山口百恵に復帰してほしいですか？

山口百恵（三浦百恵さん）が引退して今年で34年。復帰計画が動き始めたという記事が今日発売の『女性自身』（2014年1月28日号）に出ていました。記事は、三浦百恵さん自身の復帰に乗り気であるというコメントをとっているわけではありませんが、桜田淳子のラブコールや、芸能リポーターの“希望的観測”をもとに構成されています。



記事のタイトルは、『百恵さん　桜田淳子「ラブコール」が火をつけた！マル秘CMプランも進行中！引退から34年ー動き始めた「復帰計画」』とあります。

昨年11月に、桜田淳子が復帰イベントで「久しぶりに百恵さんに会いたい」とラプコールを送ったから、“百恵さん復帰”の機運が高まっているというのです。

「百恵さんは、都心を訪れると、よく赤坂・豊川稲荷に立ち寄るんです。ここの境内には、淳子、森昌子と3人で、高校卒業の記念に植えた樹木があるからです。
　百恵さんはたびたび記念館の前に佇み、その成長を見ては感慨にふけっているようです。つい最近も、訪れたと聞いていますよ」（芸能リポーター・城下尊之さん）
「2人の息子は独立して芸能界で活躍中。百恵さんが家族のために費やす時間が激減した今が、復帰には絶好のタイミングでしょう。数年後には、息子たちが結婚し、百恵さんは孫の世話などに忙しくなってしまうかもしれませんからね」（芸能リポーター・川内天子さん）

また、往年の百恵さんを知らない20～30代のクリエーターたちが歌声や映像に感勤し、具体的なCMプランまでできていると書かれています。

要するに、本人に明確な復帰の意思を確認したわけではありません。願望の記事ですね。

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山口百恵は復帰するか

「カワイ子ちゃんがざわめく予選会の会場で、一人だけ雰囲気が違う子がいた」（当時の番組プロデューサー・池田文雄）という山口百恵が『スター誕生！』からデビューしたのは1973年。

2曲目から路線を変えてじりじりとセールスを挙げ、7枚目のシングル『冬の色』で初めてオリコン1位に到達。以後は、芸能生活の前半が千家和也、都倉俊一らによる歌と東宝文芸路線の映画。後半は宇崎竜童・阿木耀子コンビによる歌と独自の青春映画。さらにテレビでは大映テレビの『赤い』シリーズなどに出演しました。

歌手としてトップクラスのポジションを獲得し、主演映画も定期的に撮る。そんな彼女が、どうして当時寿引退の道を選んだのか。

音楽プロデューサー・酒井政利氏は、山口百恵に「魔性」を見たと自著『神話を築いたスターの素顔』で書いています。

曼珠沙華のアルバムのジャケットに使う写真撮影のとき、山口百恵は「なんと上半身すっ裸になってシャッター音を浴びていた」というのです。



山口百恵は、まだ実績を重ねるべき時に引退したことで、美空ひばりクラスのスーパースターとはいえないかもしれません。

が、「魔性」を抑えこんで清潔で凛々しい山口百恵のままで引退できたことで、その名前が伝説化され、本人も幸せな主婦としての生活を送れたわけですから、それでよかったのではないでしょうか。

今回の週刊誌報道がどこまで信憑性のあるものかはわかりませんが、芸能界は儲かれば何でもありの世界ですから、かつてのスターをまた引っ張りだして一儲け、ということを考える人たちがいても別にフシギはありません。

そのプロジェクトに乗っかって、いったん解散したり引退したりしたのに復帰した人はいくらでもいます。

でも、飽きられた人が時代を超えて再評価されて表舞台に返り咲いたり、ほそぼそとであってもずっと現役を続けていたりならともかく、トップクラスの人が自分の強い意志で去ったのに、30年以上もたってからまた引っ張りだすことをファンのすべてが望んでいるのでしょうか。

50過ぎた元芸能人に、また寝た子を起こすように「魔性」を求めているのでしょうか。

いくら彼女を芸能界に呼び戻したところで、彼女もファンも当時に戻れるわけではありません。

山口百恵の価値はあくまでも「当時」にあるわけです。当時の彼女の功績を評価したり懐古したりはいくらしてもいいと思いますが、「今」に当時の彼女を引き続き求めるなら、それは時の移ろいという大自然の摂理に対して少し往生際が悪いんじゃないでしょうか。

「今」は「今」にふさわしい新しいスターを育て応援していくという前向きな気持を、作り手の側もファンも持ったほうがいいのではないかと私は思います。

本人が今の生活でいいといっているのならそっとしとけ、ということです。

女性自身 2014年 1/28号 [雑誌]

• 作者:
• 出版社/メーカー: 光文社
• 発売日: 2014/01/14
• メディア: 雑誌

タグ：山口百恵 女性自身 2014年 1/28号