちなみに個人的な推理ですが、『水もれ甲介』のモデルはハナ肇だろうと思っています。

それはさておき、私にとっては小学校から高校ぐらいまで続いたシリーズなので、やはり思い出深いものがあります。

こんなこともあったっけ


中学の頃、ロケ地を探すのが好きなクラスメートがいて、今回の『気になる嫁さん』の清水家も一緒に見に行きました。成城学園駅から少し歩いたところにありましたね。

近くには、やはり石立鉄男シリーズの『雑居時代』の舞台となった栗山家や、東宝が制作した青春学園ドラマ『飛び出せ!青春』(1972年)の本倉理事長宅として使われたお屋敷もありました。

石立鉄男シリーズでは、『気まぐれ本格派』(1977年)の主人公も「清水」でしたが、舞台となった神楽坂の貸衣装店は、ドラマと同じでやはり「清水」でした。今はもう貸衣装店もありません。

『パパと呼ばないで』の月島精米所は、取り壊す直前に見に行って家の方にいろいろ伺ってきました。

石立鉄男シリーズでは唯一、CSでの放送がなく、今やマニアの間では“お宝番組”になった『おふくろさん』(1975年)の舞台だった世田谷・四谷軒牧場。跡地に牛魂碑ができ、わざわざその前のファミレスに何度も行きました。今はそのファミレスすらつぶれたようですが。

1990年代のことでしたが、ユニオン映画の公式サイトがなかったので、私が勝手に同社制作のドラマに関するサイトを作ったら、ユニオン映画の人から「見てます、ありがとうございます」というメールが来たことがありました。

そういえば中学を卒業する時、ユニオン映画に就職したいのですがどんな高校に行けばいいですかと電話をかけて聞いたこともあります。結局、大学卒業時に問い合わせたら「新卒は採らない」と言われましたが(笑)

とまあ、個人的にはいろいろな思い出が詰まったシリーズ。何度放送されても見てしまいます。

70年代の古き良き昭和の薫りをおもいっきり楽しみましょう。



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